2004 Ironman Swiss

2004年7月25日 日曜日
種目:Swim 3.8Km、Bike 180Km、Run 42.2Km
記録:11:36:09 (総合541位 男子510位/1072人 男子45-49歳44位/89人)
 swim    1:12:57 (624/48)
 T1         3:34
 bike    6:09:45 (767/71)
 T2         5:03 
 run     4:04:48 (348/24)

 さすがにスイスは時計の国か、たぶん正確な時刻にスタートした。前にいるスイマーがひと通り出ていったところで、コースのいちばん右側から出ていく。バトルを予想していたが、ほとんど無い。やはりヨーロッパは紳士が多いのか。淡水でも特に問題はない。水はしょっぱくなかった。天気も、涼しいが雨の気配はない。いいレースになりそうだった。

 スイムはチューリッヒ湖、そこを2周回、四角形の3辺を泳ぎ、ゴール前まで来たら対角線に泳いで、第1コーナーまで戻る。あとは1周目と同じ。今回はイン側から行ってみることにした。ビデオで見ると、バトルも凄そうなので後ろからゆっくり出ていくことにした。しばらくはウォーミングアップのつもり、無理はしない。はっきりとした距離の明示はないが、一周目が1.8キロ、2周目は2キロ程度だと思う。とりあえずは前のスイマーを目標に泳ぐ。風もないので波も立たない。とても泳ぎやすい。1周終わったところで一休みしながら時計を見る。33分、まずまずとの印象。ついでに立ち泳ぎしながら用をたす。再び前を行く人を追って2周目に入る。あと2キロほどと思って気が楽になる。あとは残りの力を出すだけ。やや体のあちこちが凝ってくるが、力を抜きながらほぐす。そしていつの間にかフィニッシュ。時計を見ると、1時間12分。自分にしては好記録だった。ヘルパーに助けられながら陸に上がる。そのままトランジッションエリアへ。半分くらいはバイクが残っているような感じ、まぁまずまず、と思う。

 ウェットを脱ぎ、バイクウェアを着てスタート。陽が出ていなかったので、アームカバーをする。バイクスタート時は寒いくらいだった。ヨーロッパのサイクリストは皆速いと聞いている。自分もそれに負けないように走る。最初はまずまずのいい感じ、気持ち良く走れる。コースはほぼフラット、湖の周辺を走る限り、ほとんどアップダウンは無い。およそ20キロまでは湖の周回道路、それを過ぎたあたりから少しずつ変化に富んでくる。

 特にコースは閉め切られていないので、一般のサイクリストも入ってくる。スタイルのいいサイクリストが沢山いる。コースマップでは最初の坂は200mくらい登る。どんなものかと思って身構えるが、上ってしまえば大した坂ではない。なだらかな丘をのぼっていく。街中から少しはずれた丘の頂上を目指す。自転車は本場の国、応援も慣れたものである。丘のてっぺんにはまるでバイクレースの山岳ポイント並みのゲートもある。気合いも入ってくる。上りきったところは畑の中、すぐに下り始める。朝方はまだ寒い。アームウォーマーをしてきてちょうど良かった。しばらく下るがそれほど急ではない。気持ちよく下っていく。鉄道の駅まで下ると再び上りが始まる。線路に沿って延々と続いている。ゆるやかだが上り甲斐がある。そして周辺が畑の坂のてっぺんに着く。あとは、街からの国道まで一気に下る。最後に、上るにはかなりきつそうな坂を一気に下る。70キロは楽に超えていた。道も良くて走りやすい。気持ちよく下ってきたところで国道に戻る。

 5キロも走ると、またチューリッヒの中心部に戻ってくる。街中は応援も多い。その中を気持ちよく通過する。スタート地点まで戻り、更に湖の周回コースを南下する。そして、3つ目の上りを迎える。今までの上りはゆっくりとシッティングでも上って行けたが、ここはそうはいかなかった。線路をまたぐ橋を一気に上る。一番の急勾配だった。こちらの坂は住宅街を上る。だんだん応援が増えていく。そして最後の上り、やはりゲートが見えてくる。応援も両脇にぎっしり、これがあの写真の場所かと思い、必死でこぐ。応援の凄さに鳥肌が立ってくる。もう2回ここを通るわけだ。応援に背中を押されて上りきる。やっとひと休み、上りきったら再び気持ち良く下る。スタート地点までも下り気味のコース、軽快に飛ばす。1周を終わって60キロ、スタートからまだ2時間経っていなかった。快調だった。このまま2周目へと入っていく。

 途中、日本人を2人抜いた。1人は女性。彼女はバイクに入って、早々に抜いた。もう1人は男性。こちらは最後の上りの手前で抜いて行く。たぶんもうこれより先には居ないだろうと思った。2周目に入ったところで、1周目を戻ってくるバイクとすれ違うが、もうその台数もあまり多くない。やはりヨーロッパのバイクのレベルは高い。自分は真ん中より後ろの方だろうと思う。走っていれば、ほぼ周りと同じくらいのペースで走れるのだが、更に後ろから抜いていくバイクも沢山いる。それらはレベルが違いすぎるような気がした。1周2時間ぎりぎりだったが、目標は6時間以内にした。平地が多いので何とかなるかなと思っていた。

 2周目もまわりの様子は1周目と同じ感じ。懸命に走っているのだが、順位が少しずつ後ろに下がって行くような感じだった。2周目の2つの山を上りきって国道に戻ってくると、かなり前を走っているトップグループとすれ違う。10人くらいの集団で走っている。しかし、ドラフティングになるほど接近して走ってはいない。マーシャルも厳しいのか甘いのかあまり分からない。時々ゼッケンにマークの入っている選手も見かける。2周目のハート・ブレイク・ヒルもまだ応援は沢山いた。立ち漕ぎでクリアする。腰が痛くなってきたが、まだまだ余裕はある。3周という周回がちょうどいいのかも知れない。2周終わって120キロ、あと1周、60キロが残っている。ここでもまだ平均時速30キロを超えていた。トータル4時間を切っている。このまま行ければいいのだがと思う。まだ走れる力は残っている。

 今回用意した補給食はいつものカーボショッツ、ういろう、梅干し、それに朝食べ残した赤飯のおにぎり。それと少しだが乾燥フルーツ、これは甘いものばかり食べている体には、とても美味しかった。オレンジが酸っぱくて美味しかった。補給食としては、やはりご飯がいちばんだった。早いうちの食べられる時に食べておいた。カーボショッツも、持ったものは殆ど食べきった。今回の食料計画は成功だった。

 3周目になってもまだ後ろから抜いていく奴がいる。時々ゼッケンを付けていないサイクリストもいる。一般のサイクリストだった。集団もいる。コース上を規制していないのもいいし、車も普通に走っている。車の数もそれほど多くなく、第一に、バイクを尊重してくれているのが嬉しい。3周目の最初の上り。もう応援も少なくなってきた上り坂でいちばん端を走っていると、少し前を走る地元と思しき選手が歩道上の応援の人と話し始め、次第に右に寄ってきた。声を掛けたが気付かず、上っているところで簡単に避けることもできず、危うく転倒しそうになり足を着いて止まってしまった。それを見ていた周りの人が私に寄ってきて、私を押し上げようとしてくれる。なかなかクリートがはまらず、待ってもらって背中を押してもらう。まるでテレビで見るロードレースの様だった。勢いがついた。

 自分ではそれまでの周回と同じように走っているつもりでも、やはり少しずつペースは落ちていた。緩い下り坂では漕がずにただ下るだけになっていた。スピードは上がらず、後ろから抜かれていた。最後の坂を下って街の中心部まで戻って来ると、ランナーが見えてくる。まだそれほど多くはない。しかしゴール前を通過してからは一挙にランナーが増える。ちょうど走り出したところ、5キロも行っていないランナー達である。しかし私は、まだバイクを10キロほど残している。早くランに移りたいと思いながらも、最後のハート・ブレイク・ヒルに向かう。もう応援の数もまばらになってしまった。やっと上りきって、あと残すは5キロほど。ランに移る力を残して気持ちよくゴールを目指す。時計を見ると6時間をだいぶ過ぎていた。平均時速も30キロを切ってしまっていた。なんとか29.5キロほどに収まった。

 バイクゴールでバイクから降りてトランジッションエリアに入る。もうかなりの数のバイクが置いてあった。ウェアを取り替え、カーボショッツのバッグを取り替え、ゼッケンベルトを付け直す。ソックスは5本指、腰を下ろして落ち着いてはく。最後にシューズとキャップ、まずは勢いよく走り出す。軽快に走れる、ペースもまずまず。しかし、陽が出ていてかなり暑い。もう少し涼しいかと思ったが意外に暑く感じる。しかし木陰に入ると気持ちがいい。まず最初は南下、約2キロの往復。バイクコースの最後の部分を逆送する。

 最初の折り返しは約2キロ地点。周回チェック用に髪留め用のゴムを持っている。受け取ろうとしたら避けられた。ここは3,4周目でくれるところらしい。最初は分からず、不思議に思った。中には何本か腕に付けていて貰っているランナーもいた。3周目を走っているランナーだった。今まで来たそのコースをまたスタート地点まで戻る。ゴールの裏側を通ってそのまま公園の中を抜け、反対側の折り返し、2回目の折り返しを目指す。公園の中は涼しいが、道路に出ると日陰もなくとても暑い。チューリッヒの中心部を流れる川に掛かる橋を渡り、再び公園に入る。休日を楽しむ人が多く、応援も多い。まだまだ元気で、走りにもキレがある。

 2回目の折り返しはおよそ7キロのあたり。ここで初めて輪ゴムを貰う。やっと1個になった。あと3つ貰わなければゴールできない。まだまだ先は長い。もう一度同じコースを走り、メイン会場まで戻る。10キロを過ぎると、一度ゴール前に向かう。まだ周回の残っている人は再び元のコースに戻る。途中で私を抜いて行ったノーマン・スタッドラーが、ちょうどゴールするところだった。何位か、1位か2位か、その時はまだ順位は判らなかった。結果は2位、8時間24分。2週間前のドイツ・アイアンマンは不調で、再挑戦との事だった。私は2周目に入って、同じコースを周回する。

 周りにいるランナーの数がだいぶ増えてきた。3本持っているランナーは、この先でもう1本貰って終わり。私はまだ1本、まだまだ先は長い。2周目もまだ快調。ややペースは落ちたものの、確実に前のランナーを捉えていく。時折後ろから速いランナーに抜かれる。もうゴールするような人達だった。男女の1~3位にはオフィシャルが付いてバイクで先導していた。女性も速かった。日本人のランナーにもすれ違うようになった。何時頃か、まだ陽は高い。暑さも厳しくなってきた。チューリッヒの緯度は47度ほど。稚内より更に北になる。確か、オロロンの時には北緯45度線を越えている。それより緯度が高い上にサマータイムも採用されている。日の暮れるのも遅いし、暑い。しかし日中にゴールできるので気分はいい。

 2周目を終えるあたりまでは、なんとか止まらず走り続けることができた。しかし3周目ともなると、次第にきつくなってきた。たまらずに、エイドで止まって給水を取る。まだ冷たい水が気持ちいい。体を冷やすために水分をどんどん取る。すると今度は取りすぎで食欲が無くなる。カーボショッツも取りたくなくなる。仕方ないので水やコーラを飲む。それだけでは体がもたないので、無理をしてでもカーボショッツは取るようにする。バイクの時もそうだったが、こちらのコーラはどうも美味しくない。薄まっているような感じがした。パワーエードもあったが、飲み慣れていないせいか美味しく感じない。仕方なく水とカーボショッツに頼ることになる。まだ3周目を走っているとき、眠くなってきたのがわかった。水分の取り過ぎもあった。しばらくはじっとこらえながら走る。3周目は辛い周回だった。あと1周になれば楽になるだろうと思った。

 3周目も終わり、ゴール横を通るとき、次のゴールを思うと感激してきた。この辛さからも解放される。既に手首には3本の輪がはめられている。もう1周してくれば、この辛さにも終わりを告げることになる。4本目を貰えば、元気も出てくる。もう1時間頑張れば感激のゴールが迎えられる。折り返してくる日本人ランナーとは目で挨拶をかわす程度で、元気な挨拶にはならない。2キロ走れば4本目の輪が貰える。やっとここまで来た。まだまだ明るい。少し暑さも和らいできた。暖かいものも恋しくなってくる。4周目、公園の中の木陰ではだいぶ涼しくなってきた。“ホット・ステーション”という名前のついたエイドでは、コンソメスープが出てきた。水ばかり飲んできた体には、とても美味しかった。もう先も見えてくる。

 もうあと1回折り返して来ればフィニッシュ。そればかりが頭に浮かんでくる。4周目も1時間で走りきれると思っていた残りの距離は、足が上がらなくなり、ペースもかなり落ちた。しかし、歩みは止めない。とりあえず目標は次のエイド、エイドで貰う冷たい水が美味しい。しかし、飲み過ぎには注意が必要だ。

 最後の折り返しを過ぎる。私の手には輪が4本、やっとゴールに向かえる。もう折り返しも無い。まだ周りは明るく、時刻は全く判らない。既に脚は目一杯の状態、今さらラストスパートなどない。結局フィニッシュはいつもと同じようなタイムになりそうだった。スイム、バイクとまずまずのタイムで来たが、最後のランで思うようなタイムで走ることができなかった。平坦な部分の多かったバイクで頑張りすぎたのか、脚に疲労がきていた。ランも平坦なコースではあったのだが、元気なのは最初の周回だけだった。3時間50分くらいでは走れるつもりでいたのだが、そこまでは力が及ばなかった。最後、ゴール前まで来てしまうと、やっと戻って来られた安堵感だけがあり、感激とはならなかった。最後のゴール横を通過し、ゴール正面へと出る。両脇には客席があって、フィニッシャーのゴールを出迎えてくれている。フィニッシャーに対する扱いはどこでも同じ、暖かかった。『ジャパン、横浜鉄人クラブ』のアナウンスと共にフィニッシュを迎えた。

 とりあえずはゴールしてほっとした。それだけだった。満足できるような走りができなかったというのが要因だろうか、よく頑張ったというような感激ではなかった。サポーターからメダルを掛けてもらい、タオルを貰った。そのままゴール横のテントの中でひと休み。水とパワーエード、やっぱりこれは美味しくなかった。固形物はバナナくらいしか食べていなかったので、ずっとお腹が空いていた。人の食べているスパゲティが美味しそうに見えたので、早速貰ってきて食べる。それだけで食欲は満足だった。空腹も満たされ、あとはシャワーを浴び、ジャグジーに浸かって疲れを癒した。ほっとしたひとときだった。ジャグジーから出ると意外に寒い。慌ててフィニッシャーのポロシャツを着込み、荷物を引き取りバイクを押しながらのんびりとホテルへ戻ってきた。まだまだ外は明るく、時刻の観念が無かった。何時だかまったく判らなかった。

 ホテルに帰ると、疲れてはいるもののまだ体が火照っていて眠りにつくような状態ではない。しばらく片付けをしてベッドに横になる。あとはそのまま朝まで寝てしまっていた。


7月22日(木)
■出発 9:30(成田)~17:00(チューリッヒ)

 出発の朝は早い。ちょうど5時に家を出て成田へと向かう。途中、何の問題もなくスムーズに進み、予定通り6時半に第1ターミナルに到着。車をターミナル受け渡しで駐車場を利用したので、重い荷物の移動も無かった。一人なので、待ち合わせなど特になし、暫くチェックインフロアでのんびりとした。

 スイスに参加の日本人は9人の予定。ツアーには何人来るか判らないが、バイクを持った人が何人か見えて来た。7時を過ぎてからチェックインを始める。案の定、荷物の重量でもめる。私はバッグの荷物を少し機内に持ち込むことでパスしてくれた。大韓航空は重量については他の航空会社に比べて甘いようである。荷物が通ってしまえば、しめたもの。成田の厳しいチェックもエア・ボンベはアルミホイルに包んで問題なく通過。しかし後になって判ったが、このボンベは使えなかった。理由はバイクを組み立てた明日判る。あとは出国チェックを済ませて出発ロビーへ。9時の搭乗時間まで、腹ごしらえなどをする。

 スイスへは大韓航空、ソウルで乗り換え、チューリッヒへ。ソウルからは11時間ほど、長い。楽しみは食事とアルコール、しかし、レース前なのでアルコールは少々控えめに、適当に頂いた。現地チューリッヒには夕方の5時頃に到着。日本ではもう夜中の2時になっていた。眠い中を空港の到着ロビーで、来ているはずの出迎えを待っていた。初めて立つスイスの地で、ホテルまでどうやって行くのか分からないまま出迎えを待つが、1時間経っても誰も現れなかった。仕方なく、日本からの8人は、タクシーに分乗してホテルに向かった。幸いにも30分ほど、55フラン、約5,000円程度で着いてくれた。

 この日は少々無理をして、現地時間で11時頃まで起きていた。明日はバイクの組み立てと選手登録がある。

7月23日(金)
■バイク組立、選手登録、ウェルカム・パーティ

 やはりまだ体が慣れていないために、朝早く目が覚める。少し早かったが、6時頃からバイクの組み立てを始める。今回は忘れ物など無いと思っていたのだが、細かなものを忘れていた。パッキングの際には入れたと思っていたのだが、ガスボンベのアダプタを忘れていた。パンクしなければ問題はないが、折角持ってきたボンベも使いようが無かった。他には特に問題は無かった。

 バイクが組上がったあとは、スイムの用意をして登録会場へ、だが、まだまだ準備中だった。ぽつりぽつり程度しか人が居ない。暫く会場内を見て回って、泳いでいる人を発見、早速仲間に加わった。水温はちょうど良いくらいで冷たくない。泳いでみていつもとは違和感があった。水がしょっぱくない、何か変な気がした。30分ほど水に浸かって上がる。ちょうど登録の始まる時間になっていた。

 登録にはスイスの協会の1日会員として30SFRが必要だった。エントリー時にその分も含めて払ったような気もしたが、私の英語では説明できなかった。また、JTUの会員証があれば不要だったそうだ。余分な出費をした。登録を終えて、今日の仕事の殆どが終了。あとは夕方のウェルカム・パーティだが、場所が分からない。よく判らない英語を何度も聞いて、なんとか行けそうなところまでになった。

 ホテルに戻ってきて暫くのんびり。夕方までは自由なので、食事と買い物、周りをぶらついてみた。昼食はまず無難なMac、しかし高かった。ビッグマックセットで約1,000円、日本の倍の値段だった。全てがこの通り、物価はとても高い。500mlのコーラも3.5SFR、およそ300円。ビッグマックバーガーは1個700円だった。

 夕方のウェルカム・パーティは街はずれの高台にある大きなレストラン。交通手段は「トラム」という路面電車で行く。乗り慣れるとこれほど便利な乗り物はない。7.2SFR出せばエリア内で1日乗り放題。会場にはホテルから10分ほどで着いた。一人では心細いのでツアーの全員で揃って出かける。ディナーのメニューは、野菜サラダ、ペンネ、鶏肉ソースのスパゲティとプリン。カーボローディングとして充分だった。食事には満足、今年は10回目と言うことで、この10年を振り返るビデオも流された。

 今日の行事は全て終了、早々に床に入る。

7月24日(土)
■バイク・チェックイン

 今日は夕方のバイク・チェックインまで自由時間。行動予定としては、午前中にバイク練習に出かけて、昼はのんびりするつもりだった。しかし天気は朝から雨。仕方ないのでホテルの部屋でTVを見ながらのんびりする。しかし放送は全てドイツ語かフランス語、全く分からない。しかし、時折ツール・ド・フランスのニュースなどもやり、楽しませてくれた。

 10時頃から雨は上がり路面も乾いてきたので、バイクに出かける。まずは会場方面へ。行ってみると本番並みの「練習」?をしている人が沢山いた。集団も沢山いる。道路も閉鎖されている。さすがヨーロッパは自転車が盛ん、理解があるなぁと思いつつのんびり出かけたが、よく見ていると様子が違う。ゼッケンも付けている。どうも本番のレースの様だった。

 土曜日は51.5キロのレースからキッズレースまで1日中行われていた。コース上を出入りして、選手に煽られてしまった。状況を理解したところで、邪魔にならない様にコースを抜けて、20キロほどバイクで走る。いい感じだった。1時間ほどでホテルへ戻る。バイク・チェックインの5時過ぎまで再びのんびり、明日のレースの必需品など、買い出しもする。

 バイク・チェックインも特になし。ヘルメットにレースナンバーが付いていれば問題なし。日本のような細かなチェックなど何もない。全て自己責任ということ。私は明日のウェットやトランジッション・バッグなど、セットできるものは全て用意しておいた。食料だけは当日の朝に用意する。最後に、支給されたビニールのバイク・カバーシートを掛けておしまい。
 スイスは緯度が高いので、日の暮れるのも遅い。更にサマータイムなので、余計に外は明るい。9時過ぎまでは充分に明るい。明日はレースなので、10時頃には寝るようにする。夕食は近くに日本食レストランがあったので、ご飯を食べる。やはり少々高いが、満足して帰る。

7月25日(日)
■レース当日(7:00~18:36)

 起床は3時半、ホテル発は5時半の予定。朝食は日本から持って行ったアルファ米の赤飯と山登り用の餅、更にスーパーで買った甘いパンとヨーグルト。朝早くからホテル側で用意してくれていたのだが、これだけで十分だった。用意は万端、忘れ物無し、と思って予定通り5時半に出る。6時にはトランジッションエリアで最後の準備。今日は忘れ物は無いだろうと思っていたら、最後に一つ。ウェットスーツの擦れ防止でいつも使っているキネシオテープ、昨日の準備の段階から忘れていた。しかし、用意していた塗り物でカバーできた。更に海水ではないので擦れて痛いことは無く、何も問題なかった。スタート地点はゴールから少し離れたところ、少々出遅れたので、急いで皆の後に付いていく。軽くアップをして準備OK。スタートまで10分程となる。

7月26日(月)
■アワード・パーティ(10:00~13:30)

 レース翌日の朝は早い。ぐっすり眠ってしまっていた。目が覚めてする事も無いのでバイクの片付けを始める。アワード・パーティは10時から、それまでにのんびりとやれば良かった。パッキングでまた一つ問題、昨日荷物の引き上げの時に、会場にポンプを置き忘れたのに気が付いた。慌ててバイクで出かけてみる。有ってくれればいいがと願いつつ会場に急ぐ。まだ片付けが始まっていない様で一安心。置いた場所に行ってみると、そのまま残っていた。レース中のサポート、観客の温かさ、合わせてこんな面でも好印象を持った。帰りはホッとした気持ちでのんびりと帰って来られた。バイクの掃除まではできずにそのままパッキング、帰りの飛行機の重量も考えて、あまり詰めないようにした。

 ひと休みしてアワード・パーティへ出かける。エイジの表彰が沢山あって、最後にプロカテゴリー。あのノーマン・スタッドラーはドイツでリタイアしたようで、スイスに再び出場していた。2位となり、嬉しい賞金獲得の様だった。食事をとりながらのアワード・パーティも終わり、その後はチューリッヒの街へお土産を買いに出かける。

 これで公式行事は全て終了、楽しめたアイアンマンだった。

7月27日(火)
■帰国 19:30(チューリッヒ)~20:30(成田)

 帰りのフライトは19時30分。1日のんびりとできるので、観光して帰ることにした。チューリッヒ湖の遊覧船に乗り、街を見おろせる展望台にも行き、街中を散策して最後のチューリッヒの街を楽しんだ。いいアイアンマンツアーとなった。

--------[諸経費]------------
ツアー代      :¥280,000(一人部屋)
エントリー代等   : ¥55,000
土産        : ¥50,000
食事、交通費、小遣い: ¥65,000(国内外)
        合計:¥450,000


  
home report