2002 佐渡国際トライアスロン大会
2002年9月1日(日) 天候:晴れ
種目:Swim 3.8Km、Bike 180Km、Run 42.2Km
記録:11:49:45 (総合 65位 男子45-49 4位)
Swim 1:14:36 (195)
Bike 6:23:05 (129)
Run 4:12:04 (54)
8月30日(金)晴れ
・受付
朝早く新潟へ向かって出発。途中、洋光台で川島さんを拾って2人で出かける。車で佐渡へ渡るのは初めて。どれ位掛かるのかも判っていないが、6時前に横浜を出ていけば間に合うと聞いていた。第三京浜、還八を経由して関越へ入る。関越に入ってからは渋滞もなくスムーズ。およそ3時間半で新潟港に到着し、12時10分発のフェリーに乗る。フェリーは2時間10分、佐渡の地に着いたのは2時半頃。10年ぶりの佐渡だったが、ほとんど様子は変わっていなかった。佐和田へ向かい、大会の選手登録を済ませる。その後は、宿の浦島へ入る。部屋は関谷さん、上小牧先生、そしてVO2MAXのメンバー6人と一緒である。車なのでバイクの組立などもなくのんびりとする。今年の佐渡大会はカーボパーティ、アワードパーティも無くなり、運営もかなり簡素化されてしまったようだった。今日は宿の食事を堪能した。朝早かったせいか、早々に寝付く。
8月31日(土)はれ
・開会式、競技説明会
大会本番と同じような時間帯に泳ぐため、早起きして朝食前に軽く泳ぐ。食後はみんなでバイクに乗り、中山トンネルまで行く。今年は私が10年前に出た時と同じルートになっていたのだが、他の人にとっては初めてのコース。私と川島さんはトンネルを越え相川まで下った。他のメンバーはトンネルで折り返して行った。私達は相川から昨年までのコースを逆回りした。およそ30キロ、1時間のバイク練習となった。昼は新穂村の寿司屋まで出かけ、たらふく食べた。ちらしとにぎりで¥2500、ビールも少々。午後から開会式と説明会。今日横浜から来たazの鈴木、岡澤、三輪さんらと出会い、健闘を誓い合う。
今日の行事もこれで終了。あとはレースを迎えるだけ。早めの夕食をとり、9時過ぎに床につく。
9月1日(日)はれ
・大会当日
起床3時、風はやや有るものの海は全く波が無くまるでプールのよう、いいレースになりそうだった。バイクの準備などは宿で全て済ませて会場へ出かけるので、とても楽である。4時半には宿を出る。体育館で受付を済ませれば、準備は完了。ウェットスーツを着てスタート地点へ向かう。波は全くない。プールよりも静かだった。はやくからアップを始めて体を慣らす。スタート地点は一番左からと思っていたが、やや混雑していたので、まん中あたりへ移動する。前の方からスタートする人も少ないように見えた。
Aタイプのスタートは6時、まだ陽も見えていなかった。先頭のやや後ろから泳ぎ出す。多少スタート時の混雑が有るものの、バトルなどというものは無い。スムーズに出て行けた。ここのところ、練習でもいい調整ができていたので、自信を持って臨んでいた。スイムコースは逆三角形。沖に1.5キロ、岸と平行に800m、そして1.5キロ戻ってくるコース。出だしから調子よく、気持ちよく泳げる。まわりにもあまり人は居なく、いい調子だった。最初のブイまで行ったところで時計を見るとまだ23分台、自分でもびっくりした。いいタイムが期待できた。しかし結果的に良かったのはそこまで。あとは左にぶれ始めていった。すると、集団からは離れてしまい、スピードは落ちてしまった。
第二のコーナーでは時計の確認はしなかったが、かなり疲れが出ていた。集団から離れ、一人で泳いでいる部分が多かったようだ。残り1.5キロも半分を過ぎると、Bタイプが合流してきた。遅い連中らしく、邪魔だった。岸が大きく見えてくると、やっとひと安心。更に浅いところまで来ると、もう間もなくゴールだった。まわりが歩いているなかでも最後まで泳ぎ続けた。なかなか手は底に付かなかったので、そこそこの所で立ち上がりゴールへ向かう。タイムチェックをしてから時計を見ると、1時間15分、もう少し良いだろうと思ったので、がっかりだった。結果からすると、私のすぐ前にazの岡澤さんが居たらしい。全く気が付かなかった。岡澤さんに負けるとは、全く悔しい限りである。バイクラックまでは、100mほど走る。周りの同エイジのバイクは、まだたくさんあった。安心して着替えを済ます。
中山トンネルまでは昨日走っていてコースがわかっているので、安心していた。追い風らしく、気持ちよく走れる。まずはリラックスしてスタートする。相川までの道のりはわかっていたが、それから先は、もう昔出たきりなので憶えていなかった。それほどアップダウンが続くコースではないと思っていたが、それでも初めて来たコースの様なものだった。初めから無理して飛ばすような事はしなかった。初めのうちは落ち着いて走る。やや遅いかなというくらいのペースだった。エイドは普通のバイクコースと同じくらいの間隔であった。水、コーラ、ドリンク、おにぎり、バナナなど、とりあえずは満足できるものだった。今回の補給食はカーボショッツ、パワージェル、ういろう、梅干しを用意した。
バイクの距離が延びていくと、昔の記憶が少しはよみがえってきた。以前走った憶えのある場所も、思い出してきた。しかし快調に飛ばすというところまではペースは上がらない。大佐渡の突端まで向かう部分はおおよそ追い風。まだまだ走りやすい方だった。大野亀、二ツ亀まで行くと最初の上り、それほど辛くはない。このあたりをきっかけに少しづつ調子を上げていく。山を2つほど越えて大佐渡の東側へ出る。
ここからは、まず両津を目指す。こちら側はやや向かい風。走った事はあるはずだが、ほとんど記憶にない。昔もきっと辛い部分だったので記憶に無いのだろう。そろそろ疲れも出始める。エイドでトイレに入り、冷たいコーラを飲み干す。少し元気が出た。多々アップダウンはあるものの、路面も良く走りやすい。順調に進み、調子もだいぶ上がってきた。いつの頃か、距離表示が違っていた。5キロほど余計に走っている表示になっている。途中で短い部分が出て来ることもないだろうから、きっと185キロ走らされることになるだろうと思った。
両津の街まで来て95キロほど、とりあえずひと安心。後半は、大佐渡ほどアップダウンは無いだろうとの記憶がある。あるのは小木の坂くらいのはずだった。両津の街を抜けたあたりで前方に黄色いTREK、遠藤さんだった。ひと言声を掛けてパスする。10年前に比べかなり道路事情は良くなっている様に思えた。道幅も広くなり、舗装も良かった。トンネルも出来ていて余計な坂も上らずに済んだようだった。
130キロほどのところ、調子も上がって気持ちよく走っているところへ、勢い良く抜いていくバイクが1台あった。松本晴美である。やっと来たかと思った。まわりもちょっと緊張感が走ったように見えた。抜かれた時はかなりのスピード差に思えた。昨年の宮古島の時はしっかりと松本晴美に付いて行けたので、今回もできることならついて行きたいところだったが、あっという間に先に行かれてしまった。しかしまわりのペースは悪くはなく、風も追い風のようで、調子は良かった。まわりに遅れないように走るだけだった。
赤泊の町を過ぎれば小木までもすぐ。走りやすいコースである。小木では坂を上る前に体調を整える。トイレに行ってコーラを飲み、おにぎりを食べる。少し重くなるが、水もたっぷりと積む。そして小木の坂へと向かった。きついという事だけは憶えているが、どの程度の坂だったかは忘れていた。一緒にのぼっている人にどんな坂か訊ねる。きついのは最初だけで、あとはだらだら長いだけとのこと。1つめのきついところを上りきってとりあえずひと安心する。10年前はこの坂を42×21で上っていたはずだ。今年は39×23、やはりこれ位でなければ辛い。
いくつかの坂を上ってから気持ちよく坂を下る。これで終わりではなかった。もうひとつ町を抜けるのに上り坂があった。ここの記憶は多少残っていた。あと残りももう少しという所で、まだ上らされるかのという思いで上った記憶がある。それもクリアしてしまえば、あとは下り坂だけのはず。最後は真野の町を通過してバイクゴールとなる。佐和田に入り国府橋まで来ると、Bタイプのランナーが現れる。Bタイプはもうすぐフィニッシュ。そしてAタイプのランナーも反対方向へ走り始めている。こちらのランナーはまだ数少ない。私の順位は2ケタの真ん中くらいのはず。更に上位を狙うつもりでバイクゴールを目指した。
佐和田の商店街を抜けバイクゴール。海側のトランジッションエリアへ入る。私の同一エイジは私のナンバーの前後50人の100人、目指すはトップ。周りのバイクを見ても数台だけ、いい線まで来ていた。十分狙えると思った。ランウェアに着替えるが、外は暑い。近くのテントに入ってソックス、シューズを履く。調子は悪くないようだった。スイムはほぼ予定通りだったが、バイクは6時間20分ほどかかっていた。少々タイムオーバー、スタートしたのは1時半を過ぎていた。
昨日、同室のメンバーに申告したゴールタイムは11時間、3時間半で走らなければ達成できない。しかし、それ位で走るために練習してきたはずだった。諦めずに走るつもりだった。走り出しは快調、気持ちよく走れている。最初のエイドまで3.5キロ、やや遠いとは思っていたが、難無くたどり着く。帰りが大変かなと思ったが、これも日が落ちていたので十分だった。ただもっとあれば安心だった。
バイクで帰ってきたコースを逆にそのまま戻り、商店街を抜けていく。走り自体には全く問題は無い。Bタイプでランを戻ってくる人、Aタイプのバイクで戻ってくる人、そして、Aタイプで走り出した人の3種が入り交じっている。Bタイプの川島に続き、Aタイプの遠藤、azの岡澤さん、と次々にすれ違う。岡澤さんがこんなに近くにいるとは思いもしなかった。少々プレッシャーとなる。しかしこの時点では、普通に走れば全く問題ないという程度に思っていた。バイクとの交差点の国府橋を左折し、田んぼ道へ向かう。以前はセメント工場の中を通っていたが、それは無くなったようだ。しかし、その後のコースは同じで、田んぼの中にランコースがあった。農道を通り過ぎ、車道へ出る場所も変わっていなかった。以前トイレを借りたことのある家もそのままだった。
この辺りまでは全く日陰もない。太陽は真上から強烈な日差しをあびせていた。エイドの数はこの暑さからすれば、充分とは言えなかった。距離表示もほとんど無かった。エイドの設置場所でおおよその距離を推測するしかなかった。車道に出てからも日陰になるような場所は全くない。しばらくは人家の間を抜けていく。12キロ過ぎにあるエイドの先、新穂のT字路を左折し、再び田んぼ道の中を金井の第一折り返しへと向かう。ここは17.7キロ地点、まだまだ太陽は真上にあった。
走り出しからしばらくの間は、同じエイジと思われるランナーを何人も抜き去っていた。もうトップに近いだろうと思っていたが、その夢も第一折り返しに向かう所でうち砕かれた。折り返しから帰ってくるランナーに、同じエイジと思われるランナーが3~4人いた。自分は4~5位の様だった。今回のライバルの一人である鈴木とは、早々と、このあたりですれ違ってしまった。30分以上の差が開いていた。まさかこんな先にいるとは思っていなかった。また、一人明らかに同じエイジのランナーとは、スローペースながらも抜きつ抜かれつをエイド毎に繰り返していた。しかし暑さにやられて、その戦闘意識すら無くなっていた。
やっとたどり着いた金井エイドの第一折り返しでは、水分補給と体を冷やすのとで、しばらくは動けなかった。競り合っていた同エイジのランナーは既に先に行ってしまった。走り出して2時間近くは経っていたはずだが、まだまだ日差しは強く、日陰も無かった。
第二折り返しへ向かう途中、T字路の手前で再び岡澤さんとすれ違う。最初にバイクですれ違った時とほとんど時間的に変わっていなかった。これはとても驚異だった。へたをすると、追いつかれてしまう可能性もあった。鈴木には引き離されてしまっていたので、彼女だけには負けるわけにいかなかった。佐和田から来たときは左折したT字路を、今度は新穂の町に向かって直進する。第2折り返しまでは4キロほど、一応、既に中間点を過ぎていたので、残りの距離の方が少なくなっていった。だんだん気は楽になっていた。また鈴木とすれ違うが、折り返し地点が不明なので、どの程度離れているのか分からない。しかし、およそ30分程度は離れているようだった。エイドで体を冷やし、コーラでエネルギーを補充し、そして次のエイドを目指すしかなかった。順位などは既に意識から無くなっていた。エイジ入賞なども諦めていた。
第二折り返しの潟上エイドで、およそ26キロ、もうひと頑張りというところだが、その元気も出てこなかった。私設のシャワーが所々にできていたが、来るときには使わなかった所も、帰りには寄って体を冷やしていた。タイムにはもうこだわりが無くなっていた。最後まで走りきれれば良かった。
再び、いちばんひと気の多い新穂の町を目指す。T字路がおよそ30キロ、そこまで行けば、あとひと頑張りというところ。T字路の手前で岡澤さんとすれ違うか、あるいは私が先に曲がってしまうか楽しみだったが、彼女もそう易々とは負けず、しっかりと私とすれ違った。まだまだ元気そうだった。
しばらくして、T字路を左折、目標のエイドが見えてきた。残りは12キロほど。誰かが言っていたが、ここまで来ればあとは、1回の練習分だけ走ればフィニッシュとなる。やっと先が見えてきた。一度ふくらはぎあたりにつりそうな気配があったが、問題なさそうだった。しばらくして、T字路へ向かう関谷さん、三輪さんとすれ違う。関谷さんはいつもの調子に見えた。三輪さんは辛そうな表情だった。次のエイドも3キロ以内には有るはず、そう思いながら走るだけだった。
小さな町をひとつ通り過ぎれば、右折して田んぼ道へ出る。そこまで行けば残りは8キロほどのはず。距離表示が無いのではっきりしない。来るときには炎天下の道もだいぶ涼しくなっていた。順位は分からない。それでも速い方なので前には数えるほどしか人がいない。前との距離もかなり離れている。田んぼ道の真ん中に集落、そこにエイドがあって、残りは5キロ。次のエイドは残り3.5キロ地点、それだけは分かっていた。近いようだがまだまだ。金井公園から住友電工を往復して、XAXまで帰る分だけある。前方にはセメント工場も見えてきた。国道まで出てしまえばもうすぐと思うが、まだまだ3.5キロ以上はある。そこから佐和田の街中まですぐだろうと思ったが、なかなか長い道のりだった。
30キロのエイドからはもう何も補給していなかった。エイドのコーラとオレンジだけが頼りだった。おなかの方も空いていたが、食べる気にもならなかった。空腹をこらえて走るしかなかった。だんだん街中も近くに見えてくる。辛いレースがよみがえり、目頭が熱くなる。こんなところで泣いているわけにはいかない。ゴールまではしっかりと走りきらなければ。私の前にも後にも誰も居なかった。同じエイジはかなり前方に行ってしまっていた。完敗だった。追いつく予定だったが、力およばなかった。街中から海岸へ出ると夕陽がきれいだった。なんとか夕陽が沈む前にフィニッシュが迎えられた。
最後はどんなフィニッシュポーズにしようかと考えたが、元気のあるポーズにはならなかった。なんとかやっとフィニッシュを迎える事ができた感だった。時計を止めるとフィニッシュタイムは11時間50分、なんとか12時間は切ることができた。最低線の目標クリアだった。フィニッシュを迎えてくれたのは鈴木、見事に完敗だった。30分以上差をつけられてしまっていた。夏の練習は何だったのか、言葉も無かった。同宿の金野さんは、私の2つ前にゴールだった。差はつまった様だったが、追いつかなかった。更にその前にもう1人、同エイジの人がいた。その昔、厚木の大会に出場したとき、バイク、ランで競り合ったとの事だった。大会後に私の名前をチェックし、私の名前を知っていた。良く憶えているものだと感心した。今回は完敗だった。
ゴール後は動けず、しばらく休んだ後、名物のたらい船の水風呂で体を冷やした。帰り支度をし、バイクを引き取って宿に向かう。ちょうど岡澤さんが帰って来る頃になっていた。しばらくゴール手前で待っていると、元気良く帰ってきた。すれ違ったときとほとんど差は変わっていなかった。6位入賞も当然のような結果だった。あとは宿へ引き上げ、皆の帰りを待った。
9月2日(月)はれ
・閉会式
いつものように、レースの翌日は目覚めが早い。荷物の片付けを始める。朝食後に関谷さんのグループは帰路についた。
9時半から閉会式が行われた。会場へ行き成績速報をもらってくる。年代別4位は惜しい様だが昨日の気力では仕方がなかった。表彰式を最後まで見て帰路についた。壇上の岡澤さんが輝いていた。スイムでは彼女に2秒負けていた。これだけはとても悔しかった。まだまだ力不足を感じた。
|