ツールドちば 2011

■第5ステージ・2日目
2011年9月24日(土)晴れ

牛久-久留里-R410-千倉-館山-岩井-金谷港(128キロ) … 久里浜-戸塚(37キロ)

 千葉の自宅で5時に眼が覚めるが外はまだ暗い。もうひと眠りして5時半に起床する。身支度を整えて、6時前には家を出る。外は寒く、1ヶ月前の夏の陽気とは全く異なっている。近所のコンビニとマックで朝食を取り、牛久を6時40分に出発した。

 今日のルートは一度は行って見たいと思っていたコース、国道410号線を千倉まで行く予定になっていた。千倉の先は、410号線ではなく、館山までショートカットして、館山からは国道127号線より山側の県道を走行して金谷港に向かう計画だった。

 朝はバイクで走るにはもう寒いくらい、夏用のアームカバーで何とか寒さを凌いだ。走るコースはいつもの養老渓谷に向かうコース、昨日走ってきたルートを南下する。県道81号線を10数キロ走ると、市原市民の森への案内が出ている。その案内に従って県道を右折し、小湊鉄道の月崎駅前を通過し、県道32号線へ入る。そのまま久留里に向かう。この32号線に入るには、少々遠回りして上総大久保駅前を通ってくるルートもあるが、今ステージは先のルートも長いので、なるべく最短距離を走行した。前回の第4ステージ2日目では遠回りのルートで久留里に向かったが、4キロほど遠回りになる。

 久留里に向かうのに市原市と君津市の市境の峠をひとつ上る。峠を下りきると久留里市街に出る。牛久から久留里まではちょうど20キロ。この先、補給のできるコンビニも無いので、国道410号線に入ったところのいつものコンビニでトイレ休憩と補給を取る。

 15分ほど休憩して、国道410号線を走り始める。久留里から410号を南下するのは初めての事。久留里まで北上したのは、昨年の11月に上総松丘あたりから走って来た様だが、良く憶えていない。逆走になるので、この区間は初めての様な感覚がする。国道だけに県道から比べると車の通行量も多い。ややストレスに感じるが、山道に入るまでの事と思って暫く我慢する。久留里から南下し始めたあたりでは、大きな坂の繰り返しが続く。上りはじっくりと上り、下りは勢い良く下って行く。どこへ行っても坂はあるもの、仕方ないと思って諦める。

 国道410号線は、国道465号線とJR久留里線の上総松丘駅付近で合流しているのだが、この付近の410号線はまだ完全に整備が行われてはおらず、まだ民家の前を通る細い道路や山道の様な部分が残っている。しかし、亀山方面からは何度も走行しているので、ルートを間違える心配は無い。一般生活道の様な国道から大坂交差点で整備された410号線に入る。この先は部分的ではあるが何度も走行しているので、見慣れた景色に安心する。しかし、見慣れていても上り坂が楽になるわけではなく、長い坂をじっくりと上る。

 410号線のピークは君津市と鴨川市の境の峠。この市境はトンネルになっており、君鴨トンネルという名前が付いている。安直な名前だが分かりやすい。トンネルの入口が最高地点で240mあたりまで上る。トンネルに入ってしまえばあとは長い下りが待っている。昨日通った長狭街道まで一気に下って行く。ここまでおよそ45キロ。久留里で休憩してから25キロ、まだ休憩する様な場面でもなかったのでこの交差点はそのまま通過する。

 交差点を走り抜けたが、500m程先に農産物の販売所の様な施設があった。今まで何度かここを通過しているが、気が付かなかった。ちょっと気になり、トイレにも寄りたくなったのでここでトイレ休憩にする。手持ちの食料で軽く補給もして、5分ほどですぐに出発する。まだ8時45分、9時から営業開始との事で販売所はまだ営業はしていなかった。

 この長狭街道との交差点の先は再び山上りとなる。鴨川市と南房総市との間に千葉県で最高峰の愛宕山がある。410号線は愛宕山の脇、この峠を通過する。愛宕山は408m、しかしその麓を通る国道の標高はそれ程高くなく180m程の峠をだらだら上る。峠を通過し南房総市に入り、そこから一気に下ると、道路際に酪農のさとという施設がある。日本の酪農の発祥の地という案内があった。ちょうど気持ち良く下っているところなので、どんな施設かはのんびり見ていられない。美味しい牛乳やアイスクリームを食べさせてくれるのかもしれない。

 この先は房総半島の先端に向かってどんどん下って行く。ちょうど風向きも北からの風が吹いており、気持ち良く背中を押してくれていた。天候は晴れ、湿度も低くバイクで走るには最高の気候だった。通行する車も無く、気持ちの良いひと時を過ごしていた。

 国道410号線が国道128号線と交差すると、海岸までももうすぐ。128号線を少しだけ館山とは逆の方向に進んで、右折して再び410号線に入り千倉方面に向かう。128号線より海側に出れば千倉ももうすぐ。暫くは民家の間を走っていたが、暫くすると海の気配もしてくる。千倉の駅の入口まで来ると完全に海沿いの道路になる。天気は晴れ、湿度は低く風は追い風。バイクには最高の条件だった。地図を眺めつつ、この先どうしようかと思案しながら、暫くのんびりサイクリングとなった。

 街角の案内図を見ると国道沿いに道の駅があるらしく、気持ちがいいのでそこまで足を延ばしてみる事にした。潮風、海の匂いを感じながら、道の駅までも気持ちよくサイクリングをした。その道の駅は海岸に面して、気持ちのいい風が吹いていた。ここまで牛久から75キロ、10時少し前に到着した。3時間ほど経っていた。

 目の前は海、後ろには山が控えているので、海山の特産品が販売されている。しかし買って帰るにもいかず、見るだけにしておく。食堂でも美味しそうなものを食べさせてくれる様だったが、残念ながらここでもまだ営業時間まで早すぎた。これも見るだけにしておいた。次回のお楽しみ。お腹も少し空いたので、外で販売していたアワビ入りのコロッケを挟んだハンバーガーを食べる事にした。ここなら何でも美味しく食べられた。暫くの間、海の風を感じながらのんびりと休憩し、リフレッシュした。

 ちょっと足を延ばしてしまったので、金谷までの距離や時間がとの程度なのか分からなくなってしまった。今日は天気も良く急ぐ事も無いので時間に追われる事はないが、フェリーにも乗るので、金谷までどれくらい掛かるのかが気になった。残りは金谷まで真っ直ぐ向かうだけだった。金谷では美味しいものを食べるつもりでいた。

 千倉の海の道からは、もう暫く海岸線の410号線を走り、野島崎灯台の前を通過して、その先から県道86号線に入り、国道をショートカットして館山に向かった。白浜中学校の横を通過する。海を目の前にする学校らしく、津波を警戒するかの様に校舎は高台に建てられていた。

 86号線は真っ直ぐ館山に向かっている道路で、他にこの様な道路も無いので、比較的通行量は多い。仕方ないと思いつつ、館山までの道のりを急ぐ。86号線は10キロほどで元の国道410号線に合流した。国道を回って来ると15キロ程でやや遠回りになるが、5キロ、10分程度ならば国道を走った方が快適だったかも知れない。ただこの時はなるべく早く金谷まで着きたかった。

 そのまま410号線を北上すると、国道128号線と交差した。その交差点は国道127号線の始点でもあった。金谷に向かうにはそのまま国道127号線を直進する方法もあるが、国道は走りたくなかった。右折して国道128号線に入り、県道88号線を目指して2キロほど走った。当初の計画では、千倉方面から来て国道128号線に入り、安房グリーンラインという農道の様な道路を北上する予定だったが、館山からは1本手前になる県道88号線に入った。この県道も良く整備されており、通行する車両も少なく気持ち良く走れた。88号線はほぼ真っ直ぐ北上しており、最短距離で金谷に向かっている。北上するにつれ、徐々に山間部に入って行き、初めは田園の風景だったものが、いつもの山あいの風景に変わっていた。

 時折分岐の県道がある。初めて走行するルートだけに確認しながらの走行となり、少々余計な時間が掛かる。県道258号線は、88号線から分かれて岩井方面に向かう道路。今年の春に南下して来た事があったが、はっきりとは憶えていなかった。交差点は憶えていたが、その時点では、また目的とは違う所に行ってしまうと思った。この258号線を行けば、海沿いの国道127号線を走行する距離はやや長くなるが、トータルの走行距離はやや短くなる様だった。

 そのままもう少し先の県道89号線との分岐まで走った。平久里中の交差点を左折し89号線に入る。この交差点は何度も通っているので間違う事は無い。ここは左折してすぐに上りが始まり、1キロほど急激な坂が続いている。しかしここは走り慣れたコース、良く知っているだけに、それほど辛くは無い。その坂を過ぎてしまえば、後は海岸まで下りのルート。気持ち良く走り抜ける。富津館山道路のガードをくぐると、左にパーキングエリアがあり、道の駅も併設されている。ここは美味しいものを食べさせてくれるのだが、今日の目的は金谷の食堂。後ろ髪を引かれながら金谷港を目指す。金谷までの距離も少ないので余裕を持って走れる。

 国道127号線に出て、5キロほど走ると保田の街に着く。例の保田のクランクの手前に保田漁港があり、漁港直営のレストランが営業している。そのレストランに初めて気が付いたので、美味しいものを食べさせて貰えるだろうとの思いで、ちょっと立ち寄ってみた。しかし、今日は3連休の中日だった。観光客がたくさん押し寄せていて、食堂は長い行列ができていた。運が悪かったと思い、残りの5キロほど、当初のお目当ての食堂に急いだ。しかしその食堂も事情は同じだった。金谷港のそばの他のレストランも全て同じだった。美味しいものを食べて帰るというあてが見事に外れてしまった。仕方なくフェリー乗り場のレストランに入り、何とか食事にあり付く事ができた。さっさと食事を済ませ、13時20分出港のかなや丸に乗船する事ができた。

 こんな事情があるならば、保田漁港に立ち寄らなければ、1時間早いフェリーに間に合ったかも知れなかった。食事は久里浜に着いてからでもどこでも良かった。ちょっと悔やまれる判断だった。

 久里浜着は14時ちょうど。いつもの様に下船してそのまますぐ戸塚を目指す。いつものルートを通って無事に戸塚まで帰って来ることができた。それほど混雑していた訳ではないが、何故かいつもより5分余計に掛かっていた。

 2日目の走行距離は165キロ、走行時間は6時間25分だった。今回の第5ステージ、合計の走行距離は283キロ、2日間とも気持ち良く走れた。そして無事に終了した。

【ルート図】

  
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