第8回湘南国際マラソン

2013年11月3日(日) 天候:曇り
種目:フルマラソン
記録:3時間26分06秒
順位:男子895位/12,873人、総合910位/15,526人

                    
0Km0:350:35
1Km5:104:3522Km1:44:335:00
2Km(トイレ40秒)23Km1:49:385:05
3Km15:009:5024Km1:54:324:53
4Km19:444:4325Km1:58:183:4623:29
5Km24:344:5023:5926Km2:03:084:50
6Km29:044:2927Km2:07:534:44
7Km33:434:3828Km2:12:424:48
8Km39:045:2129Km
9Km43:544:4930Km2:21:599:1723:4147:10
10Km48:014:0723:2747:2631Km2:26:344:35
11Km52:504:4832Km2:31:274:53
12Km57:364:4633Km
13Km1:02:254:4934Km
14Km1:07:164:5035Km2:46:4115:1424:42
15Km(23:39)36Km2:51:374:55
16Km1:16:048:4737Km2:57:345:56
17Km1:20:464:4238Km3:03:175:42
18Km1:25:394:5239Km3:08:575:40
19Km1:30:124:3240Km3:14:215:2327:4052:22
20Km1:34:494:3723:0946:4841Km3:19:515:30
21Km1:39:32 4:4342.2Km3:26:056:1311:44


 出だしからややペースは遅かったものの、36キロまでは順調に走れていた。時折あちこちに痛みは出たが、何とかかわして来ていた。復路も大磯から西湘バイパスに乗り、ゴールももうすぐ、残りはあと7キロ程になっていた。いつもの柏尾川コースの1周分を走ればゴールだった。うまくすれば20分は切れそうだった。

 突然に左脚ハムストリングスがぴくりと来た。8月末に痛みの出た箇所で、無理はできないところだった。無理をして走れば肉離れが起きそうな痛みだった。無念だったがペースを落とすしかなかった。自分では止まってしまいそうなペースに感じたが、時計を見るとまだ6分を切って走っていた。それがせめてもの救いだった。

■エントリー
 6月1日土曜日の夜から一般申し込みの受付が始まった。いつもの様にランナーズのサイトは大混雑、いつエントリーを受け付けてくれるか不明だった。しかし幸いな事に、30分ほど待ったところで申し込みは完了した。2009年の大田原マラソンを走って以来、4年ぶりのマラソン出場が決まった。

 当日早朝からのJR大磯駅の混雑は話に聞いていた。朝はかなり早くから出掛けなければならないが、会場の大磯プリンスホテルに宿泊すれば移動時間はいらない。早速インターネットで調べたが、予想していたとおり満室。直接電話を掛けてみたがやはり駄目だった。仕方なく大磯の街中の旅館を取る事にした。こちらは簡単に予約を取ることができた。大磯から出掛けるだけでも、戸塚から電車に乗って行く事を考えればだいぶ楽ができる。

 久しぶりのマラソン、以前のとおり、まずは走り込みの準備が必要である。6月上旬にケアンズのアイアンマンが終わってからは、次の目標を湘南国際マラソンに定めて準備を始めた。しかし今年の夏は異常な暑さで、8月は走り込みの時期ではなかった。今までならば2ヶ月以上の走り込みと3週間程度の調整期間を取っていたが、レースが11月初めという事もあって、十分な走り込み期間は取れなかった。しかしその限られた期間でできる事はすべてやった。

 8月に大腸ポリープの手術があり、その後ゆっくりと走り始めたところで左脚ハムストリングスに違和感をおぼえ、結局9月の月例まではまともに走ることはできなかった。その週明けからゆっくり、少しずつ走り始め、9月はなんとか300キロ、10月は400キロの走り込みができた。自分でできる事はすべてをやり、あとはレース当日を迎えるだけになった。

■11月3日
 あいにく旅館では、レースに合わせた当日の朝食の用意はしてくれなかった。5時に起床、部屋の中で前日にコンビニで買ってきておいたおにぎりで朝食を済ませる。ゆっくりと準備を進め、6時過ぎには駅に向かった。駅から出発するシャトルバスに乗る為だった。この時間ならまだ空いているだろうと思ったが、みんな出足は早くかなりの行列ができていた。しかし会場行きのバスは次々に出発していたので、10分程でバスに乗車することができた。バスの乗車時間も同じくらい、あっという間に大磯プリンスホテルの正面玄関に到着した。

 人はだいぶ来ているものの、会場は広くまだまだ余裕があった。ステージ裏の芝生エリアに場所を確保し、ひと休みする。まだ7時前、暫くウェアの用意やトイレなどに行ってレースの準備を進める。スタートの整列は8時から。私はBブロック、申告タイムはたしか3時間の前半にした筈だ。たぶんAブロックは3時間以内の申告だろう。Aブロックは1000人程、Bブロックはゼッケン番号から言って、3000人くらいだろうか。

 集合場所はコースから少し外れたホテルの駐車場。かなり広いのでそれだけの人数が集まるにも余裕がある。8時15分頃には集合場所に向かう。およそ30分程ここで待たされてしまった。それ程寒い訳ではなく、上にはTシャツを着て、足にはゲイターを履いていたので、何の問題も無かった。ウェアは湘南海岸を走るという事で、月例マラソンの番号入りのシャツ・パンツにした。

■スタート
 8時45分頃から車椅子、50分にはハーフのレースがスタートする。それに合わせて全員がスタート地点に移動した。数100mはあっただろうか、だいぶ歩かされてしまった。ハーフのスタート後にフルマラソンの簡単なセレモニーが行われ、予定どおり9時にスタートが切られた。私がスタートラインを超えたのはそれから35秒後だった。天候は曇り、日差しは無くそれ程暑くはない。風も無く、絶好のマラソン日和だった。気持ちよくスタートして行った。

 周りのペースに合わせて走り出す。今までのマラソンならば、キロ4分で走るのが目標で、できるだけ早くそのペースに上げる事に気をつかっていた。5キロを20分で走る事が目標だった。しかし今回はそんなこだわりは必要なかった。最初の5キロは混雑もあるだろうから、25分を切って走れればいいくらいの気持ちだった。しかしそれなりに走れるだろうという期待感もあった。10キロなら45分、5キロは22分台で走れるつもりでいた。たぶん設定した目標よりも速く走ってしまうのではないかと、逆に心配していた。

 最初の1キロは4分35秒、スタート時のスローペースもあるので、まずまず予定どおりのタイムだった。この時点で今日のレースはうまく走れそうな気がした。このままのペースで走れば良かった。気持ちとしては、前半は抑え気味、後半にかけてペースが上がり、そのまま最後まで行けるくらいのペースで走りたかった。速ければ5キロは22分くらい、遅くとも23分は切るくらいのペースがいいと思っていた。22分半くらいがベストだった。トータルは3時間15分くらいが出ればベスト、20分までならば納得できるタイムだと思っていた。それくらいは出したかった。

 エイドは全部で12ヶ所、トイレはそれ以上に設置されていた。スタート前の整列で30分以上待たされていたので、既にスタートした時には尿意を催していた。たぶんかなりの人が同じように考えていたのだろう。1キロ程行ったところに最初のトイレが設置されていた。そしてそこには既に行列ができていた。私も早く行きたいところだったがそこはパスした。そのうちに人目の付かないところがあったら済ませようと思いながら走っていた。

 走りながら、他の大会に比べてみんな行儀がいいなあと思っていたが、大会案内にその旨が記載されていた。トイレ以外では済ませない様に、そして違反した場合には失格の扱いもあるとの事だった。みんな行儀よくトイレを使っていた。そんな事を知らない私は、ちょうどインターの降り口に人目が避けられるところがあったので、済ませてしまった。およそ40秒ほどのロスだった。待たされた時間が長かったので、用足しの時間もちょっと長かった。その後はすっきりして快調に走ることができた。

 最初のエイドは西湘バイパスを降りたところ。以前に応援に行ったところだった。およそ3キロ地点、まだ走り始めたばかりなのでここはパスした。距離表示は1キロ毎に設置されていた。更にその表示板には次のトイレまでの距離も掲載されていた。ランナーに優しい心遣いだった。さすがにランナーズ・ウェルネスが毎年開催運営に携わっているだけの事はある。人の話では、年々対応が良くなっている様である。私も参加してみて、スタート時のトイレ以外のストレスは殆ど無かった。

 体も軽くなり気持ち良く走り始め、だんだんスピードが上がっていた様だった。速くても4分半くらいのペースのつもりでいたので、それ以上のスピードは出したくなかった。ふと我に返り、上がり過ぎたペースを少し落とした。5キロのラップは24分34秒。スタート時に35秒、トイレで40秒のロスタイムを引くと、23分半くらい。やや遅いかなという気もしたが、これから上げて行けば良かった。ペースを落とさず、そのまま行っていたら、22分台まで上がっていたかもしれない。今考えれば、ちょうど良い判断だっただろう。もっと早くから脚がつっていたかもしれない。

 このコースは全て良く知っている。自分の脚では走っていないが、バイクではホームコースの様なものである。常にコースの先を考えて走っていたので、場所ごとの細かい事は気にしていなかった。気にする事と言えば、補給だけだった。今回は中村さん、小林さんが応援に来てくれる事になっていた。それならばと、スペシャルの補給をお願いしていた。

 事前の相談で、場所は15キロ、22キロ地点辺り。ジェルを補給するのにちょうど良い場所だった。ジェルだけではなく、ついでに私の好きなレッドブルもお願いした。補給はそれだけあれば十分だった。15キロ地点は、茅ヶ崎から辻堂に入った辺り。唯一のトンネルの近辺である。そろそろ疲れも出てくるあたりで、レッドブルで元気を付けてジェルでエネルギー補給である。この2ヶ所での補給は大いに助かった。エネルギー切れは全く起こらなかった。

 他にスペシャルの補給場所は、復路のスタート地点辺り。およそ37キロくらいになるだろうか。私の連れに同じものをお願いしていた。最後の補給地点である。やはりここで元気を付けて最後まで走り切るつもりでいた。

 この他の補給としては、自分でウェストバッグにジェルを持っていた。練習では常にこのウェストバッグに補給食を入れて走っていた。ウェストバッグの擦れ防止にはワセリンをたっぷりと塗っていた。以前はワセリンを塗らなかったので、レース後には擦れて痛かった。擦れ防止にウェストバッグの腹回り、更にランニングパンツの裾部分にもよくワセリンを塗っておいた。お陰で擦れは殆ど無かった。

 このコースはフラットと言っていいコースである。バイクで走っているのでアップダウンの場所は良く知っている。往路の上りは、湘南大橋、サザンビーチ手前、江ノ島水族館手前のカーブ、このくらいだろうか。帰りは同じく湘南大橋、サザンビーチ、そして西湘バイパスの入口くらいだろうか。いずれにしてもせいぜい10mくらいの高低差である。フラットと言って差し支えない。坂のために苦労する事も無く、安心して走っていられる。

 折り返し点は、江ノ島入口、交番の前である。19キロ手前くらいだろうか。さすがに観光地だけあって応援の数も多い。応援の人の他に観光客の応援もあり、気持ちよく走って行ける。路面状況もいいので更に走りが良くなる。

 江ノ島で折り返したものの、まだ半分は来ていない。しかし気分的には半分終わった様な気にもなっている。1キロ毎の表示を気にしつつ、トータル距離も考えながら走る。調子は悪くはない。いつもの様に、汗をたくさんかいている。一時日が差した時もあったが、殆ど曇っていて暑くもなく、更に風も吹いていない。この時期としては最高のコンディションである。

 江ノ島入口で折り返し、江ノ水前を通過し、鵠沼海岸の前を走る。まさにいつもの練習コースである。今回のレースは鵠沼を走る事もあって、月例マラソンのユニフォームで走った。胸には大きく『月例湘南マラソン』と書いてある。数年前の湘南藤沢マラソンでも同じ様にこのランシャツを着て走った時は、たくさんの人から応援を貰った。しかし今回は残念ながらそういう声は掛からなかった。ちょっと期待外れだった。

 松波交差点を通過し海浜公園が近付いて来ると、そろそろまたトンネルに差し掛かる。また中村さん達が待ってくれているはずである。レッドブルを楽しみにその姿を探した。小林さんお手製の鉄人クラブの赤い旗が良く目立った。遠くに2人の姿を見付けて手を挙げる。再びレッドブルとジェルを手渡して貰った。今回はレッドブルはたっぷり補給した。缶のプルタブとジェルも口を開けて貰い大いに助かった。このお二人には感謝する。

 折り返してからだいぶ来ているが、まだまだ20キロ近くは残っている。折り返しのマジックか、ちょっと距離感覚がずれてしまう。残りの距離をしっかりと把握しながら走る事にした。

 ゼッケンに付けられたクラス分けの『B』は、3時間前半か、私の周りにはやはりいちばん多い。Aのゼッケンも多くみられる。かなりサバを読んで申告したか、今日の調子が悪かったか、どちらであろうか。

 最初から私の周りで走っていたBブロックの人は、皆まともな走りをしていた。多少の前後の入れ替わりはあるものの、その位置はあまり変わらなかった。月例でもよく見掛ける人が、周りに何人も走っていた。

 私と同じレベルで気にしていたランナーがひとりいる。昔からの月例のライバルのランナーである。最近はお互いに歳をとったこともあり、前方を走っているという訳にもいかない。彼とは往路、湘南大橋の手前辺りで会った。後ろから私に追い付いて来たのでびっくりした。てっきり私より前からスタートしているだろうと思っていた。ただしゼッケンには『A』が付いていた。暫くは私の前方を走っていたが、何回か給水所を過ぎるうちに見えなくなっていた。いつの間にか私が追い越した様だった。

 茅ヶ崎を過ぎても落ち着いて走れていた。ペースは遅かったがほぼ目標どおりに走っていた。距離表示が1キロ毎に出ていたので、その度にラップは取っていた。しかし時々間隔が違うだろうという様なラップが出る事もあった。サブスリーを狙うわけでもなく、シビアにラップを刻まなければならない事は無く、途中からラップを取るのが嫌になってきた。距離表示が目に入ればラップは取ったが、気を付けて距離表示を探すような事は止めてしまった。

 柳島手前は平塚方面に向かってやや下っている。景色も良く気持ちよく走れるところである。茅ヶ崎から湘南大橋を渡って平塚に向かう。ここが復路のいちばんの難所かもしれない。高低差が大きいが、橋の上も風が吹いていないので楽である。ここで風に吹かれたら辛いところである。橋の中央まで行けば暫くは下っている。かなり長いダラダラの下り坂が続く。

 平塚市内は短い。あっという間に通り過ぎる。30キロも過ぎ、少しずつ疲れも見え始めてくる。平塚と大磯の境は箱根駅伝の平塚中継所。これを過ぎれば前方に西湘バイパスの入口が見えてくる。この付近には自分達のチームを応援する人か、グループで来ている人がたくさん居た。中にはコーラを提供してくれているグループもあった。マラソンにはコーラが付き物である。水やスポーツドリンクではなく、1杯のコーラを貰って元気を付けた。バイパスに乗ってしまえばもう残りは10キロを切っている。感覚的にはゴールにだいぶ近付いてきた。

 バイパスには応援の人も入って来ないので、応援も無く寂しくなってしまった。残りも少なくなってきて疲れも出てきたものの、まだ気持ちよく走っていた。しかし36キロを過ぎたところで左脚ハムストリングスが一瞬ぴくりとした。どうも私は左脚に故障が出るものらしい。そのまま走り続ける事はできなかった。そのまま行ってしまえば、そのうちに止まらなければならなくなってしまう。仕方なくペースを落とした。

 今まで張り詰めていた気持ちはプッツリと切れてしまった。20分が切れると思っていたモチベーションは下がった。もはやゴールタイムなど気にならなくなってしまった。脚のスジが走れなくならない様にゆっくり走るだけだった。これ以上速く走れる様になる訳ではなく、ゆっくりでも最後まで走れる事を願うだけになってしまった。

 まともに走れなくなり気落ちしていたところへ、お願いしていた補給ポイントが現れた。用意してもらっていたレッドブル、パワージェル、さらにジョミ、全てを補給した。元気も無くなっていたので、ゆっくり立ち止まって補給する。レッドブルは飲み干した。あと5キロ先のゴールを目指して再び走り出す。

 この湘南国際の最大の難点は、ゴール前を通り過ぎて、次の折り返しへ向かう事だろうか。元気な時にはそんな思いは全く無かったが、思う様な走りができなくなってしまってからは、その思いが身に染みてきた。2キロが遠かった。右側にゴール地点の見える前を通過して行く。左側には海が見えている筈だが、そんなものは目に入らない。ひたすら前方にある筈の折り返しを目指して走るだけだった。しかも脚には無理が掛からない様にゆっくりと。

 右側の車線にはゴールへ向かうランナーが走っている。もう既に3時間は超えてしまっているので、残念ながらサブスリーという訳にはいかない。私と同じ様にあまりピリッとしたランナーではなかった。

 大磯西インターから二宮のインターまで2キロ、やっと折り返す事ができた。周りには元気なランナーは殆どいない。折り返しても40キロ地点までまだ500mくらい残っていた。ゴールはまだまだだいぶ先だった。

 左側にロングビーチの施設が見えてくるとやっとゴールも見えてくる。時計を見るとそれほど極端には遅くない。何とか30分は切れそうである。左へ曲がってプリンスホテルの敷地に入って行く。暫く応援の無いところを走って来て、最後にたくさんの応援で元気が出る。

 問題の最後の急坂はどんなものだか分からない。なるべくアウトコースを走って、勾配が緩くなる様にした。この坂さえ上ってしまえばあとはゴールまで200mほど。ゴールゲートが見えてやっとホッとする。もう最後まで走り切れそうだと思って少しだけ頑張ってみる。無事にゴールを通過する。何とか26分台でフィニッシュ。疲れた。

(No.577)


  
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