第43回市原高滝湖マラソン

2017年1月14日(土) 天候:晴れ時々くもり
種目:ハーフマラソン 男子60歳以上
記録:1時間33分13秒
順位:男子60歳以上5位/96人 総合97位/677人

     
1周30:5930:59
2周31:061:02:05
ゴール31:061:33:12

 ゴール手前200mほど、高滝湖に掛かる最後の橋を渡り終え、右に折れてゴールへ向かう。昨年ここを情けない思いをしながら走っていた事を思い出した。そしてラスト、昨年の様にならない事を祈りながら前のランナーを追った。もうゴールは間近だったが、ここまでは長かった。

 10時30分、今年も昨年と同じ様にスタートを切った。今年も脚の状態は、正直なところ分からなかった。ただ今年は思い切って走ろうと思っていた。昨年の様な思いをするのは嫌だった。

 今年はエントリー時に駐車場の予約をしていなかったので、昨年より30分ほど早く8時前には家を出た。お陰で会場には8時半頃に着き、暖かい体育館内に居場所を確保する事ができた。寒い思いをせずに済んだ。

 今年は連れ合いも10キロを走る事になった。10キロのスタートは10時、ハーフの私は10時半、連れが先に出て行く。私は9時半頃から軽くアップに出掛けた。1キロほど先まで走って戻って来た。朝のうちは日も差して暖かくいいレースになりそうだった。しかし予報では風も強くなり、寒いと言っていた。多少暑くても問題は無いので、上は半袖、ランシャツ、アームカバー、下はランパンひとつにした。今年はゲイターは要らなかった。結果的にはこれが良かった。

 スタートから周りに合わせて勢い良く出て行く。今年もいつの間にか先頭に並んでいた。もう少し後ろでもいいと思っていたが、結局先頭から出てしまった。しばらくの間は後ろからだいぶ抜かれ続けた。その間は抜かれるのをじっと我慢しながら、徐々にペースがつかめてくる。

 1キロ地点は4分09秒、こんなに速いつもりではなかったが、辛くもなかった。いいペースだった。コースは知り尽くしているので心配は無い。コース取りも先のコースを考えながら走る。少し視界が開けてきて野球場が見えてくるとそろそろ2キロ地点。スタートが早過ぎたからからか、だいぶペースダウンして8分40秒ほどで通過した。この1キロは4分30秒ほど、これが本来のペースだろうと思う。このまま行ければ十分だろうと思って走った。

 この先はこのコースいちばんの上り坂、100m弱で10mくらい上る。まだまだ周りも元気に上っている。この先3キロ地点の加茂支所までアップダウンが続く。ペースを崩さない様に気を付ける。3キロは13分と少し、ペースも落ち着いてきた様だった。

 10キロのランナーはハーフより30分早い10時にスタートした。まず4.5キロより少し先、交差点を左折して湖に掛かる橋を渡って2キロ地点の野球場まで戻って来る。すると残りは5キロとなって、10キロの遅いランナーは後から出て来たハーフのランナーに抜かれることになる。

 スタート前、私は連れ合いにゴールまで残り1.5キロ地点あたりで追い付くだろうと予想した。加茂支所を過ぎて、前方の上り坂にピンクのウェアのランナーが見えた。ゴールまではまだ3.5キロほど残っている。追い付くにはちょっと早過ぎるだろうと思った。しかしそのピンクのウェアは連れ合いに間違いなかった。昨年私が肉離れを起こした坂のてっぺん辺りでちょうど追い付き、追い越した。予定よりだいぶ早かったのでよほど悔しかったのだろうか、声を掛けても返事は帰ってこなかった。

 私は4分25秒くらいのペースで走っていた。ほぼそれで落ち着いていた様だった。予定どおりのタイムだったのでそのペースを維持する様に頑張った。コースは分かりきっているので安心して走れた。先週ここにきて走った時よりも確実に速いペースで走れていた。気持ち良く走っていた。

 残り2キロを過ぎてT字路を左折、美術館の前を通過し橋を渡り信号を通過、この辺りで6キロ地点、残りは1キロほどになる。あっという間に1周が終わる。あと2周、問題なく走れそうだった。最後の橋を渡って左折する。再び周回コースへと向かう。練習の時にいつも車を停める駐車場前で1周、タイムはまだ30分台だった。31分台が出れば十分だろうと思っていたが、予想よりだいぶ速かった。気を良くして2周目に向かう。

 給水所は3キロ地点の加茂支所、スタート地点手前の2ヶ所。ポカリと水が用意されていた。全ての給水所でポカリを取った。のどが渇いているという事はなかったが、ほどよい給水だった。

 8キロ地点、2周目の1キロ地点では4分25秒ほど、それまでとほとんど変わらないペースで走っていた。その先で後ろからふたりのランナーが並んで走り、私を抜いて行った。何やら話をしながら走っている。見た目は60歳を過ぎている感じ、私のライバルの様である。

 ここでふたりに抜かれてしまっては順位が2つ下がる事になる。それでは困るので、ここはペースを上げてふたりに付いて行く。もうひとり若いランナーも一緒に走っていたので、4人のグループができた。話の内容を聞いていると、実力も私と大差無い様である。この先どこまで行けるのか分からなかったが、このふたりには負けない様にしなければならない。離されない様に後ろに付いてしっかりと走る。上り坂で私がペースを上げて先行しても、多少は遅れながらも、その後はまた追い付いて来る。相手もしっかりと走っている。なかなか手ごわい、簡単には勝たせてくれなさそうな相手だった。

 年代別の順位がどれくらいなのかは分からなかった。昨年もトップは1時間30分を切って走っている。今の私ではトップという事はない。しかし周りのランナーに負けるわけにはいかない。並走して3~4キロ過ぎてもふたりは変わらなかった。私が前に出てもしっかりと後ろを走っている。ペースは変わらないものの、位置関係は時折前後する。それに合わせて、前に付けているゼッケンをちらりちらりと見る。やはりふたりとも60歳代のランナーだった。もう絶対に負けるわけにはいかなくなった。

 私の調子は変わらなかった。時折ペースを上げてみて揺さぶるが後ろから聞こえる足音は付いて来ていた。なかなかしぶとい相手だ。私の脚も心配なので、このまま最後までは行きたくなかった。早いところで決着を付けておきたかった。

 2周目を回って来たところで再びタイムチェック。31分を少し超えていた。しかし極端にタイムは落ちていない。ほぼ同じペースで走っていた。いい感じだった。やはり練習の成果が出ているのだろう。あと残りは7キロ、どの辺りでスパートを仕掛けようかと考え始める。

 昔、横浜マラソンを走っていた頃、あの頃はまだまだ速かった。ラスト5キロくらいから更にペースが上がっていた。しかし今、そういうわけには行かない。後ろを離すにはじわりじわりとやるしかない。上り坂や下りで何度か少しペースを上げて様子を見てみる。そのうちに3人の体制は少しずつ変わっていた。別のランナーが追い付いて来たりして、私もそれに合わせてペースを上げる。次第に後ろを走るランナーの足音が変わっていた様だった。

 3回目の加茂支所、昨年はその先の上り坂でペースを上げて肉離れが起こった。今年はそうならない様に少しだけペースを落とした。しかしその先の下りでペースを上げて後ろを引き離す。残りは3.5キロほどになる。横浜マラソンのコースにイメージを重ねる。産業道路に出て、後はラストスパートである。残りも3キロになれば先も見えてくる。横のランナーを見ると、いつの間にかライバルは消えていた。足音も変わっていた。しかしペースは落とさない。後ろから来たランナーを追い掛け、勝ちを確実にする。

 T字路を左に折れて美術館前に出て、更に橋を渡る。そば屋の前の信号を通過すれば残りはもう1キロほど。最後のゆるい坂を上ると、後はほとんど平らになる。しかし向かい風が強くなってきた。吹きさらしの中の1本道は辛い。しかしペースは崩さない。前のランナーを追うだけである。抜き去れば負ける事は無い。

 向かい風は辛いが、田んぼの中の道を走り切り最後の橋を渡る。体が冷え切って辛いところだが最後の橋を走り切ってゴールへ向かう。ゴール直前のゆるい上り坂が辛かった。これ以上もうスピードは出なかった。ゴールのタイム計測マットを踏んでひと安心、無事にゴールする事ができた。

 ゴールをするとすぐに記録証が発行された。種目別順位は5位、何とか念願の入賞を果たすことができた。結局、競り合ったふたりのうち、ひとりが40秒差、もうひとりとは2分差が付いていた。そして順位はそれぞれ6位、7位、私の圧勝だった。ふたりのお陰で、久々にいいレースができた。

(No.617)


  
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