2016 IRONMAN CAIRNS | |
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2016年6月12日(日) 天候:曇り時々晴れ一時雨 |
種目:Swim 3.8Km、Bike 180Km、Run 42.2Km |
記録:12時間45分55秒 総合774位/1434人 60-64男子15位/44人 |
| スイム | | 1:23:14 | (26) | | 1:23:14 |
T1 | 10:38 | | 1:33:52 |
バイク | 6:16:31 | (12) | 7:50:23 |
T2 | 6:49 | | 7:57:12 |
ラン | 4:48:43 | (16) | 12:45:55 |
| レースデイ | 出発~帰着 |
■6月12日(日)
・レースデイ
《準備・スタート前》
起床は予定どおり3時。雨も予想されていたが幸い降っていなかったのでひと安心する。バイク用のオイルなどは用意しておいたが、持って行くのはやめた。しかし、後で持って来れば良かったと後悔することになる。
3時半頃から餅4個の朝食をとり準備は完了。予定どおり4時15分にホテルを出てエスプラネードのバス乗り場に向かう。たまたま乗り場で松岡一家に運良く遭遇、共に行動する。パームコーブまではバスで40分ほどか、バスに乗って落ち着いたところでひと眠りしたが、目を覚ますと雨が降っている。やはり降って来たかと落胆する。しかしカッパを持って来ていたので雨に濡れずには済んだ。パームコーブに着いた頃がいちばん強く降っていたかもしれない。そのうちに雨はやんでくれた。バイクのオイルを持って来ればと悔やんだ。
雨の中でバイクのセッティングを進める。空気を入れて、食料を置いた。たまたま照明があり、さらに足元はアスファルトだったので楽にセッティングができた。30分も掛からずに終わる。足元のいいところでウェットを着込んで後の準備が楽になった。今日はトイレもホテルで済んでいた。
パームコーブのメインストリートがトランジッションエリアなので、そこにあるレストランでコーヒーやケーキを売っていた。コーヒーを買ってその席で時間をつぶす。ついでにトイレに行って用を済ませる。
明るくなり始めた6時半に70.3がスタート。7時にはトップがスイムから上がって来る。それに合わせてスイムスタート地点に移動する。トランジッションエリアが長いのでだいぶ歩かされてしまった。
海に目をやるとかなり荒れている。昨日と同じくらいの波が立っている。しかし泳げない事はなさそうだった。どんな様子だろうかと一度海に入ってみる。やはり沖に出るのにひと苦労する。
スイムの泳力に合わせたスタートのゾーンがある。鉄人のメンバー全員が3番目のゾーンに並ぶ。最終的にはだいぶ後ろの方になってしまった様だ。しかしウェーブスタートなのでロスタイムは無く問題は無い。だが今回に限っては早いスタートの方が海の状態が良かった様だった。全体の流れからも早めに出た方がいい様だ。
プロは7時35分にスタート、雨は既に上がっていた。20人くらいの男子選手がスタートして行った。沖まで出てから岸と平行に泳ぐ分には問題なさそうだった。その5分後には今度は女子プロが出て行った。その後順次一般選手が出て行った。7時45分頃だった。20分もしないうちにプロのトップが1周を終わって2周目に入った。一般選手がスタートして行くところに速いプロが混じっていた。さすがにプロは速い。
《スイム》
一般選手のスタートはゆっくり進み、私の番になったのは8時を過ぎ、8時8分になっていた。なるべく最短距離を行く様に右側を目指して出て行く。そこへいきなり前方から岸に向かってくる選手がひとりいた。どうしたことだろうか、早速のリタイアだったのだろうか。スイムが苦手ではちょっとひるんでしまう様な波だった。
4つあるピンクのブイの1個目を目指して泳ぎ始める。ときおり高い波がやって来てブイを見失う。ピンクとオレンジのブイの間を通ってから岸と平行に泳ぎ続ける。私は右オープンなのでブイの左側、ブイを右に見て泳ぐようにした。潮の流れなのか泳ぎのせいなのか、左の方に流されていた。
ケアンズ方面に向かうのは潮の流れとは逆方向か、2番目のブイまではだいぶ時間が掛かった様に感じた。2番目のブイを左に回り沖に向かう。波が押し寄せて来る感じでなかなか前に進まない。ここでもひと苦労。100mくらいで3番目のピンクブイ、ターンはそれほど混まずに曲がる事ができる。ポートダグラス方面に向かう時は速い感じがした。しかしまた左の方に寄ってしまった。それでもブイが右側に見えているので安心して泳いだ。ふらふら方向が良く分からなかったので、遠くに見える2つのこぶの島を目標にして泳いだ。4番目のブイまでは速かった様な気がした。4番目のブイを曲がって第1ブイを目指して岸の方へ向かう。ここは速い。
最初のピンクブイまで戻って来てとりあえず1周、半分終わった。どんなタイムかと知りたくて時計を見るとちょうど40分、まずまずのタイム、遅くもないので安心した。時計を見てゆっくりしたついでにトイレも済ます。すっきりした。再び2番目のブイを目指して泳ぎ出す。2周目はそれほど泳ぎにくいとは感じなかった。
2番目のブイが近付いて来たあたり、真横に何となく見慣れた泳ぎが見えた。袖が青い色のウェットだった。川島の様な気がした。それに付いて行こうかと思ってしばらく見ていたが、そのうちに見えなくなってしまった。3番目のブイを回り4番目のブイを目指す時には寄せて来る波もかなり高くなっていた。風が強くなり、強い雨も降り出した。大荒れの海だったが、泳げない事は無かった。4番目のブイが見えてきた時にはほっとした。ようやく終わりだった。この辺りで2回目のトイレを済ませる。お陰でスイムアップしてからもトイレに行く必要は無かった。
4番目のブイからゴール地点までも数100mはある。最後は波に乗りながら岸を目指す。岸までもうすぐという頃、大きな波にさらわれてゴーグルがはずれてしまい、少々焦った。しかしゴーグルは目の前にあり拾い上げる事ができた。岸までは50mくらいあった様だが、ゴーグルも外れてしまったので、仕方なく歩いて行くことにした。時々波に足をすくわれた。そんな中でも何とかスイムフィニッシュ。シャワーの下で少し水を浴びてからバイクラックへと向かった。
《バイク》
テントの中でバイクギアをピックアップ、隣の長島さんのバッグは既に無かった。ウェットを脱ぎバイクの準備を進める。最後にバイクシューズをはいてテントを出て行く。スタート前にレッドブルを1本補給した。偶然にもテントを出たところにちょうどなみさんが出て来た。なみさんはトイレへ、私はバイクに向かった。
スーパーの袋に入れておいたおにぎりをバイクのバッグに詰め込んで出て行く。バイクのゲートまでは少々遠い。バイクを持って少々走らされる。雨はもう降っていない。落ち着いて出て行く。ゲートの前では連れが声を掛けてくれた。私の前にはパナさんがいるらしい。そのうちに追い付けるだろうと思う。
バイクのスタート地点からハイウェイまでは少々上って行く。まずは焦らずにゆっくり上る。ハイウェイに出ると70.3の選手が既にケアンズに向かっている。注意しながらその列に加わる。その先、しばらくすると折り返しがあり、Uターンして今度はポートダグラスに向かう。なぜこんな所に折り返しを作るのだろうかと思ったが、良く考えると、パームコーブからポートダグラスに向かうには右折しなければならない。いきなり右折すると70.3の選手と交差することになる。合流してから折り返せば何の支障も無い。なるほど合理的な方法だと気が付いた。
ポートダグラスに向かう時は追い風になる。いい風が吹いている。帰って来る時は向かい風だとは思いながらも、その時には風が変わってくれと願う。ポートダグラスまでは45キロほど。スピードは35キロくらい出ているので、1時間半もあれば着くだろうと思う。最初は気持ち良く行きたい。ハイウェイも街中では比較的路面は良いが、それを過ぎると荒い舗装になる。アスファルトに砂利などを多く混ぜてあり、バイクで走るとデコボコに感じる。たぶん20キロくらいはそんな舗装が続いている。路面の荒いところはまたアップダウンの繰り返しでもある。上り下りを繰り返してスピードが上がったり落ちたり、目まぐるしく変わる。そのたびにギアチェンジが行われる。
路面は荒いけれども追い風でもあるし、バイクの練習は積んでいるのでまだまだ楽に乗れていた。ポートダグラスまではあっという間だった。前にいると言われたパナさんにもすぐに追い付いた。鉄人の水色のウェアにはすぐに気が付いた。
ポートダグラスの街中では相変わらず応援が多い。元気が出る。今年は楽に来てしまった。1時間半は切っていた。気を良くして折り返す。すぐに後ろには予想外の近さでパナさんがいた。こんなに近いとは思わなかった。他のメンバーには気が付かなかった。気にとめる事も無かった。
ポートダグラスを折り返し再びパームコーブへ向かう。まだまだ折り返しに向かうバイクもたくさんいる。街中は路面も良くあまり風も無いので気持ち良く走る。ハイウェイに出ると何となく風も感じる。しかしまだまだ気持ち良く走れる。
街を通り過ぎ、さとうきび畑が広がる辺りまで来ると向かい風になり路面も悪くなる。走りにくくスピードは30キロを切っている。我慢するしかない。再びアップダウンの繰り返しが続く。海に近いところでは強い向かい風が吹いてくる。すぐ山が迫っている様なところでは山からの強い風が吹き下ろしてきてその風にあおられる場面もあった。さすがに向かい風ではスピードは上がらず、30キロはなかなか超えなかった。
ポートダグラスから折り返してきて60キロ地点、2時間は切っていた。そして次の折り返し、80キロ過ぎはやや遠かった。折り返して再びポートダグラス方面、90キロの手前あたりにスペシャルニーズ。最初に用意したおにぎり、羊羹はほとんど食べきっていた。また同じ量の食料を用意したが、半分だけ持って行くことにした。折り返しで確認した時、パナさんとの差は4分くらいしか無かったので、焦りながら急いで食料をバックに詰め込み、ジャージのポケットに入れた。OS-1もボトルにしっかり入れた。レッドブルは一気に飲み干した。
再び走り出しポートダグラスに向かう。2回目のポートダグラスは108キロ地点、それを目指して走った。ポートダグラスに着いた時はお昼過ぎ、少々盛り上がりに欠けていた感じがした。残りは70キロほど、さすがに向かい風は辛い。ちょうどさとうきび畑の始まり辺り、ポートダグラスに向かう時のさとうきび畑の終わり辺りで落車があった。私が通った時はちょうど起こったばかりの様だった。3台くらいが巻き込まれていた。1人は起き上がれないほどだった。戻る時には救急車が来ていてちょうど車に乗せる時だった。かなりの重症に見えた。原因は何だったのだろうか、恐ろしい。
バイクコース上で言うと真ん中辺りになるのだろうか、海岸近く、このコースではいちばん高い地点と思われる峠にペナルティボックスがある。昨年はここで松岡が待ってくれていた。その前に抜かれていた。しかし今年は誰にも抜かれなかった。そして昨年まではこの峠もかなりきつい坂だと思っていたが、今年は昨年ほどには思わなかった。楽々とまではいかなかったが無難に上っていた。その先にはもうきつい坂も無い。あとはケアンズに向かうだけ。パームコーブまで行くと150キロ辺り、残りは30キロほど、あと1時間くらいである。さすがに30キロは出ていない。
パームコーブを過ぎたあたり、ひとりの女性が私を抜いて行った。いいペースで走っていた。いいペースメーカーと思いそれを追った。私はまだ走れそうだった。ドラフティングにならない程度に後ろに付き、ペースを合わせた。いい感じで走れる。最後まで行くつもりでいた。路面も良くなり30キロ程度で走っていたやはりバイク練習の効果は出ていた。いい練習ができていた。
以前のバイクゴール地点あたり、ハイウェイを外れ海側、ヨーキーズノブという街に入って行く。残りは20キロほど、まだまだペースは落ちないが、前を行く女性からは少し離されてしまった。かなりバイクの速い女性である。後ろから抜かれる事は一度も無かった。前を行くバイクもスピードの差があり、かなりの数を抜き去った。気持ち良く走れていた。
再びハイウェイに戻り、次に目指すは空港である。空港が見えてくれば残りは10キロも無い。そして空港へ向かう道路に入り、最後にエスプラネードに入る。もう残りは4キロほど、エスプラネードも長い。しかしバイクフィニッシュはもうすぐ。だれる事なく、眠くなる様な事も無く、最後までしっかりと走れた。やはり練習の成果はあった様だ。ただ女性に離されてしまったのが残念だった。
最後のエスプラネードも気持ち良く走り抜けた。エスプラネードには既にたくさんのランナーが走っていた。
《ラン》
バイクをボランティアに預け、ランのトランジッションに向かう。まだまだテントの中には人があふれていた。空いている席を探し座り込む。少々疲れていた。同じエイジの日本人も見えた。負けたくないと思ったが、結果はだいぶ離されてしまった。
着替えを済ませてランをスタートする。結局バイクでは一度もトイレに行かなかったので、ランのスタート前にトイレを済ませる。スタート前の補給はレッドブルひと缶、ここでも飲み干す。これが元気の元である。
スタートラインの先に連れが待っていた。日本人トップともそう離れていないらしい。そんな情報が日本から送られて来ていた。私の調子はと言えば、それほど快調という程ではなかった。
ランコースも昨年と何も変わっていない。いつもと同じ様に走り出す。思っていたほど悪くはないと思いつつピアの方へ向かう。フィニッシュラインの入口を通り過ぎて、周回チェック用の最初のリストバンドを貰う。勘違いして最初の赤のバンドを貰いそこねるところだった。ぎりぎりのところで1本目を貰う。
自分では普通どおり走れると思って走る。しかし実際のところいつもよりは走れていなかった。ふくらはぎは何となくつりそうな感じがしていた。最初のエイドは2キロ地点。まずはツムラのつり止めを飲むことにした。水を貰って飲み込む。これできっと走れるようになる。最初のエイドで食べたスイカがおいしかった。
折り返して来るランナーとすれ違う。いずれ追い付けると思って走り続ける。しかし1周目、バイクで頑張りすぎたからか、どうも眠くて仕方なかった。なかなかペースは上がらなかった。ランは3周、まずは1周ずつと思いながら走る。食料として取るのはもう水分だけで十分だった。暑く感じたら氷を貰い背中に入れた。時々食べるスイカがおいしかった。あとはコーラがあれば十分だった。ジェルは取らなかった。ジャージのポケットに入っていたMagONが2つ、パワージェルが1つ、それだけだった。
1周目は眠気を感じたが2周目になると調子は元に戻った。やはり追い風の時は風を感じずに暑かったが、向かい風の時は気持ちが良かった。それで調子が戻った様な気がした。しかし自分ではそれなりに走っているつもりだったが、結局たいしたペースでは走っていなかった。キロ6分を大きく超えていた様だ。何とか止まらずに走るだけだった。連れからは会うたびに応援を貰った。『止まらずに走れ』この言葉がいちばん心に響いた。ここは英語の国、KEEP Goingだ。
最後のバンドを貰って埠頭の方をぐるりと1周回ってきて再びゴール前を通過する。残りは1時間ほど、連れには1時間待っていてくれと言って空港の方へ向かった。いつもの練習のつもりで1時間だけ走って来るようなつもりだった。あと1時間でフィニッシュを迎えられる。そう思うと気も楽になり、最後のランを楽しんでくることにした。もう記録もハワイも無いので楽しむのがいちばんだと思った。
空港側の折り返しを回ればあと4キロ、エスプラネードも結構長い。エスプラネードはフィニッシュ地点に向かって徐々に人の数が増え賑やかになってくる。昨年泊まったホテルの前を過ぎればもうひと息、その先マックの看板が見えてくればあとはフィニッシュを迎えるだけだ。
暗がりを通って右に入ると花道が迎えてくれる。連れがそこにいた。立ち止まって礼を言いまた走り出す。やっとフィニッシュを迎えられた。目標からは1時間ほど遅かったが何とかゴールすることができた。今年はちょっと走りの時間が長かった。
(No.614)
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