2014 IRONMAN MALAYSIA Langkawi | |
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2014年9月27日(土) 天候:晴れ |
種目:Swim 3.8Km、Bike 180.2Km、Run 42.2Km |
記録:13時間20分48秒 総合337位/1094人、55-59男子12位/37人 |
| Swim | | 1:20:40 | | 1:20:40 | (378) |
T1 | 7:49 | 1:28:29 |
Bike | 6:51:02 | 8:19:31 | (479) |
T2 | 6:00 | 8:25:31 |
Run | 4:55:17 | 13:20:48 | (337) |
| レースデイ | 出発~帰着 |
■9月27日(土)
・レースデイ
起床は3時30分。夜中に何回か目が覚めたが、予定どおりの時間に気持ち良く起きた。ランカウィの夜明けは遅く、外はまだ暗い。朝食はツアー会社が用意してくれたアルファ米の五目ご飯を前日に作っておいて、それにふりかけを掛けて食べた。意外においしかった。その他にはバナナなど、十分に満足する。朝食はそれで十分だった。レストランの食事もあったが、面倒なので食べに行かなかった。
スイム会場まではおよそ2キロ、これもツアー会社がバスを用意してくれていた。5時45分に来る事になっていた。用事が済んでもまだ時間には余裕があったので、暫くベッドの上でストレッチなどをしながら時間になるのを待った。
暑い事は分かっているので、水分だけはたっぷりと用意した。大会側で用意してくれる水はなるべく飲まない様にする。そのためにバイクのボトルはOS-1を2本、90キロ地点のバイクスペシャルにはレッドブル1本、OS-1のボトルを3本。その他に補給食は羊かん、おにぎりなど、いつも食べているものを用意した。
会場に到着したのは6時頃だったか。既に大勢の選手がいる。タイヤに空気を入れ、食料をセットする。ウェアは既に着込んでいるので、ウェットの様に面倒な事も無い。暫くは近くにあったベンチに座っておにぎりなどを食べていた。そのうち6時半をまわり、トランジッションエリアから締め出されてしまった。
今回のアイアンマンの特徴は、自分の泳力に合わせてスタート時刻を選べるという事。スタートからばらけてしまうので、バトルも無く、バイクでのドラフティングも少なくなる。たぶん今後はこの様な大会が増えていくだろう。そのウェーブスタート順に合わせて、既に多くがスタート別のブロックに分かれていた。鉄人の遅い組はその第2ブロック、1時間15分から30分のエリアに固まっていた。私もそこに合流した。
スタート時刻は日が昇って明るくなってから。7時15分頃に男子プロから始まり、女子プロ、そしてエイジのウェーブスタートになる。私のスタート順がまわってきたのは7時30分過ぎ、少しずつスタート地点に向かい、私がスタートラインを越えたのは7時33分だった。
今回は一度も海で試泳はしなかった。スイム会場はきれいではないという事だったので、わざわざ泳ぐ事もないだろうと思っていた。しかも海は島に囲まれているので波は無く、プールの様に静かだった。
タイミングチップ用のマットを通過してタイムスタート。そしてポンツーンから海へ入って行く。海に入った途端、目の前は真っ暗だった。海の底の泥が舞い上がり視界はゼロだった。話に聞いていたので、予想していたとおりだった。暫くは前方は真っ暗の状態で泳いでいた。
水温は30℃近い。しかもスイムスーツを着ているので泳ぎやすい。水温は高く波は無い。まるでプールで泳いでいる様だった。ただし視界は良くない。自分の手の先がやっと見える程度で、すぐ前を泳いでいる人も見えなかった。横を泳いでいるのは、うっすらと影が見えている程度だった。
数人ずつ順次スタートして行くウェーブスタートなので、バトルなどは起きない。少しよける程度で、人との接触も起こらなかった。ただ、私の癖で、真っすぐには泳いでいなかった様だ。人をよけるために左側に避けると、そのままどんどん左の方に向かっていた。逆の事もあって、右側に入って行くとどんどん右側に進み、ひどい時はブイのかなり内側に入って行ってしまった事もあった。
逗子でオープンウォーターの大会があった時にワセリンを塗り忘れ、だいぶ擦れた事があったので、ワセリンは首回り、肩回りなどにたっぷりと塗った。お陰でウェアやスイムスーツで擦れる事はどこも無かった。
1500mくらい泳いだ辺りだったろうか、一時的にうねりがあった。その1回きりだったので、船が通った波かも知れない。最初に真っすぐ1875m、右に折れて50m、そして帰りも1875mの3800m。ハワイと同じコースである。バトルも無いのでマイペースで気持ち良く泳ぐ事ができる。
最初のコーナーを曲がって時計を見たら、確かではないが8時20分の様だった。47分も掛かっている事になる。それきり時計を見る事はなかったが、掛かり過ぎだろうと思っていた。しかしゴールした時、タイムは1時間20分だった。見間違えか、勘違いだったのかもしれない。1時間20分のタイムならば申し分なかった。
ポンツーンに上るときに、泥に足を取られない様にと最後まで泳いだのだが、一歩足りなかった。最初の一歩が泥にはまりなかなか上がれなかった。腕を引っ張って貰い、何とか上がる事ができた。
暫く桟橋を走り、クラブハウスの前でシャワーを浴びる。泥で汚れていると思ってうがいもした。トランジッションエリアは更にその先、バイクラックの横を走ってバイク用のバッグを手渡しして貰う。
着替えテントはそれほど混雑していない。広々としているところに座る。今回はウェットスーツは着ていないので楽である。スイムスーツを脱いでおしまい。スイムのルール上、ゲイターは着用できなかったので、バイクのスタート前に履く。それからアームカバー、日焼け対策は必用である。あとはバイクシューズを履いて、ヘルメットをかぶって出て行く。出て行く時に振り返ると、ノジカンが居た。7月の逗子のラフウォーターの時もタイムは変わらなかった。同じくらいの実力である。
バイクラックでは補給食をウェアに詰め、パワージェル、レッドブルを補給する。まずはスイムで使ったエネルギーを補給しなければならない。バイクを取り出し、スタート地点へ向かう。
バイクコースは木曜日にグッドウィルツアーの案内で下見していた。そして坂がきついのは分かっていた。同じところを2周するわけで、1周だけ頑張っても仕方がない。1周目は様子見のつもりで、いつもの練習の様に走る事にした。
時刻は9時頃、もう既に暑くなっているはずである。しかしそれほど暑さは感じない。少しだけ海沿いを走って、右折して内陸に向かって行く。比較的良く整備された道路を走ってから、今度は左折。ここからいきなり急な坂が始まる。無理をしても仕方ないのでギアを落としてゆっくり上る。脚に負担は掛けない。
急なところは15%は超えている様な感じ、10%を超える様な坂もいくつかあった。ひとつ大きな峠を越したところで15キロくらいは走っただろうか。島の中心部辺りまで来たところでやっと平坦な道路に出た。そこから先は気持ちよく走れる。
バイクコース上は森の中を走っているので比較的涼しく感じる。しかし暑い事に変わりはないので、エイドでは冷たい水を貰って頭から水を掛けて、体を冷やす様にした。島を横断し、対岸に出てからは見た目上はフラットで、気持ち良く走れる。
最初の折り返しは、およそ35キロ地点。その手前で、第2の折り返しに向かう入口が見える。そこまではおよそ5キロ。最初の折り返しはあっという間に来てしまった様に思えた。下見の時に教えて貰った折り返し地点とは違っていた。
そして5キロ戻ると、モンキーエリアへの入口まで来る。ここで40キロになる。入口にはレッドブルのゲートが置かれており、ここから第2の折り返しまでのタイムトライアル区間になっていた。私には用の無い事だった。バスによる下見では、延々と上って行くイメージだったが、比較的長いアップダウンの繰り返しだった。しかしきつい事には変わりがなかった。ここは森林というよりも低山というイメージで、落葉樹の様な樹木が生えている様に思えた。高さもあまりなく、日が差して暑く感じられた。
この折返しもあっけなく終わり、また下って行く。下りといっても、戻りの方が上りが多かった様な気がした。最初の折り返しではチームメイトに誰も気が付かなかったが、私が折り返して半分ほど来たところで松岡とすれ違った。そしてそのすぐ後ろにはボンクレがいた。ふたりの間に大した差は無かった。私との差はおよそ20分と踏んだ。
再びレッドブルのゲートまで戻って来て60キロ。残りは30キロということ。また暫くは平坦路を行く。次のランドマークは、海岸側にある大きなセメント工場である。そこを過ぎれば次の目標はロータリー。残りは20キロほど、暫くは平坦な走りやすいコースが続く。ここも森に囲まれて日差しは弱く、走りやすかった。
再び街に戻って来て、市内のメインストリートという様な道路に出る。ちょうど昼どき、車は渋滞にはまっていた。その横をバイクが通り過ぎて行く。感謝しつつも、こちらは疲れていて、そんな事も思っていられない。
メインストリートから左に折れて、再びスタート地点に向かう。ここはあまり路面状態は良くない。スタートしたところまで戻って周回し、再びコースに向かう。街の中は日を遮るものも無く暑い。戻ってすぐの広場にスペシャルニーズ。3本入れたOS-1はぬるくなっていた。OS-1は3本ともボトルに詰め、更にレッドブルをひと缶飲み干す。元気のもとになっただろうか。食料もスタート時と同じ様に、おにぎり、羊かんを補充する。
また坂を上り始めるが、路面が濡れていた。スコールがあった様な感じだった。坂の部分は渋滞し、多くの車が止められていた。排気ガスが邪魔だった。きつい坂をゆっくり上り、その先の平坦路を目指す。上り切れずに降りて押して歩く選手も見掛けた。上った分は気持ち良く下った。
2周目、平坦な部分に出てきた辺りで見慣れた赤い鉄人のバイクジャージが見えてきた。5番だった。スイムが速かった様で、バイクも調子よく飛ばして来たのだろう。しかし100キロを過ぎて、そのツケが回って来たか、ペースはガックリと落ちていた。声を掛けてあっさりと抜き去る。
2周目もコースは全く同じ。たぶんペースもあまり変わっていないはずである。落ち込んだような思いは無かった。辛いと感じる様なところも無かった。2回目のレッドブルゲートを通過して、暫くして前方から鉄人の青いレースウェア、塚越だった。私との差は20キロ、ここでのタイム差は約1時間である。この同じところで私が下りてきた時、川島が上って行った。私と川島との差も1時間に開いていた。
この区間では多くの鉄人メンバーとすれ違った。松岡との差は殆ど変わっていなかった。どうした事かと思ったら、バイクのメカトラブルとの事だった。1周目で松岡のすぐ後ろにいたボンクレは2周目でも同じくらいの位置だった。そしてその後ろにはキャンベルも来ていた。
レッドブルゾーンを下って来てからは追い風が吹いていた。やや横からの風だったが、ロータリーを過ぎてからは、完全に後ろから追ってきていた。この風にはずいぶん助けられた。スピードもずいぶん出ていた。バイクコースの最後はだれることなく気持ち良く走れた。
2周目も何とか終わりバイクは終了。スイムからのトランジッションを含めておよそ7時間、かなり長いバイクになってしまった。バイクを預けてランのトランジッションへ向かう。バイクシューズを履いたままだったので走りにくく、途中から裸足になって走った。ランも割り合いに走れそうだった。バイクパンツを脱ぎ、アームカバーも要らなかった。これから夕方になるのでサングラスもキャップも邪魔だった。ソックスを履いて走り出す。
どれくらいのペースで走れるのかと調子を見ながら走り出したが、あまり上がらなそうだった。せいぜい6分台の感じだった。
トランジッションエリアを出てまずフィニッシュ地点の方へ向かう。ここから2キロ行くとフィニッシュラインがある。1周が10キロの4周回なので、ちょうど42キロになる。まずは比較的走りやすい公園の中。日は出ているが木陰があって、あまり日差しの暑さは感じないが、温度が高いのは避けようがない。
最初のエイドにレッドブルがあった。全てのエイドに私の好きなレッドブルがあるのかと思っていたら、レッドブルは1ヶ所だけの特別スポンサーらしい。そう言えばケアンズでもレッドブルがあった様な気がしたが、1ヶ所だけだったかもしれない。
最初はまずまずのペースで走れている。とりあえずは6分くらいのペースのつもりでいた。それ以上で走れるかもしれないが、最後まではもたなそうである。公園内を走ると2つ目のエイド、その先にはワシの像がある。その後ろを回るとフィニッシュ地点がある。私のゴールはまだまだ先、走り出したばかりで1本もゴム輪を貰っていない。
ゴール前を左に折れて周回に入る。フィニッシュ地点は見ない。最後の時までとっておくことにする。
先ほどのエイドを過ぎて初めてゴム輪を貰う事ができる。分かりやすい様にゲートが1周目から4周目まで4つできている。これなら迷う事も無い。渡す方もランナーの腕を見て何本目かを確認することができる。
この先は公園の前の道路を通ってスタート地点まで戻る。更にその先が右に折れて川沿いのコースになる。川に沿って競技場の方へ向かう。こちらは木陰も無く暑い。日に照らされる事になる。エイドの手前に置かれた大きな水桶から水をかぶって何とか暑さをしのぐ。しかしそれもその時だけである。すぐに暑くなる。
川沿いを2キロ程行くと競技場がある。陸上競技場かサッカー場か良く分からない。それほど整備されているわけではない。そしてこの敷地内でぐるぐるとまわされる。市中引き回しの刑の様なものである。もう少し何とかならなかったものか。エイドの周りは水があふれて水たまりができている。濡れたくないので水は避けるようにして走る。
ここですぐ前に塚越がいた。彼とは1周違いである。1時間以上先を走っていることになる。暫く前後して走っていたが、そのうちに先に行ってしまった。
私は変わらないペースで走っているつもりでいた。こういう状態では速くなくていい。着実に前に進む事が大切である。6分ペースでなくていいと思っていた。6.5分で走れれば十分である。4時間半で走れれば上位の方だろうと思っていた。
私の後ろを走っていたのはボンクレだった。松岡ではなかった。松岡はランで脚が鈍ったかと思っていた。ボンクレはいい調子に見えた。そのまま走られると2周目辺りで追い抜かれるのではないかと思っていた。この状態なら負けても仕方がないと思った。
1周目は60分程で走っていた。まずまず走れていた。2周目に入ってもまだ日は出ていたが、もうそれ程の暑さは感じなくなっていた。雲も多く、時折りは日が雲に隠れて暑さもしのげた。2周目に入ってもレッドブルの給水は冷えていて元気が出た。ここは楽しみなエイドだった。その先にスペシャルニーズのエイドがあったが、欲しくはなかった。入っているものは缶入りレッドブル、OS-1、そしてジェルだった。暖かくなってしまったレッドブルもOS-1もいらなかった。
2周目に入っても何も変わらない。しかし同じペースで走っているつもりだったが、2周目は70分掛かっていた。そんなに遅いつもりはないのだが、やはりスピードは落ちていた。更にエイドでのロスも多くなっていたのだろう。
3周目まではまだ明るい中を走る事ができた。周りが暗くなってしまうと、気分も暗い気持ちになってしまい、元気は出なくなる。できれば明るいうちにフィニッシュしたい。4本目のゴム輪を貰う頃になって急に暗くなってきた。既にその前から対向するランナーは蛍光のリングを持って走っていた。明りの無いところでは、それがランナーの目印になる。人の見分けは付かない
4周目、競技場の周りで後ろから来ていた川島に追い付かれた。まずまずいい走りをしていた。しかし私は残り5キロ程、もう30分程でフィニッシュだった。あとはもう残りの距離を数えながら走っていた。競技場のすれ違いでミツさんの姿を見ていた。追い付けそうな差だった。彼は私より先のブロックでスイムをスタートしていた。5分以上は先にスタートしているだろうと思っていた。5歳以上の差があるので、彼には負けるわけにはいかなかった。
競技場から最後にフィニッシュ地点に向かう時には、既に人の顔も判別がつかなくなっていた。ペースはかなり遅く、着実に進むしかなかった。公園内の最後のエイドを過ぎたところでやっとミツさんをとらえた。フィニッシュまでもう500mも無かった。先に行く事は可能だったが、私はそれよりも一緒にゴールしたかった。
わしの像の後ろからフィニッシュ地点が見えてきた。フィニッシュラインは明るく輝いていて、花道は気持ちが良かった。たくさんの人が迎えてくれた。いいフィニッシュをする事ができた。
…
ゴール時刻はおよそ午後9時頃、スタートは午前7時33分。
トータルタイム13時間20分
スイム1時間20分、T1+バイク7時間、T2+ラン5時間
(No.591)
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