第5回西湘トライアスロン大会

1988年11月20日(日) 曇りのち雨
種目:トライアスロン(Swim 2Km、Bike 70Km、Run 21.1Km)
記録:5時間33分48秒 46位

   
Swim42:27
Bike2:59:36
Run1:51:45
Total 5:33:48

 朝4時起床。今日は寒い。まだ外は真っ暗である。5時頃には準備も終了し、10分頃には車で二宮へ向かう。二宮まで距離は結構あったが、早朝という事で割合早く着いた。6時頃には主催者が用意した駐車場へ到着、まだ暗い。

 今日はトライアスロンだが、一応名目は『練習会』という事なので、あまり緊張感は無い。のんびり完走を目指すといったところである。何とかバイクを組み立て、6時過ぎに会場の二宮小学校へ到着。横断幕などもあり、結構大会の雰囲気が出ていたのでびっくりする。少し気が張る。

 早々に受付を済ませる。ゼッケンは「10」という事で受付をするが、良く見ると若い番号の人は皆速い人達の様である。県の理事という事で、わざわざ若い番号を取ってくれた様である。ちなみに、1、2、3は昨年の上位、あとは西湘トライアスロンクラブの連中と身内の様である。9は細野氏、そして私が「10」である。少し焦る。

 車検を済ませ、プレートとゼッケンをバイクとウェアに付ける。その後体育館で着替えをし、少しのんびりとする。7時15分から予定どおり開会式が始まる。30分には終了し、次にスイム会場の大磯ロングビーチへバイクで移動する。そろそろ大会が始まるという雰囲気になってくる。

 会場で肩にゼッケンを書いて貰い、プールで軽くウォーミングアップをする。50mのプールで泳ぐのは殆ど初めてである。25mのプールと比べるとなかなか長い。しかしプールには変わりないので割に楽に考える。主催者側の注意もひととおり終わり、いよいよスタートである。6コースのプールで2.5分間隔でひとりずつスタートして行くものである。

 最初のスイマーがスタート。皆それほどがむしゃらに泳ぐという訳でもない。少し安心する。私は次のスタート。やはり海ほど緊張はしない。いつもの練習の様なつもりになる。隣のコースの細野氏と二言、三言、言葉を交わしてスタートする。自分はあくまで50m1分のつもりでいる。初めのうちはとても泳ぎやすい。50mプールに2人しか泳いでいないのだから。そのうちに、徐々に徐々に増えてくる。

 初めのうち、実際にタイムの方もほぼ50m1分のペースで進んでいた様である。30分も過ぎ、残り500mほどになると、コース上には人があふれている様であった。後ろから速い人がどんどん追い付いて来て、端まで行くと速い人が先に行くのを待って、それからスタートするというケースが何度となくあった。

 自分では19往復目も終わり、あともう1本と思って、さあスタートしようと思うと、周回チェックの人から合図があり終わりだと言う。もう1本あるとは思ったが、チェックの方が正しいのだろうと思い、そのままプールを上がり、計時係に上がった事を伝え着替えに入る。プールサイドにはまだスタートしていない人達もたくさんいる様子で、皆寒そうに待っていた。

 とりあえずバイクウェアに着替える。かなり寒そうだという事で、今年の3月の事もあるので、更にその上にウィンドブレーカーを重ね着し、2枚着込む。バナナを1本、水を1杯飲んでバイクをスタートして行く。まだまだバイクはたくさん残っている。なかなか気分の良いものである。

 少し寒い感じだったが元気にスタートする。朝方には見えていた青空も完全に無くなり、どんよりと雲が垂れ込め、だいぶ下り気味の天候であった。バイクは一度試走してこのコースのきつさを既に知っているだけに、最初はあまり飛ばして行かない。ここも割合にのんびりした気分で行く。70キロのコースをツーリングでもする様な気分である。

 公道に出て最初の信号でいきなり信号待ち。少し気をそがれるが、少しストレッチなどもして暫く待つ。信号も変わり暫く行くと後ろから細野氏が追い付いて来た。ここでも二言、三言、言葉を交わしそのまま行く。

 ボランティアは要所要所にいてくれて安心して走って行ける。坂がきつい事は分かっているので、坂道でも無理をせず初めから軽いギアで上って行く。バイクは何しろそれほど得意!!という訳ではないので、抜かれて行ってもそれを追い掛けるわけでもなし。ほとんどマイペースで行った。途中抜いたのは女性の3人だけかも知れない。これは最初からその様なつもりでいたという事もあり、70キロのバイクは何とか完走することができた。

 バイクもそろそろ終わり、という頃、直角に左カーブするところで、雨と路上の砂利もあった様で、見事に転倒してしまった。腰とひじをすりむいた様だったが、それほどの傷ではなかった。しかしその事があり、以降は逆に少し気合いが入り元気が出た様な気がした。バイクはおよそ3時間で走破する事ができた。まずまずの成績である。

 ゴールの二宮小学校まで帰って来るとさすがに気持ちが良い。みんなに迎えられながらバイクをゴールする。荷物を受け取り、ランに向かってその準備をする。それほど寒いとは感じなかったが、手がかじかんでしまい、ヘルメットは自分で外す事はできなかった。手伝って貰う。

 バナナと水を一杯、そしてランをスタートする。雨が降っているなか手足が若干冷たかったが、ゆっくりとスタートする。バイクの後だけにまだ思う様に足が動いてくれない。足の先も冷えていたがそのうち次第に暖まっていくのが良くわかった。

 二宮小学校からバイクコースを少し戻り国道に出る。前方に2人ほど見えたが、簡単に抜き去る。ランのペースは無理をせず、と言うよりもあまりスピードが出ない状態が暫くは続く。およそ1キロ当たり5~6分くらいであったろう。

 国道を左へ折れるとこれからだんだん山登りになる。バイクできつかった上りを今度はランで上らなければならない。だんだんきつくなってくるが、決して歩くことはしない様にと思いながら走る。新幹線の線路を渡り暫く行くと5キロのポイントとエイドステーションがある。およそ30分。ひと休みして、水を2杯、バナナを1本、それに飴を1個。その間に1人に抜かれる。いいペースで抜いて行った。上り坂はまだまだ続く。

 みかん畑の中を上りきるとすぐに急な下り坂が待ち構えている。ランもアップダウンがかなりきつい。転げ落ちてしまいそうな坂もある。再びバイクでも走ったコースに戻る。ゴルフ場への坂の上り口で約8キロ。ここからがまたきついところである。ゴルフ場を1周して戻ってくるので、ランナーを何人か見かける。

 ゴルフ場1周は約3.5キロ。その手前にエイドステーション、およそ9キロの地点。やはりひと休みする。水とみかんをひとつ。ゴルフ場を1周しても殆ど平らなところは無い。常に下っているか、上っているかのどちらかの様だ。ぐるりと回って約20分、1キロあたり5分半以上かかっている事になる。まあそんなところだろう。

 1周してきたところで再びエイドステーション。またみかんと飴をひとつ。あとはしばらく下りが続く。それほど無理もせず常にマイペース。坂を下り切ったあたりでATCの高城さんとすれ違う。高城さんも楽しんでいる様子であった。

 また少し行ったところに西久保のエイドステーション。バイクでもあったところである。エイドステーションの女性達と話をしながらみかんを2つほど。どこにもみかんは置いてある。ここを過ぎてしまえばあとは殆ど下りだけだ。みかん畑の中を下って行く。あとはもう残りキロ数を考えながらマイペースで行く。徐々にゴールへ近づいて行く。もう走った距離の方が残りの方よりも多いのである。

 最後のエイドステーションは、もうそろそろゴールといったところである。残りも2.5キロくらいしか無い。最後にみかんを食べてゴールへ向かう。ここのみかんが一番甘くて美味しかった。坂を下りきるとバイクコースで通ったところに再び出て来た。ちょうど残り2キロとある。あとはバイクコースと同じところを2キロだけ、ゴールへと向かう。

 残り1キロの表示を見て、もういよいよゴールである。陸橋を通過するとトランシーバーで本部へ連絡する。ゴールではランナーの到着を待ち受ける準備を始める。もうひといきだ。

 小学校の入口まで来ると元気な応援団がたくさんいる。元気よく応援してくれる。とても嬉しい瞬間だ。こちらもそれに笑顔で応える。小学校への入口を上って行くと、グラウンドからの声援が聞こえてくる。あとはグラウンドをゆっくり1周し、ゴールを目指すだけである。

 みんなにゴールテープを張って待ってくれている。両手を挙げてゴールイン。とても楽しいレースになった。途中、バイクコース、ランニングコースはとても辛かったけれども、終わってしまえば皆楽しい思い出になる。ゴールでは西湘トライアスロンの河合さんに迎えられ、楽しいレースが終了した。

 終了後は寒く疲れ切っていたが、充実し疲れもいつの間にか飛んでしまっていた。その後は風呂に入り暖まり、体育館でビールを飲んでのんびりすることができた。


この後ゴールに入った細野氏が突然倒れ、急性心不全という事で、あっという間に他界してしまった。
合掌

(No.51)


  
home report