第10回大田原マラソン

1997年11月23日(日・祝)
記録:2時間56分51秒
順位:総合101位/851人

 5Km 20:24 20:24 
10Km20:2940:54
15Km20:441:01:38
20Km21:271:23:05
21.1Km1:27:401:27:40
25Km20:471:43:53
30Km20:162:04:09
35Km20:382:24:48
40Km22:002:46:48
42.2Km10:032:56:511:29:11 (+1:31)


 久々の快走、久々のサブスリー達成。気持ちのいいレースとなった。大田原マラソン、名前も聞いた事がなかった地名、レース、初めて訪れる場所である。

 朝5時半待ち合わせ。ここから車で250キロほど、高速を使い3時間ほどで到着してしまった。スタートは10時40分、ちょうど2時間ほど前。余裕とは言えないが、まずまずの時間帯である。すぐに受付を済ませ、スペシャルドリンクを用意する。10、20、あとは5キロ毎に計6ヶ所置く事ができる。そのうち10キロを除いた5ヶ所にボトルを置いた。中身は、20、30キロは、バーム+オンザゴー、更に外にテープでカーボショッツを付けた。25、35キロはバームとカーボショッツ、40キロは薄めのバームだけにした。

 この大会は昨年松野、松岡が出場しており、記録の出やすい大会との触れ込みだった。そのとおり、フルマラソンの参加者は1000名ほど、コースもフラットな周回コースを2周という条件の良いレースである。スタートの位置も10分前でも十分良いポジションを確保できる。そういう事で、暫くのんびりした後、1時間前から軽くアップ、トイレも並ばずにすぐ行く事ができた。そのお陰で十分な準備ができた。

 スタート10分前には着替えを済ませ、トラックの第4コーナーのスタート地点へ向かう。既に300人程度が並んでいたが、陸連登録者のすぐ後ろ、前から3mくらいのところに並ぶ事ができた。開会式は9時半頃に行われており、スタート直前には何も無かった。今回はスタートにあたり特に何か考える事などは何も無かった。初めての大会であり、昨年サブスリーを逃している事もあり、挑戦者のつもりでただ無心でぶつかって行くだけだった。コース図なども全く見なかった。

 10時40分に定刻スタート。競技場内で1周と3分の1を走ってロードへと出て行く。やや外側にコースを取り、ストレス無く出て行く。400mは1分40秒、1キロに直すと4分10秒ペース、ちょうどいいペースだった。いちばん心配だったスタート時の混乱も全く無く走り出す事ができた。

 ホームストレートから右へ折れてコースへと出て行く。全く知らないコース、人の後を付いていくだけである。競技場から続く道路を右折し、一般道へと出る。そこからもう一度左折、そして右折を繰り返し、周回道路へと出た。周回コース上で10キロの部の折り返し地点があったが、そこはまだ5キロ地点ではなかった。そのあたりだったか、後ろから塚越が抜いて行く。スピードが全く違い、付いて行く事もできない。また距離が進むにすれ、後ろからどんどん抜かれて行く。10キロ、15キロを過ぎても抜かれ続けた。3時間を切れるのはごく僅かな筈なのに、よくみんな飛ばして行くなと感心した。殆どは途中で落ちこぼれてしまうだろうにと思った。

 やっと5キロのチェックポイント、20分24秒で通過。もう少し良いタイムを期待したが、まずまず問題は無い。これくらいでちょうどいいだろうと思った。同じ様なペースで先へと進む。

 気象コンディションは特に問題なし。風が吹いているお陰で、追い風のところでは暑いくらいである。着けていた手袋は早々にしまった。5キロ地点の先で左折、風は変わり、本当に追い風、暑く感じられた。7キロくらいのところにスポンジ、早速取って冷やす。女性のランナーも後ろから追い付いて来た。本当に速いのか分からないまま暫く並走する。

 9キロあたりだろうか、左折。今度は完全に横風。初めて風の強さを体で感じた。横に押し流されて行ってしまう。なるべく人の陰になる様に努めた。そして10キロ、20分29秒。やや遅いもののまずまず。だいたい20分30秒が最低ライン。暫く行って今度は右折、再び追い風になる。周りに何も無く今度は本当に速い。どんどん押されて行く感じ。が、調子に乗って飛ばすような事はしなかった。自分のペースを守った。

 そろそろ15キロともなり、体は疲れが出始める頃。15キロ地点の記憶はあまり無い。20分44秒、1時間01分38秒、やや遅いという感じがする。しかしまだ焦りは無い。15キロを過ぎ、左折すると本当の向かい風。だいぶ強く、吹き飛ばされそう。しかし完全な吹きさらしは200mくらい。暫く我慢すれば小学校の陰になり、風が少しは楽になる。そこに15キロの給水。2周目では35キロのスペシャルが待っている。

 向かい風を受けるのは2~3キロといったところ。何回か角を曲がり、大通りへと出る。20キロ地点は21分27秒、かなりペースダウンしてしまった。向かい風の影響は大いにあったと思うが、気が抜けてしまっていた様な気もする。その先、最初のスペシャル。バームにオンザゴーを溶かし、更にボトルにはカーボショッツも付けておいた。このままではいけないと思いながらも、どうすればいいのか分からないまま、暫くは周りに合わせて力の無い走りをしていた。2周目にも入り、1周目に通ったところを思い出しながら走る。

 コースも分かってきたが、そのうちに途中で抜いた何人かに抜かれ始める。このままずるずると落ちていったのでは昨年と同じ様な事になると思い、ちょうどいいペースのランナーに暫く付いて行く。ランパンの後ろには大きく名前が入っていた。7021番、加藤氏、39歳、宮城県からの参加である。いいペースで走っている。自分で感じるペースとしては、元のペースに戻った様な感じ。このまま行ければいいとは思うが、どこまで行けるかは全く分からない様な状態。しかし、いいペースなのであまり先の事は考えず付いて行く。25キロ過ぎの角で彼から声を掛けてくる。『目標は?』と聞かれ、『3時間』とすぐに答える。同じ様な目標の様だった。

 25キロは20分47秒。向かい風の時よりペースは上がり、良いペースに戻った。これも彼のお陰。再び風向きが変わり、殆ど追い風。これでペースが上がったか、いつもならいちばんきついところへ来て、ペースが上がってきた。後ろに付いて行くのも精一杯なのだが、目標があるためか、不思議と付いて行けている。

 30キロはなんと、20分16秒、今日のベストラップを刻んでしまった。1周目は20分29秒である。2時間04分で通過する。今回は30キロ地点のタイムは全く気にならなかった。30キロ手前では横風が強かったが、それも楽々としのいでしまった。

 30キロ地点を過ぎ、右折して、スペシャル、給水ポイント。スペシャルのそれぞれには、カーボショッツを付けておき、全てきっちりと取った。これが効果的だったのか、30キロを過ぎても全く疲労感が無く、気力は十分だった。その後35キロに向かう。やや横からの風でも前の加藤氏にしっかりと食らいついて行き、離される事は無かった。

 35キロも驚異的な20分38秒、2時間24分。7キロを残し、35分以上の余裕があった、気力もまだ十分であり、走りにも疲れは見えなかった。35キロを過ぎて左折。ここで再び強烈な向かい風。それまでのペースで走り続ける事は無理だったが、他のランナーに比べれば、殆どペースは落ちていなかった。スペシャルボトルを取り、カーボショッツ、バームを補給する。元気を取り戻す。

 そして前方に元気の無い塚越を発見。すんなりとかわす。このあたりで加藤氏に先行、塚越がすぐ後ろに付いて来た。並走したのは2キロ程、あとはひとりになった。しかし加藤氏はすぐ後ろにずっと付いて来ていた様だ。更に元県トラの高橋氏も捕らえ抜き去る。その道路も左折するとゴールもだいぶ近づいた。やや疲労感が出てきたので、携帯していたカーボショッツをそのまま取り、最後の力を振り絞る。

 大通りに出ると40キロ地点。そして残りも2キロとなる。この5キロのラップは不明だった。1キロ毎に取っていたラップは不正確だが、割合に早いというイメージだった。3時間まで残りは14分ほど。サブスリーには十分余裕である。焦りは無く落ち着いて走る事ができた。しかし、ここへ来てそれまでの様な元気はさすがに無くなってきた。思う様な力強い走りはできなくなっていた。一歩ずつ着実な走りに変わっていった。

 最後に左折して競技場前を通る国道へ出る。ラストも1キロを切ると、ランナーも前方にはポツリ、ポツリと居る程度。エリートの部のレースを見る様である。1キロを切り、最後に競技場への道に右折。すると花道の様な直線が続く。まだまだ3時間には余裕さえある。気持ちの高ぶりを抑えながらゴールを目指す。もう一度右折するとそこは競技場。ちょうど時計にセットした55分のアラームが鳴った。いつもの様に55分は切れなかったけれども、3時間まではやや余裕。喜びを抑えつつ、スピードの上がらない体を嘆き、最後のコーナーを曲がり、ホームストレートのゴールを目指す。もはやスピードは必要無かった。とりあえず、56分台でゴールインであった。

 ゴールしてから後ろを振り返ると、塚越、高橋、そしてあの加藤氏と続々とゴール。最後はその3人を私が引っ張った様である。久々の喜びのゴールとなった。

 ゴール後はいつもの楽しみのビールを探したが見付からず、仕方なくサービスの「なめこ汁」をすする。暖かくてとても美味しかった。ラストは遅くても4時間で全員ゴールとなり、その後は皆で近くの喜連川温泉へ浸かりに行き、夕食は焼肉をたらふく食べて帰って来た。のんびりとしすぎて、家に到着したのは日が変わっていた。充実した1日となった。次の日は振り替え休日で、再びのんびりであった。

(No.272)


  
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