2000 Ironman Hawaii World Championship
2000年10月14日 土曜日
種目:Swim 3.8Km、Bike 180Km、Run 42.2Km
記録:12:55:36 総合1120位
Swim 1:26:52(1327)
T1 4:39
Bike 6:53:11(1251)
T2 6:22
Run 4:24:32(915)
ツアースケジュール
10月11日(水) 晴れ | 20:40 | 成田発ホノルル経由 | NW22,HA507 |
13:00 | コナ着 | |
13:00~ | 競技説明会 | 日本語 |
10月12日(木) 晴れ | 9:00~ | レースギアチェックイン | |
18:00~ | カーボパーティ | |
10月13日(金) 晴れ | 12:00~ | バイクチェックイン | レースナンバー前半 |
14:30~ | バイクチェックイン | レースナンバー後半 |
10月14日(土) 晴れ | 7:00 | レーススタート | |
10月15日(日) 晴れ | 8:00~ | バイク、レースギアピックアップ | |
18:00~ | アワードパーティ | |
10月16日(月) 晴れ | 7:40 | コナ発ホノルル経由 | HA,NW21 |
10月17日(火) 曇り | 14:00 | 成田着 | |
■10月6日(金)
明日から3連休。バイク、箱根、バイクと最後の本格的な練習。ハワイまであと一週間、やはり特別な大会か、あるいはいつもの大会と同じか、それなりに期待はある。とりあえずは、明日の朝のバイク練習、早く寝ることにする。帰ってきたあとは、バイクパッキングの予定。
■10月10日(火)
今日は、3連休のあと1日だけ出勤。塚越、中村、安川は今日出発して行った。明日は成田からハワイ・コナに向けて出発。今、高橋尚子のマラソンビデオが流れている。高橋はいいレースができた。私もいいレースができるよう、ハワイで楽しんで来られるよう頑張るつもり。明日が楽しみ。
■10月11日(水)晴れ
成田出発は20時40分、NW22便。集合18時50分。家は午後3時頃出発、本牧から高速、羽田を経由し成田へと向かう。4時半頃には空港近くの駐車場に到着。車を置いて、5時頃空港着。特に何もすることなく待機。チェジュで顔を見た人達がたくさんいる。近所の鈴木も同じツアー。6時半頃に全員集まり、ツアー同行の添乗員後藤氏の説明がある。チケットをもらい、バイクケースのチェックをする。チェジュの時と同じようにエアボンベがチェックされたが、そのまま持ち込む。あとは飛行機の出発の20時40分に間に合うように自由行動。飛行機も特に問題なく定刻出発。フライト時間はおよそ7時間半。現地(ホノルル)着は日付変更線を越え、1日逆戻りして、11日の朝9時。
■ハワイ 11日
ホノルル着は9時過ぎ。通関や手荷物を再度預けて、空港の外に出たのは10時少し前だった。ホノルルはやはり暖かかった。初のハワイだったが、感動するところではなかった。ハワイアン航空に乗り換え、コナに向かうのは11時50分。それまで少しのんびり。ハンバーガーで朝食を取る。あとは空港内を散策する。飛行機に乗り込んだのは定刻だったが、出発がかなり遅れ、ホノルルを飛び立ったのは12時をだいぶまわっていた。天気は良く、ワイキキ、ダイヤモンドヘッドなどがよく見えた。飛行機からの景色はきれいだった。1時少し前にハワイ島コナ空港に到着、あこがれのコナ到着だった。途中、バイクコースと思われる島の西側もよく見えていた。
空港に着いたら、思いがけず、塚越、中村、安川の出迎えがあった。競技説明会が有るため来ていないだろうと思っていたら、中村さんの顔が見え、うれしかった。3人とも説明会には出ないようだった。特に問題は無いらしい。私は説明会の時間には間に合わないと心配していたがほっとした。競技についての説明は、同行の山本光宏さんが行ってくれた。注意することは、ドラフティングくらいであった。宿であるキンカメホテルには、2時少し前に到着。すぐにチェックインでき、引き続き、レースの受付を行う。パスポートとホテルのルームナンバーが必要だった。ひと通り手続きを済ませたあと、部屋でひと休み。
夕食は昨日から来ている3人と一緒に、散歩がてら少し離れたレストラン「デニーズ」へ。日本のデニーズとは、かなり違っていた。ボリュームも2倍くらいはあり、食べきれなかった。これで今日のスケジュールは全て終了。ゆっくりと休む。
■10月12日(木)晴れ
起床は6時頃、朝はレースのスタートと同時刻の7時に、スイムスタート地点のカイルアピアで軽く練習の予定。あこがれのカイルアピア、アリイドライブを軽くジョグ。みやげ物屋、ショッピングセンターの並ぶロイヤルコナリゾートあたりまで行って戻ってくる。戻ってきてスイム準備をしていると3人が出てくる。スタート地点を30分ほど軽く泳ぐ。あとは、会場周辺で、アイアンマングッズをいろいろと手に入れる。
朝食のあと、昨日用意しておいたレースギアを早々とチェックイン。そのため、バイクシューズやランニングシューズは2セット用意してきた。レースのエントリー会場は全てキンカメ内となっており動きやすい。ホテル内では英語が飛び交っていて多少とまどってしまうが、たどたどしい英語で何とか切り抜ける。
私はその後、バイクを組み立てる。他の3人とは別行動となった。また、応援の丸山さんが日本から到着。4人は観光へと出かけて行った。私はバイクのメーターの調子が悪く、念のためメーターの電池を買いに出かける。結局後で判ったことだが、テレビのそばでメーターを動かしていたための様だった。メーター自体には全く問題なかった。ドラッグストアで電池を買ったあと、空港まで軽くバイクライド。今度は前輪のスポークの張りがゆるいようなので、バイクショップのB&Lで調整してもらって$12。
ホテルに戻ってからは、アイアンマンエキスポへ行って、商品のサンプルなどを貰う。おみやげ用として使えそうなステッカーやボトル、Tシャツなどいろいろゲット。
6時からカーボパーティ。5時半頃から入場し、前の方の席を確保する。パーティの演出は素晴らしく、さすがにアイアンマンチャンピオンシップだと感動した。ついにハワイにやって来たという思いが更に増した。8時過ぎにはパーティも終了。その後は、丸山さんの部屋に戻り、ビールとワインでハワイの地へ来られたことを祝う。
■10月13日(金)晴れ
朝は前日と同じように、カイルアピアで水泳。昨日と違って、既に少しずつ準備が始まっており、小さなサービスはない。ゲータレードが出ているくらい。5人で軽く泳ぐ。その後はホテルで朝食をとり自由行動。丸山さんと二人でアリイドライブを散歩。映画にあったフォレストガンプの、ババ・ガンプ・シュリンプ・カンパニー・レストランで昼食。シュリンプパスタとコナビールを美味しくいただいた。レストランは海岸線にあり、景色も良く、海風が涼しかった。
ホテルに戻ってからバイクチェックインを済ませる。このあたりは、普通のレースと変わりなかった。アイアンマンのステッカーを貼ってくれる以外は。これでレースの準備は全て終了。あとは自分の体がレースに向かうだけ。
コナに着いてレースの準備をしていて思ったこと。それは、ボランティアの数がとても多いこと。そして、選手のために力を尽くしてくれる。これがアメリカ人の気質というものか、また、アイアンマンという選ばれた人のためか、何れにしても、素晴らしい大会ということが充分理解できた。きっと大会当日はもっと素晴らしいだろうと思う。
夜は、カーボローディングということで、近くのレストランでスパゲティ、毎度の事ながら、量は大盛りと言わなくても、日本の倍くらいの量を持ってくる。明日はレース、8時過ぎには床につく。起床予定は3時半。
■10月14日(土)晴れ
3時半に起床。コナは山の陰になっているためか日の出は遅い。まだ暗い中、既にピアでは人々が動いている。レース当日、みんなレース開始に向けて動き出している。前日買っておいたおにぎり、サンドイッチ、ジュース、ヨーグルトで早々と朝食を済ませる。
準備
受付は5時から、10分ほど前に外に出てホテルの前の列に並ぶ。しばらく待たされ、桟橋内の受付会場に入場。まずレースナンバーを記入するために列に並ぶ。こちらもしばらく待たされる事になった。その後は、自分のバイクのところへ行き、準備をする。まだ暗いため、サポートのボランティアがライトで明るく照らしてくれる。空気を入れ、カーボショッツなどをセットする。ヘルメットとサングラスも用意する。スタート前に食べるバナナも1本用意した。これで準備は完了、5時45分頃だった。
いったん部屋に戻り、最後の準備。鎌倉の遠泳大会ではウェットなしで泳いで、寒かったり擦れたりしたので、たっぷりとワセリンを塗る。しかし終わってみれば、これも余計な心配だった。
6時20分、すぐにもスタートできる姿で部屋を出て、スタート地点へと向かった。もう既にあたりは明るい。狭い入り口が人であふれている。軽くウォームアップをしに泳いでくる。あとは暫く待ち。そのうちに、塚越、中村、安川もやってきた。うちの近所の鈴木とも出会う。みんなと健闘を誓い合う。5分ほど前にスタートラインに向かって泳ぎ出す。水がやや冷たく感じたが、そのまま一番左端の船のそばまで行き、とりあえず後方に並ぶ。
スイム
スタートの合図は何だったか、緊張していたのか、覚えていない。皆がスタートした後からついていく。時計のスタートの仕方も忘れていた。1キロほど泳いで思い出した。20分ほど遅れて時計が動き出した。泳いでいて、問題は何もなかった。水は透きとおり、まわりを泳ぐ人の姿もよく見える。冷たいことなども全くなかった。ただただ、ひたすらまっすぐ泳ぐだけ、簡単だった。もうそろそろいいだろうという頃に、前方にカラフルな帆のヨットが見えてきた。それが折り返しのヨットだった。チェジュのように難しいことを考えることもなく、もう一度ヨットを廻って、あとはキンカメを目指して泳ぐだけだった。途中、水中にカメラを持ったダイバーが居たが、手を振る余裕までは無かった。
前方にホテルやゲータレードの大きなバルーンが見えてきて、やっとゴールとなる。桟橋に上がるのに、まわりに体の大きなアメリカ人がいたので、しっかりと支えてもらう。そのまままっすぐ進み、バイクギアを受け取り、着替えテントへ入っていく。テント内にもサポートがたくさんいる。サポートを受けながら着替えを済ませ、外へ出る。バイクまではやや遠いので、バイクシューズを手に持って、裸足で走る。まだバイクは沢山あったような気がしたが、順位からするとずっと後ろ、残りは200台位しか無かったことになる。中村のバイクは、既に無かった。バイクのところでも2人のサポートが既にバイクを持って待ちかまえている。アイアンマンのサポート体制、あるいは一般の人の大会への意気込みが感じられる。お礼を言って、バイクを持ってスタートする。
バイク
桟橋を出てキンカメの前へ出ると、応援がすごい。元気が出てくる。これから行くぞという感じになってくる。ハイウェイへ出るまでの坂にもたくさんの応援がいる。やはり日本人の日本語の応援を聞くとうれしい。子供らも丸山さんも坂の途中で応援してくれていた。坂をのぼり、クイーンKハイウェイに出ると、バイクの列がずっと続いている。スイムで取り残されたという気は全くなかった。順位は判らないが、まわりにはたくさんいるという感じだった。バイクはきれいに一列に並んで、ずーっと先まで続いていた。
エイドは5~10マイル間隔くらいで設置され、充分にあった。スタート直後はそれほど暑いとは感じなかったが、陽が高くなるにつれて、どんどん日差しは強くなっていった。空港を過ぎ、その先のワイコロアリゾートあたりまでは順調に進んだが、やがてコナウィンドが吹き出した。下りでも全くスピードは出ない。常に前や横から、山からの風が吹きつけていた。上り坂となっては、いちばん軽いギアでなければ上っていけなかった。
クイーンKからワイクイの三叉路を海側に曲がって、折り返しのハウィへ向かう。ここから先は、今度は常に山から海に向かって風が吹きおろしている。向かい風ではないが、横風で吹き飛ばされそうになる。しっかりとハンドルを持ち、体を斜めにして風に耐える。こちらも海沿いで、景色はいいが、アップダウンと強風に悩まされスピードは出ない。一時間くらい風とたたかっていたような気がする。
先頭とすれ違い、だいぶ折り返しに近づいて来たところで、塚越を発見。折り返しまでは、まだ7~8キロはあった様だった。しばらく走ってから中村、折り返しまで4キロくらいだったか。そして私の折り返し、やっと向かい風から解放される。バームを入れたボトルと、バナナのスペシャルフードバッグを折り返しの先でもらう。あとしばらくは、下り、追い風、しかし、海に向かって吹く横風は相変わらずだった。山から下ってきたような感じで、ワイクイの三叉路を右折してコナの街を目指す。
向かい風ではなくなり、スピードも普通に出る。しかしアップダウンはやはり数多い。ワイコロアリゾートあたりではいい風が吹いていた。気持ちよくスピードが出ていたが、これも長続きはしなかった。溶岩の中の1本道でアップダウンの感覚も薄れ、後半はきついバイクコースだった。見慣れたコナの街に入っても、まだ10キロほど残っている。なかなかゴールまでたどり着かなかった。
ケアウホウがバイクフィニッシュ。だいぶ手前で、走る塚越に出会い、さらに最後の坂の手前で中村に出会う。中村とはだいぶ離れてしまっていた。最後のきつい坂で、丸山さんの応援をもらいバイクフィニッシュへと向かった。体にはかなりダメージが来ていた。やっとバイクが終わったという感じだった。バイクは終わったものの、ランが走れるか心配だった。テントの中でもらった冷たい水がとてもおいしかった。ゆっくりと着替えて、ランスタートへと向かう。しかし、なかなか走り出せなかった。
ラン
走り出してすぐ、きつい坂が待ちかまえていた。しばらくはペースがつかめぬまま、ゆっくりだがなんとか進んでいた。我慢して走るしかなかった。一度坂を上りきり、コナとは逆方向へしばらく行って同じくらいの下り坂。下りきったらすぐ折り返して、それを再び上ってくる。こんな坂はたぶんこれだけだろうと思い、ゆっくりとのぼる。そのうちに元気そうな安川。バイクの折り返しですぐ後ろにいた安川との差も、あまり変わっていなかった。ひょっとしたら、追いつかれるかとの思いもよぎる。
バイクで上ってきた坂を下り、コナへ続くアリイドライブを行く。エイドは日本のようにテントもテーブルもなく、人からのコップの手渡し。休もうにも休むところもない。仕方なく、走りながらコップをもらって走り続ける。ビスケットやGUなど、食べたくもないものがエイドに置いてある。オレンジが欲しかったが、残念ながら無い。しかしやはり救いは1マイル毎にあるエイド、少しずつだが元気も出てくる。もう大半の選手が行ってしまったためかエイドも元気が無い。とりあえず氷と水を貰い、帽子に氷を入れ、水を体にかける。
ようやくコナの街まで帰って来る。やっと10キロ。これから10数キロ先までの往復。しかし、既にバイクで行っている所なので不安感などはない。コナの街での日本人の応援がうれしい。クイーンKへ出る坂道では家族の応援もあった。元気よく行きたいところだが、坂道だけにスピードは出ない。クイーンKに出ると、もう応援もなくなる。早い方のグループが少しずつ帰ってくる。こちらはあと30キロ近い距離が残っている。しかし、そんなことは考えず、ただ一歩ずつ先へ歩を進めるだけ。
そろそろエナジーラボも近くなってきた頃、折り返してきた塚越、その後に鈴木とすれ違う。エナジーラボの入り口も見えてきて、陽もだいぶ傾いてきた。13マイル地点のエイド、ちょうど半分の所でライトスティックを手渡された。もうこれから暗くなるからか、仕方がなかった。走りのペースは、ハイウェイに入ってから特に変わりはない。とりあえずは気持ちよく走っていた。陽も傾き、だいぶ涼しくなっていた。エイド毎にもらっていた氷も要らなくなった。エナジーラボの入り口のエイドでは、暖かいスープも用意されていた。
入り口から海に向かっている下り坂で、正面に太陽が見えた。日の入りも、もう間もなくだった。カメラマンがランナーと日の入りを狙っている。いい写真が撮れただろうか。正面に沈みゆく太陽を見ながら坂を下っていく。いかにもハワイに居るという思いで走り続ける。陽が入り始めたら、太陽が消えるまではあっという間だった。あとは暗くなるだけ。
走り出して、ずっと腹が張っていたのだが、遂に折り返しのトイレに入る。すっきりした気持ちでコナのゴールを目指す。残りは10マイルほど、1時間半ほどでゴールだ。しかし、もうまわりはすでに暗い。折り返しに向かってくるランナーの顔も、もうわからない。自分の世界で走るしかない。ハイウェイに出たらまわりは真っ暗、あかりはエイドに行くまでの間何もない。時折、正面からライトスティックの明かりがやってくる。ほのかな明かりでまわりがボーっと明るい。エイドを一つ迎えると、残りも1マイルずつ減っていく。まわりが暗いために競う相手もなく、自分の世界の中で1つずつエイドを迎える。コナの街に出るのに、ハイウェイから右に折れていく少し手前に何軒かのお店があったはず。少し上りになって、お店は下の方に見えていた。その上り坂が待ち遠しかった。
満月に一番近い土曜日のはずだったが、残念ながら月明かりは無く真っ暗。左手の上の方には少しばかりの住宅街か、明かりがきれいだ。こんなに暗い中のレースは初めて。落ち着いて走る事ができる。ゴールでの歓声を思うと、この静けさはうそのようである。やっと右手前方に店が見えてくる。道も上り坂、もう間もなく右へ折れる入り口がある。もうすぐだという思いが大きい。坂を下ってしまえばもうすぐだ。往きの時には坂道にも応援がいたが、帰ってきたときにはもうパラパラになってしまっていた。時折、日本語が聞こえる。やはりうれしい。やっと仲間の応援が聞こえてきた。丸山さんがわざわざ先回りしてゴール前へ行ってくれる。
もうすぐだろうと思っているが、もう一度右折する道までが遠い。アリイドライブまでが遠い。やっと最後にアリイドライブへと下る道へ右折していく。だいぶ応援も増えてきた。そろそろ、あこがれのアリイドライブ、フィニッシャーの花道。どんな思いになるか、心配だった。まともに走れるだろうか、いろいろな思いはあったが、まわりの応援に後押しされて、どんどんスピードが上がっていった。感傷に浸っている間などはなかった。
フィニッシュ
ゴール手前の大きな木、名前はわからないが、アイアンマンでは必ず写真に写る木、あこがれの木だった。そして、あこがれの道だった。この下を、丸山さんに手渡された日の丸を掲げ、勢いよく駆け抜ける。花道のまわりは人でいっぱい。大歓声がわき、声援がかかる。気持ちよく、日の丸をなびかせて、ゴールを目指した。ここも長かった。なかなかゴールは見えなかった。前方に明るく光るフィニッシュラインが見えたとき、ついにアイアンマンのフィニッシュを迎えたと思った。
いくつもレースに出たけれど、やはりこれが最高のトライアスロン、アイアンマンのフィニッシュだった。ついにアイアンマンのフィニッシャーとなった時だった。感激の涙は出なかったけれど、精一杯やったという喜びでいっぱいだった。すぐに二人の女性に支えられ、最後の手続きへと向かった。タイミングチップを外すところまで私の様子を気遣いながら付き添ってくれた。そこまで行くと、今度はまた違うサポーターが出てきた。写真は?、Tシャツを貰える、マッサージもある、何か飲み物は?、親切にしっかりと案内してくれた。最後に行ったマッサージでは、気持ちも良かったのか、疲れていたのか、いつの間にか寝入ってしまっていた。終わったところで起こされ、気持ちよくレースを終えることができた。
しかし、これでアイアンマンは終わりではなかった。中村さんから聞いていた最後のゴールの花道を見ないわけにはいかなかった。シャワーを浴び、再び外に食事に出かけ、そのあと、大いに盛り上がっているゴール前の人の群れの中に入っていった。制限時間の12時まで盛り上がったまま、最後のフィニッシャーを迎え、大会は終了となった。
■10月15日(日)晴れ
いつものようにやはり早く目が覚めてしまう。ホテルのまわりには、まだ昨日のレースの余韻が残っている。朝早くから、片づけの人達も働いている。 Race is over. All finisher is winner. そんな言葉が浮かんでくる。
8時にキンカメの前を近ツリのバスが出る。それに便乗させてもらい、バイクゴールの、ケアウホウへ向かう。バイクとレースギアのピックアップがある。あとは、日本と同じように、ゴールやレース中の写真販売もある。1セット3枚で$30、追加の大きい写真は1枚$10、日本とほぼ同じような値段だった。帰りはバイクに乗って10キロほどの道のりを帰ってくる。レースでなければ、とてもきれいに映る。天気もとても良く、昨日の辛さがうそのようだった。
バイクを持ち帰り、分解した後は、のんびりフリータイム。子供達と散策、ショッピング、昼食を楽しんだ。最後ののんびりした時間だった。ホテル内のアイアンマングッズ売り場で、フィニッシャーウェアなどの販売があったが、昼頃に出かけていったら小さなサイズは売り切れていた。これは残念だった。
アワードパーティは6時から、会場はホテル裏手の駐車場。早々に並んで、良い席を確保する。開場と同時に食事ができる。アワードパーティでは、ビールも提供された。ゆっくりとレースを振り返りながら、食事ができた。6時半頃から表彰式が始まる。エイジ別にスムーズに進行していく。私のエイジの45~49歳の部では、城本が見事優勝だった。エイジの表彰が終わった後にトップ10の発表と表彰が盛大に行われた。優勝はピーター・リード、女子はナターシャ・バドマン。パーティの最後は、花火が打ち上げられ、アイアンマンワールドチャンピオンシップの最後を飾った。
■10月16日(月)晴れ
コナ発は7時40分、ホノルル行き。起床は4時過ぎ、朝早く荷物を集めに来て、集合は5時半。レースと同じくらいに早くてつらいが、仕方がない。コナ空港で1時間ほど待たされ、ハワイアン航空でホノルルへ向かう。朝早いので、遅れもなく時間通り。ホノルルに8時半頃、そして、通関やバイクケースのチェックインを行い、9時過ぎに手続き完了。あとは、最後のハワイを味わっておしまい。ハワイ時間、11時にホノルルを出発。
■10月17日(火)曇り
日本時間の17日、14時に成田到着。往きほどつらいフライトではなかった。通関等が終わって、空港を出たのは3時半頃。その後はスムーズに運び、家の到着は5時半頃。楽しいハワイアイアンマンツアーとなりました。あとに残ったのは山のような洗濯物とクレジットカードのレシートでした。
ツアー費その他 :50万円(5泊7日×3人)
現金 :10万円($900)
クレジットカード:6万円
レースエントリー:5万円($355+α)
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