第16回 全日本トライアスロン宮古島大会

2000年4月23日 日曜日 天候:くもり時々雨
種目:Swim 3Km、Bike 155Km、Run 42.2Km
記録:9時間54分04秒 総合218位

 Swim53分49秒
T14分36秒
Bike5時間02分30秒
T23分40秒
Run3時間49分28秒

■4月21日(金)
 起床は4時、いちばんの電車で横浜へ、そしてバスで羽田へ、5時40分頃着。6時30分那覇行きのフライト。羽田は何時だろうかと思うほどの人がいる。那覇には9時過ぎに到着。1時間ほど待って宮古行きに乗り換える。11時着、那覇では降っていた雨も、宮古では晴れ。気持ち良く夏の気分になる。登録のため、空港からバスで平良市体育館へ行く。その後はタクシーで宿の東急リゾートへ。チェックインを済ませ一休み、昼食のあとバイクの組立。

 そして本日夜のための買い出し。リゾートに着いた頃から雨が降り出す。一瞬の晴れ間をついて、バイクで買い出しを済ませる。あとは後発のフライト組と合流し、説明会、ウェルカムパーティと続く。パーティを適当に切り上げ、宿に戻り、鉄人の宴会となる。朝早かったせいか、早々に終了となった。

■4月22日(土)
 今日の予定は、スイムの練習とみやげの買い出し、そしてバイクチェック、預託。天気はくもり時々雨、天候には恵まれていない。スケジュールは予定通りこなす。特に問題はない。夕食は6時から早めにゆったりと済ませる。9時過ぎに就寝、明日の起床は4時の予定。小雨が降っているが晴れることを期待して床につく。

■4月23日(日)
 4時起床、本降りのような雨にガックリとする。’99皆生、’99オロロン、2000宮古と3大会連続の雨となり、慣れたものだ。宿がリゾートだけに、雨であってもそれほど不快感はない。朝食を済ませ、準備を進める。5時半の受付開始を待って外に出る。バイクの準備もしっかりとする。特に問題はない。

 大会に臨んでの不安材料は特になかった。バイクの仕上がりも問題なかった。一つだけ困ったことがあった。どこにしまい忘れたのか、キネシオテープセット一式がどこにも無かった。無意識のうちに先に送った荷物の中に入れたかと思ったが、それも無かった。しかし、同室の安川に貰ってなんとか間に合う。で、心配事は特になかった。バイクのセッティング後、一度部屋に戻り、最後の支度をする。耳栓をして、ウェットを着込み、準備万端。6時45分、残りの荷物を持って会場へと向かう。皆、最後の準備におわれている。荷物をセットしているうちに松岡もやってくる。揃ってスイム会場へ入る。まだスタートまで30分以上あった。ウォームアップのためにひと泳ぎしてくる。知った顔に何人も出会う。健闘を誓い合って別れる。

 静かにスタート時間が近づき、7時半、船上からスタートの合図が切られた。いちばん左側、先頭グループに引き続いてスタートする。思ったほどバトルはない。左端を泳いでいたので少し混み合ってきた時には、ロープの外側に逃れた。しばらく外を泳ぎ、そのうち自然に中に入っていた。朝方降っていた雨も上がり、海のコンディションは悪くはなかった。波も無く、水の透明度も全く問題ない。とても泳ぎやすい。

 第一コーナーの目標は大きく、見失うことはなかった。外側を泳いでいたので、コーナーでのバトルもあまり無い。その次の第二コーナーまでは、人の流れにのって泳いだ。それ自体は問題なかったが、コーナーの目標物が見つからず、何度か泳ぎを止めて前方を確認した。だいぶ外側に寄ってしまっていたようだ。コーナーでは内側に入ってしまい、ややバトルとなる。

 第二コーナーを曲がってからも、外側にそれてしまったようで、ダイバーに何度か注意された。どうも、ウェットを着ると左側にそれて行く傾向にあるようである。岸に近いコースのためか、最後は長く感じられた。岸に上がると53分台、まずまずだった。シャワーの下を通り、東急リゾートの庭をトランジッションエリアへと向かう。目の前を小椋よう子が走っていた。彼女には負けたくなかった。トランジッションエリアには既に松岡、川島がいた。川島は考えられたが、松岡が居るとは思わなかった。私の支度が終わる頃に松岡は出ていった。そのうちに、まわりの山口や安川なども上がってきた。とりあえず、川島よりも先に出ていく。

 バイクに乗ったのは、58分台、前回よりは1分半ほど早かった。バイクにも特に不安な材料は無かった。ひと月前の千葉合宿でもしっかりと走れ、練習量もまずまずだった。前に行くのは松岡だけ。最後まで一緒のレースというのはあまり無いので、松岡がレースでどんな走りをするのか、よく判っていない。なるべく早く追いつきたかった。追いつけるつもりで走っていた。スイムを上がった順位は不明だが、バイクで走ると前方にたくさんいる。ペースも悪くなさそうなので、置いて行かれないように付いて走る。少しずつ順位は上がっていく。雨は降っていないが、風が強い。ほとんど向かい風の状態が続く。始めのうちなのでまだ辛くはない。ライディングフォームに気を付けながらペダルをこぐ。

 平良市内まで行くと応援も出てくる。それ以外は残念ながらほとんど人影がない。バイクコースでは仕方がないだろうか。西平安名崎で最初のすれ違いがある。松岡とはすれ違わないと思っている。後方がどれ位いるのかわかるが、鉄人メンバーとはすれ違わなかった様だ。後ろから誰か追い上げてくることも考えられなかった。いるとすれば山口くらいだったが、山口も最近のバイク練習では勢いは無かった。まず後ろからは来ないだろうと思っていた。前にいる松岡との差だけが心配だった。次の東平安名崎に行くまで、松岡との差は判らない。追いつくか、後ろ姿は見ておきたかった。

 池間島を回ったあと、東平安名崎へ向かう道のりがバイクコースの中では一番辛いところのように感じる。前回はそこで先行した中村に追いついたが、松岡はそうはいかなかった。補給だけはしっかりと取っていたので、エネルギー切れの心配は無かった。雨も降っており、脱水もあまり心配する必要は無かった。全体を通し、バイクでのエイドはほとんど利用しなかった。後半、やや気温が上がってから、体にかける水を取るくらいだった。

 アップダウンを繰り返し、東平安名崎へと向かう。松岡との差がどれ位になっているか楽しみだった。きっとすぐ前にいるだろうと思っていた。私も一度小便タイムを取ったが、同じように、松岡らしき姿を前方に見た気がした。東平安名崎でもなかなか松岡は見えなかった。やはり、すぐ前かと思ったところ、ループ状の出口でやっとすれ違う。2~300m位の差と思った。なんとか追いつける差だった。次のすれ違いは来間大橋だった。ここでも松岡はなかなか来なかった。そろそろ折り返しという頃にやっと出会う。ほとんど差は変わっていない様だった。レース後、二人の差を確認していた山口は、少しずつだが、差が広がっていたと言っていた。

 こうなると、落ちてくるのを待つしかなかった。こちらも辛いが、相手も辛いところだろう。すぐ横には東急リゾートも見えている。もう100キロ来たことになる。残りは55キロ、もうひと乗りというところだ。しばらく風向きは良かったのだが、再び向かい風になる。腰が痛くなり、ストレッチを繰り返す。DHポジションも辛くなり、ノーマルな乗り方に変えていく。

 2周目になると、雨は完全に上がったようだった。気温も上がってきて、体にも水をかけるようにする。まわりの選手も疲れてきているようで、集団で走るようになり、先頭を引くローテーションも自然に出てくる。池間島をぐるりとまわってくると、残りもだいぶ少なくなり、自然と元気が出てくる。しかし、松岡は見えて来ない。残り5キロあたりで、島の周回道路からフィニッシュへ向かう道へ入っていく。まわりは完全に次のランの準備に入り、ドラフティング状態になっている。初めてのコースに無理せず、軽く着いて行く。雨は完全に上がっており、陽も差し始めていた。暑くなることも予想された。バイクゴールは、トータルで6時間と少し。風の影響か、予想したより、ややバイクタイムは遅かった。

 さっさと着替え、ランに移る。しかし、5本指ソックスだけはいつものように履く。出だしに不安はなかった。ややふくらはぎに張りが感じられたが、そのうち無くなるだろうと思っていた。スタートしてすぐ、市街地に入る前に一度トイレタイム。着替えのテントの中には、松岡は見えなかった。私のペースは、いつものように、悪くはなく、そのうちに会えるだろうと思って走る。一昨年とは市街地でのコースが変わっており、商店街の真ん中を通るコースになっていた。応援も多数あり、元気づけられた。

 空港脇の道路に出てからは、コースは変わっていない。東平安名崎に向かう道路の手前に、5キロ地点。ここが帰りには、頑張りどころの残り5キロ地点となる。5キロは25分、いいペースで走れている。無理をしているペースでもなく、先のタイムに期待が持てた。松岡を捕らえるのも時間の問題だろうと思った。時折陽が射し、暑くなって来る。エイドでは、水、コーラ、スポンジをもらい、補給と体を冷やすのに使う。張りのあったふくらはぎも、自然に解消していた。

 バイクは前回よりも速く、全体的に見ても、早そうな気配はしている。まわりのランナーのスピードも私と変わらず、ごぼう抜きというわけにもいかない。順位は上がっていかないが、ペースはまずまずというところ。10キロでのラップも25分台、調子よく走れている。10キロを過ぎたあたりから、お腹が張ってきた。どうもおならだけではなさそうな気配。ガソリンスタンドの前に、トイレの看板。決意してトイレに入る。すっきりして出てくると、ペースも再び上がった。

 15キロのラップは、トイレの分があったからか、28分、まずまず。もう松岡が見えてもいい頃だろうと思うのだが、影も見えない。ひょっとしたら、後ろにいるのかとも思い始めていた。二人のスピード差を考えると、こんなに追いつかない訳はないと思っていた。20キロ手前で、松本晴美が追い抜いていった。今頃来たかと言う感想、皆生の時は、バイクの中間で抜かれていた。ゆるやかな長い坂を上りきると、20キロとなり、最後のエイドも見えてくる。

 折り返しももうすぐ。折り返し手前の最後のきつい坂と思って登り切ったら、あるはずの折り返しが無かった。平良市街のコースが変わったために、折り返しも先に延びた様だった。以前の折り返しが有った先を右折してすぐに声をかけられた。松岡だった。危うく見逃すところだった。折り返しまで追いつかないとは思っても見なかった。よほどいいペースで走ったのかと思ったが、そうではなかった様だ。バイク後半で、だいぶ差がついたらしい。その結果だった。差はおよそ200mと見た。もう追いつくことは間違いなかった。半分までエイドでは、コーラ、水、スポンジをもらっても、止まることは全くなかった。その必要性も感じなかった。このまま最後まで行けそうな雰囲気だった。

 折り返してから、山口、安川、そして目の前にやっと松岡が見えるようになって、松野とすれ違う。そして、25キロを過ぎたあたりでやっと松岡を捕らえる。松岡は、後ろからのランナーがかなり気になっていたようだった。しかし、私が追いつくことで、その心配も無くなったようだ。しかし、私が並ぶと、松岡もペースを上げる。併走する気のようだ。そのまま4キロほど併走し、30キロ地点まで来た。松岡もだいぶ無理をしたようで、そこで力尽きた。あとは私が先行、しばらく後ろにいたようだが、私が上り坂で頑張り、引き離す。あとはもう、足音も聞こえなくなった。

 30キロを過ぎ、私のペースもやや落ちたようで、25分ではカバーしきれなくなっていた。しかし、エイドでも止まってはいなかった。35キロを過ぎても、調子は変わらなかった。残り5キロの手前で左折。空港方面へと上っていく。もう先は見えてきた。なんとか10時間は切れそう。ランタイムも、3時間50分程度でおさまりそうだった。復路はややペースダウンし、2時間かかった。

 スタート直後に通った街中を、今度は、もうすぐゴールと思いながら通過する。コース上で、ここの応援がいちばん多い。励みになり、うれしい。残りは3キロほど、街中を、右、左に曲がりながら、競技場へ向かう。なかなか簡単には着かないが、もう安心して走っていられる。しかし、ペースはぐっと落ちていた。後ろからのランナーに何人も抜かれてしまった。競技場が見えてきて、まわりのランナーもゴールの調整をする。気持ちよくゴールできそうだった。10時間も余裕で切れそうだ。重い足取りだが、しっかりと走り、ゴールインとなった。目標であった200番以内には少々及ばなかった。218位、奇遇にも、初めて出場した時と同じ順位だった。タイムは30分近くは向上していたが。

 しばらく待った後、松岡がゴール。体育館でシャワー、マッサージを受け、我がクラブのメンバーの帰りを待った。全員ゴールの後は、リゾートに帰り、皆で祝杯を上げた。

■4月24日(月)
 朝はバイクを引き取りに体育館へ。引き続き、天気は良くない。タクシーで往復し、バイクの分解中も雨にたたられる。アワードパーティは3時から、それまでしばらくホテルでのんびりする。アワードパーティも最後までのんびりと堪能する。

 帰りの飛行機は、夜7時25分東京行き。しかし、30分ほど遅れ、8時頃の出発。家に着いたのも、12時をまわっていた。楽しいレースツアーとなった。

 パックツアー:10万円
 荷物輸送費 : 1万円
 交通費、食費: 4万円
 参加費   : 2万9千円
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 合 計   :18万円


  
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