宗茂語録 ─ 別府大分毎日マラソン --テレビ解説者として宗茂のコメント--
2000年2月6日(日)
優勝:榎木 和貴(旭化成) 2時間10分44秒
2000年2月6日、宗茂氏が別府大分毎日マラソン大会のテレビ解説者として出演した時のコメントをまとめました。一流のランナーでなくとも、レースに臨む者にとって非常に参考になる事を言っています。 時系列で挙げています。一部、榎木和貴本人に対するコメントも含まれています。
- 犬伏(大塚製薬)の日本最高記録(1999年9月ベルリンマラソン 2:06:57)を見て、自分たちも、記録を出せるという気分になってくる。(犬伏のそれまでの自己記録は、2時間12分程度)
- (序盤)先頭集団の流れに乗ってレースをするということは大事である。
- (中盤、疲れが出始め)ちょっと腕が上がってきている。下に下げて走ることは大事。
- (24キロ地点、トップと離れ始め)マラソンはこれから。前を追って走って欲しい。
- やった練習に対して結果を求めて成長する。
- (榎木自身の言葉)長距離ランナーとして、感動を与えられるような立場にある。こんなにうれしいことはない。
- 練習の積み重ねは大事。レースだけが結果ではない。最後まで自分のレースをすること。
- (前と離れて)きついと思うけど、前をきちっと追って欲しい。
- 練習はやっているから、後半粘って行けると思って、前をしっかり追って欲しい。
- あとは、ハートだ。誰よりも強くなるんだという気迫が出てくれば、強くなれる。
- (折り返しを過ぎ、前が落ち始めて)前に出なくてもいいから、しっかり我慢して欲しい。ここまで来たら、前を追って我慢するしかない。
- マラソンは30キロからだ。そこをどう走るかがマラソンランナーの神髄だ。
- 積極性とは、我慢して付いていくのも積極性である。
- ペースは上がっていないが、気分は上がっている。
- (可能性を自分でつかむという)競技に対する考え方、姿勢が大事である。
- (トップが目の前に見え)練習をきちっとやったんだから、という思いで走っているだろう。
- マラソンは3ヶ月かける。目標はレース、その目標があるから練習もできる。
- ここまで来たら、勝たないとだめ。追いついただけではだめ。勝ってひと皮むける。
- 宗茂監督の話は、体験から出ているけれども、不思議と科学的になっている。設定タイムどおりに練習できた。余裕があってもそれ以上ペースは上げなかった。
- 練習をやりすぎると、疲労が残る。もうちょっと頑張れるというところで、練習を終了すると良い。
- とにかく前を追う。
- 榎木の走りには、軽さがある。今まで大した故障は無いが、小さなものを繰り返している。やっと体がしまって走れる様になってきた。
- 抜くときは、一気に抜いて欲しい。
- 思いきったレースをする選手が増えてきた。マラソンで成功するんだという気持ちで臨んでいる。
- マラソンは頭でするんではない。体で走るんだ。
- あとは腕を振るしかない。足には(疲れが)きているので、腕を振って足を前に運ぶしかない。
- タイムが10分台でも1位であるから良い。タイムが悪くても、勝つということに意義がある。
- (遅れ始めたとき)えーぃ、行ってしまえという気持ちが欲しかった。勝ちをあきらめてしまった。
- 優勝できないけれども、我慢してねばっていこうという走りをしていたら、前が崩れてきた。
- 私が30回大会で弟に勝ったとき、最後まで頑張ったなと言われたくて走った。そうしたら勝っていた。
- 走るということは簡単なこと。でも自分の最高の結果を出すのは難しい。
- 新しい選手が次々に出てくる。谷口、森下を別格と思っていたらダメ。
- 目標を持って練習をして、レースをして、いい意味で経験をして(失敗しても前向きに考えれば経験である)、経験を積み重ねて自信へと変えていく。その積み重ねで人間は成長する。
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