2017 IRONMAN CAIRNS | |
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2017年6月11日(日) 天候:曇り |
種目:Swim 3.9Km、Bike 180Km、Run 42.2Km |
記録:12時間41分19秒 総合632位/1032人 60-64男子18位/38人 |
| スイム | | 1:29:26 | (29) | | 1:29:26 |
T1 | 8:58 | | 1:38:24 |
バイク | 6:23:23 | (25) | 8:01:47 |
T2 | 6:31 | | 8:08:18 |
ラン | 4:33:01 | (12) | 12:41:19 |
| レースデイ | 出発~帰着 |
■6月11日(日)
・レースデイ
《スイム》
アイアンマンのスタートは7時半、最初は男子プロ。その数分後に女子プロがスタートする。みんな勢い良く飛び込み泳ぎ始める。エイジは45分から。最初に出て行く選手はかなり速く、プロの様である。
私のスタートグリッドは2番目。昨年はかなり後ろからスタートしてしまい、ゴールは更に後ろの方になってしまった。遅くなるほど海が荒れてくるので、今年はできる限り早くスタートする様にした。私の時計で7時55分、時計は5分ほど進んでいたので、実際の時刻は7時50分頃にスタートした。鉄人の他の男2人とほぼ一緒にスタートしていた様である。それなりに岸に押し寄せる波はあるが、ここ数年に比べればたいした事は無い。しばらく我慢すれば沖に出られる。
最初の目標は100mほど先の白いブイ、まずはそれを目指して泳ぎ始める。ウェーブスタートなのでバトルは無い。それでも用心してやや外側にコースを取る。今年は岸と平行にケアンズ方面に半分泳ぎ、コーナーを左に曲がって沖に向かい、それから再び岸と平行にポートダグラス方面に向かって、ゴールを目指す。風はケアンズ方向から吹いて来るので潮の流れは逆方向。金曜日にここで泳いだが、やはり同じ様にケアンズ方面に向かう時は辛く、ポートダグラス方面に向かう時は楽になる。
最初の白いブイを回ってから右側に川島と松岡の顔が見えた。3人がほぼ同じあたりを泳いでいた。折り返しまでいくつかのブイがあったのか分からないが、かなり遠く感じた。ブイをひとつやり過ごしても、次のブイが近づいてくるまでは長かった。更にライフガードの着るジャケットがブイと同じ色なので、何度もブイと見間違いライフガードを目指して行ってしまった。仕方のないことだが、ブイと色が違うと有難い。
まだかと思う頃にやっと他のブイとは違うコーナーのピンク色のブイが近づいてきた。これでやっと半分かと思うが、既に嫌気も差してきていた。コーナーはそれほど混む事もなく楽に曲がれる。再び沖に向かうので波が押し寄せて来て少々泳ぎにくい。
半分来たところで、一度タイムを確認してやろうと思うのだが、次々と後ろからスイマーが来るのでなかなか見る事ができない。もうひとつのコーナーのブイを回り、内側に入ったところで人もいなくなったので時計を確認、時刻は8時38分だった。そこまで43分という事になる。半分でこのタイムなのでまずまずいい出来だと思った。倍にして1時間26分、帰りはもっと速いだろうから1時間20分くらいで泳げるのではないかと思った。ここまで来れば周囲のスイマーも泳ぎに大した差はなく、同じスイマーらしき影がずっと近くにいた。あまり前方を確認しなくても、そのスイマーを目標にして泳いでいた。
帰りもライフガードが泳ぐ先にいて、何度かブイと見間違えてしまった。最後のコーナーのブイが近づくにつれて前方にジェッティーが見えてきて、その辺りからは目標が明確になった。最後のピンクのブイを回れば岸にゴールが見えるが、まだまだ遠かった。潮の流れがあるので先へ先へと流されて行ってしまう。なるべくゴールの左側を目指したのだが、それでも右方向に流されていた。ようやくゴールが見えてきても最後まで泳ぎ続けた。岸のすぐ近くまで深くなっている。
ようやく岸に上がる。連れをゴールゲートのすぐそばに見付けた。どうやら私は3人のうちで3番目。松岡はすぐ前だったらしい。トランジッションに向かうところですぐ前に松岡を見付けてひと声かける。着替えた後もすぐ前に見えていた。バイクの乗車もすぐ目の前、しばらくは松岡を追ってバイクを走らせた。
《バイク》
最初はパームコーブからポートダグラスに向かう44キロほど、風はポートダグラスに向かって吹いており追い風で気持ち良く走れる。ただ半分以上はアップダウンを繰り返すコースで、かなりタフなコースである。しかも路面の舗装は荒くバイクに乗るには向いていない。
昨年はバイクの練習をかなり積み、自信をもってバイクコースに臨んだが、結局はバイクで頑張りすぎて後のランが全く走れなかった。今年はその反省もあって、バイクで無理をする事は控えた。ただ積極的に行く様には心掛けた。コースの把握も重要で、3つある折り返し地点の距離は、44キロ、76キロ、108キロと憶えておいた。最初のポートダグラスの折り返しが44キロ。そしてパームコーブ方面に向かって32キロほど戻り、76キロ地点が2回目の折り返し。そしてもう一度ポートダグラスまで行って108キロという距離になる。最後はポートダグラスからケアンズまで、向かい風の中70キロほどを走る事になる。
テレビの天気予報で風向きを解説していたが、オーストラリアではこの時期、オーストラリアの周囲を時計とは反対回りに風が吹いている様である。従ってケアンズ方面からポートダグラスに向かって常に風が吹いている。しかも海沿いなのでかなりの風速である。こちらでは風速は時速で表し、およそ時速20キロという事、秒速で言えば5mほどの風になる。5mと言えばいい風だ。ちょっと厄介な風になる。
そんな風に乗ってポートダグラスには比較的楽に走って行ける。ただ路面とアップダウンの繰り返しには苦労させられる。前方に見えていた松岡は数キロ走るうちにとらえた。調子を聞くと『マイペースで行くよ』と返事が返ってきた。それを聞いて、やはりマイペースだと自分にも言い聞かせた。何しろ昨年は最後に頑張り過ぎてしまった。
ポートダグラスに近づくとコースは平らで路面も良くなり少しは気持ち良く走れる。数年前の雨の中のレース、ポートダグラスの折り返しで鉄人メンバーがスリップして落車し、リタイアした事は忘れない。ここは気を付けて折り返す。折り返して1.5キロくらい行ったところで松岡とすれ違った。5分くらいの差が付いている事になる。ちょっと油断すればすぐに追い付かれてしまう。そんな松岡である。松岡の後ろには川島、そしてだいぶ開いて女性2人を確認した。
ポートダグラスから次の折り返しは32キロ、1時間少々掛かってしまう。向かい風、悪路面、アップダウンと三重苦である。折り返しでタイムまで確認しなかったが、2時間40分くらいで走っていた様な気がする。確かではないがそれほどタイムも悪くなかった気がしていた。
折り返してもまだまだ半分は終わっていない。しばらく行ってエイドを過ぎて、すぐにその先にスペシャルのエイドがある。トイレに行きたかったけれど使用中だったので我慢、スペシャルエイドまで行って補給食などを積み込んでから用を済ませる。まだまだその先は長い。アップダウンを繰り返しながら2度目のポートダグラスを目指す。今回はあまりタイムを気にせず、気持ち良く走る事に気を配った。昨年より遅いだろうけど、たいして遅くもないだろうと思っていた。
気になるのは後ろから来る松岡だった。1回目の折り返しの時は5分くらい、今回はどんなものだろうかと思って、折り返しに向かう選手を気にしていた。1回目よりもかなり遅くなっていて、10分以上の差だった様な気がした。とりあえずはひと安心、普通に走っていれば追い付かれる事もないだろうと思ったが、油断すればいつ来るか分からないと思っていた。その後、川島、女性陣とすれ違ったのは覚えている。
ポートダグラスからしばらくは路面も良く平坦だが、住宅街を過ぎてサトウキビ畑を抜けると、いい条件は無くなり、路面が荒くなりアップダウンの繰り返しになる。そして更に周りが開けてくると向かい風が襲ってくる。海岸沿いではもろに風が吹いてきた。2回目の折り返し点は既に撤去され、係員が残っているだけだった。そこがポートダグラスから約32キロ、トータルでは140キロほどになる。そろそろスタート地点のパームコーブに着く。スイムの目印にしていた2つの山の島も左側の海に見えてきた。
パームコーブを過ぎて残りは30キロほど。今年はまだ脚も余裕が残っていた感じがした。無理をしてこなかったという事もあるだろう、まだまだ走れそうだった。向かい風なのでスピードはなかなか30キロを超えない。そんな感じなのでタイム的にはだいぶ遅いだろうと思っていた。残りの距離とスピードから、6時間30分くらい掛かってしまうのではないかと思った。
しかしここまでしっかり頑張って走って来た事、トータル的には仕方がないだろうと思った。バイクの後のランも考えなければならなかった。昨年はバイクのラスト30キロくらいから頑張ってしまい、結局はランで走れなかった。今年は4時間前半、できれば平均キロ6分ペースくらいで走りたかった。そんな事を思いつつ、バイクのラストも無理をしない程度のペースで走りきった。向かい風が強く、軽めのギアで回転数を上げてスピードを維持した。
空港が見えてくるとゴールも近い。時計を見るとそんなに遅いタイムでもなく、まずまずいい線を行っている様だった。バイクのゴールタイムは昨年より遅いものの6時間30分を切り、トータルタイムでも8時間少々だった。予想外のタイムだった。
エスプラネードに入ってゴール手前まで来ると応援の数もだいぶ増え、気持ち良くフィニッシュを迎えた。ゴールの手前に鉄人のファミリーの応援もあって、気を良くしてバイクを終えた。だいぶ速かった昨年よりも10分遅いだけのタイムだった。まだまだ明るい4時頃のゴールとなった。
《ラン》
バイクを預けランのトランジッションバッグをピックアップし、着替えに入った。トランジッションバッグにはレッドブルを1本、それを飲み干し、更にトイレに寄ってからスタートした。昨年の事もあるので、どの程度走れるかも分からなかった。とりあえずは様子を見ながら、しかしできるだけペースを上げて走るつもりでいた。
トランジッションエリアから周回コースに向けて走り出す。何となく走りは軽快な様に感じた。どこまで行けるのか分からなかったが、とりあえずそのままのペースを維持する様に務めた。フィニッシュラインの横を通過して、最初の周回チェック用のリストバンドを受け取る。そのフィニッシュラインでは既にフィニッシャーがいる様だった。しかし私とは無関係、気にはしない。
コースはいつもと同じ、じっと耐えながらのランになる。コースは平らなので走り自体は辛くはないが、単調なコースで精神的にはなかなか辛く感じる。しかし今年は昨年より走りはいい。明るいうちになるべく距離を稼いでおきたかった。目標は4時間、昔はそれくらいで走れていた。それくらいで走りたかった。まずはそれくらいのペースで走っていた。
桟橋の横を通り過ぎて港の先まで行って折り返し。エイドの場所も同じところにあって安心はできる。再びスタート地点に戻って来て4キロ、連れもいてまた元気が出る。この先は公園の中を走って、空港手前まで行って帰ってきて10キロ、結構長い。こちら側のコースも毎年同じ、単調で耐えながらのランになる。まだ明るくてランナーの数が多いだけいい。
1周走り終えて、手元の時計で1時間22分ほどだった。14キロなので、6分は切っている事になる。思ったとおりのペースで満足する。これで最後まで走り切りたかった。まだ周りは明るい。このまま行けば本当に明るいうちにゴールできるかもしれないと思った。2本目のバンドを貰って2周目に向かう。とりあえずはまだまだ走れていた。
結局2周目は1時間30分ほど。自分では辛さは感じず、同じペースで走っているつもりだったが、だいぶペースは落ちてしまっていた。しかしまだ許容範囲のタイムだった。この時点でそろそろ7時、日も落ちてだいぶ薄暗くなっていた。日が落ちて暗くなると足元も見えなくなり余計にペースは落ちる。そろそろ蛍光ペンを持って走っている人もいる。どこでくれるのか分からなかったが、ただ邪魔になるだけなので私はいらなかった。
公園内にあるエイドには1ヶ所だけレッドブルを置いてある場所がある。そこでは私の好物を飲んで元気を付ける。走っている時にレッドブルの缶を持って飲んでいるランナーを見た。要求すれば缶ごとくれる様だった。コップに入っているのは水で薄めた様なレッドブルだったが、濃いレッドブルが飲みたかった。その後私もそこへ行ったときに缶を要求して原液のレッドブルを飲んだ。それで一瞬だが元気が出た様な気がした。
公園内を走った最後は空港へ向かう道路へぶつかる。ここから最後のゴール地点までは4キロもある。エスプラネードも長い。最後にここを折り返すと残りは4キロ、38キロ走って来たことを考えれば残りはもう少しだ。周りは真っ暗、もっと明るいうちにここを走りたかったが仕方がない。これが実力だった。しかし今回のレースはほぼ納得のいくレースができた。どこかで不満の残る様なレースではなかったと自分では思った。タイム的にはたいした事はない結果だが、不満はなく満足のいくレースができた。ひとつだけ言えば、スイムが昨年よりもだいぶ遅かった。コースが違っているからかもしれないが、もう5分くらいは速く泳ぎたかった。
今年はゴール前のマクドナルドの看板に明かりが点いていなかった。毎年あれを目印にゴールを目指していたのだが、今年はそれが見えなかった。どこまで行けばゴールなのだろうかと少々不安に思った。しかしラグーンの前を左折してゴールの横を通過する時は嬉しかった。今年も何とかフィニッシュラインを迎える事ができた。
最後にフィニッシュラインに向かって走っている最中に、やはり年に1回はこれをやらなければならないだろうと思った。また来年もこの地に来ようと決めた。今年はいいレースができた。
(No.622)
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