第2回トライアスロン日産カップ神奈川県選手権

1988年7月10日(日) 曇り
種目:Swim 1.5Km、Bike 46Km、Run 10Km
記録:3時間2分7秒 78位

  
Swim41:54
Bike1:33:58
Run46:15
Total 3:02:07

 朝はちょうど6時頃起床。外は日が差し非常に良い天気。絶好のトライアスロン日和である。今日も暑くなりそうであった。

 昨日9日は会場のセッティングが行われた。10時過ぎに日産の追浜工場へ。午前中はバイクスタンドの設営などを行う。午後からは水泳会場へ行き、その準備をする。コースロープを作り、ブイをくくり付ける作業をする。それから海岸のガラス拾いが大変な作業だった。テント張りなどもあり、昨年と同じ様に7時頃まで掛かっていた。私はそれで帰る。今年は残念ながら「ボランティア」のTシャツは貰えなかった。昼の日差しはとても強く、帰ってきたら首の後ろが日焼けでひりひりしていた。

 朝食はご飯1杯と大きめの餅3つ。かなり満腹になった。7時頃にはほとんど出掛ける準備は終わり、自転車を車に積み込み、7時20分には家を出た。道はほとんど空いているので、およそ30分程で日産のグラウンドに到着する。駐車場には既にかなりの台数の車が来ていた。

 自分はかなり遅い組の様であった。皆出足は早い様だ。会場に到着。もうほとんどの選手が来ているという状況の様だった。ボランティアを頼んだ善久さんも既に来ていた。すぐに荷物を置き受付を済ませる。Tシャツ、ボトル、ゼッケンが入っていた。ゼッケンはランシャツの前後に付け、次にバイクの車検を受ける。本日の検車は「シマダ」の社員が行っていた。

 その後はレース用にトランジッションバッグやスイムパンツの用意を行う。今年はTVの放映がある為か、昨年よりかなり大規模になった様だ。正面のクラブハウス横には大きなステージもできてしまっていた。

 9時頃から開会式が始まる。9時半になればもうバイクの試走に出掛ける。30分後にはレースが始まってしまう訳である。今年は2度目、開会式もそこそこにして体にワセリンを十分に塗る。朝は日が差していたのが、この頃になると雷も鳴り始め、だんだん曇って来てしまった。水温もだいぶ低そうな様子である。

 9時半を過ぎるとバイクの試走に入った。皆バイクの折り返し点に集まり出す。我が鉄人クラブのメンバーも結構出場している様だった。昨年優勝の長谷川、松本、赤間、藤原。夫婦で出場の内田、阿部夫人等々、他にもたくさんいる様であった。

 バイクのトランジッションバッグをトラックに預け、バイクの試走に出る。一応軽くコースをひと回りし、バイクスタート地点へと向かう。トラックに預けたトランジッションバッグを引き取りに行くが、皆同じバッグの為なかなか見つからない。目立つ様なバッグが良さそうだった。他の人と同じでなければならない事は無いのである。バイクスタンドへバイクとバッグをセットし、スイムスタートへと向かう。徐々に気持ちが高ぶってくる。それを抑える様にとも思う。鉄人クラブのJR佐藤氏と途中で出会い、二言三言、言葉を交わす。

 海岸まで来ると選手は徐々に集まり始めていた。テレビカメラもあちこち飛び回っている。水はかなり冷たかった。スタート10分くらい前から選手のコールが始まる。ひとりずつゼッケンナンバーを言い海へと向かって行く。半分くらいはウェットスーツを着用している様だ。自分もゼッケンを確認し、海へと向かって行く。いよいよ決戦の始まりだ。今年はあまり不安感は無い。スタート直前に掛け声を掛け、皆気合いを入れる。スタート位置は殆ど後ろ。格闘は避ける様にする。

 ピストルの合図でスタート。初めのうちはやはり格闘技の様だ。白い波が立ち、皆一斉に泳ぎ始める。今日はワセリンを塗り、背も立つという意識がある為か、割合に気は楽であった。クロールで泳ぎ始めるが、暫くは周りの人で自由に泳げない。少し平泳ぎで様子をみる。

 50mほど行き、周りが落ち着いたところで、クロールで泳ぎ出す。何とか順調に泳ぐ。最初の375mが結構長く感じる。距離は昨年と殆ど変っていない様である。折り返したところで時計を見ようとするが、うまく見ることはできない。ダメダ!!

 トップはひとりの様で、折り返しに向かって行く途中、逆に向かって行くのが見えた。折り返してからはだいぶ落ち着いてきた様で、泳ぎにも慣れた様だった最初からこのくらいのアップでもやっておいた方が良いのかも知れない。…ただそんなにやるとあとで泳げなくなってしまうかも知れないが…。

 2周目の最後の折り返しも過ぎると、ラストスパートをする人もいるのか、数人に抜かれた様だ。ラスト100mほどは自分でも一生懸命泳ぐ。2周が終わってもそこから陸に上がるまでがまた長い。周りに女性も2人ほどいた。一生懸命走ろうとするが、なかなか前へ進まない。

 『18番』とゼッケンを言いながらゴールする。上がったタイムは39分。(ただ記録上は41分になっているので、計時はどこで行っているのか不明であった。)昨年よりは1分ほど良さそう。次はバイク。ぞうりを履いてバイクスタンドまで駆けて行く。日産の工場に入ったところで、水で体中の塩分とワセリンを落とし、口をゆすぐのに軽く水を飲む。

 バイクのところへ着いてからは、ランシャツを着、サングラスを掛け、シューズを履き、最後にヘルメットをかぶってスタートして行く。ランシャツがからまりなかなかうまく着ることができなかった。バイクはコースを5周と1/2、約47キロということであるが、実際には50キロ程あった様だ。

 初めにテストコースへと向かう。急カーブが多く、更に小石が非常に多い。転倒に気を付ける。テストコース内に入ると多少楽になるが、1周する為、反対側では向かい風に悩まされる。ある程度、ドラフティングの様な事もする。

 テストコースの周回を終えると再び工場内に向かう。こちらは昨年と同じコースで、勝手はおおよそ分かっている。やはりカーブはきつい。ギアはなかなかトップへ入らなかったが、ペースはまずまずの様だ。回転はなるべく80以上を保つ様にする。

 藤原雄一郎は今年も前にいた。しかしちょうど1周目のテストコースを終えたところでとらえた。あとはそれ以降抜かれる事はなかった。それがいちばん心配であったが…。

 周回コースはなかなかきついものだった。まずまずなのは初めの3周くらいまで。4周目は何とかこらえながら走り、5周目はだましだまし走りとおした。5周目に入った時、後ろから高山さんの勢いの良いバイクが抜いて行った。足も良く回っていた。最後の周はラストということで、先行する人を何人かとらえて、やっとゴールインすることができた。

 残り2周くらいからBコースの赤いゼッケンの人達が水泳を上がり、バイクに移ってきた為、コース上のバイクの数が急に増えた様だった。時々いいスピードで抜いて行くのがいたが、それは赤いゼッケンであったので、少しはほっとした。一応仕方がないだろう。

 バイクゴールは昨年と同じガソリンスタンドのところ。今年は「LOOK」タイプのペダルを使っているので、シューズはバイクに付けたまま脱いで、バイクから降りる。そのままバイクをスタンドへ置く。トランジッションバッグのあるところまでは小走りで。

 ヘルメットを脱ぎ、ランニングシューズを履く。この時ひもはあまり強く締めなかった様だ。結局あとで両方ともほどけてしまった。やはり日頃やっているとおりにやらないとだめだと後で痛感する。そしてキャップをかぶりランのスタートへと向かう。

 今年はコースがだいぶ長くなり、ゴールのあるグラウンド内を通過する様になった。これで1周約350m、2回で700mほど長くなった。おまけに折り返し地点も150mほど先に行ったので、150×2×2で600mほど長くなったわけだ。昨年よりは1.3キロほど延びている事になる。

 ランのスタート地点(グラウンド入口)に善久さんはいた。スタートはそれほど悪い調子ではなかった様だ。意識的になるべくスピードを上げていく様に心掛けた。この時点で女子トップにいた河原恵子はランに入りすぐにとらえた。これで女子には負けていない事になった。

 スタートして折り返しまで6~7分、そこからまたスタート地点を通過する。そのあたりで振り向くと、後ろから勢いの良い女の子が上がって来た。糠谷雅子であった。テレビカメラの後ろを一生懸命走って、男どもを次々にとらえ、そして自分もあっという間に抜かれてしまった。暫くは前方10mくらいに位置していたが、次第に視界から消えてしまっていた。

 給水所では必ず水かドリンクを取り、後半になってからは、頭にも水を掛けるよう心掛けた。後頭部の水はとても気持ちが良かった。

 1周目は21分14秒。ペースとしてはまずまずであった様だ。1周目も何とか終え、2周目に入ったあたりからだいぶ勢いも衰え、自分でもかなり遅いペースになった事が分かった。順位もだいぶ後ろの方である為、やや戦意喪失といった様な感じになった。

 2周目の前半も終わり、最後の「1周」は少しペースを上げる様努力した。後ろからいい勢いで抜いて行くランナーに、意識して付いて行った。何とか付いて行く事ができ、少し元気も出てきた。

 最後の折り返しをまわり、ゼッケンにチェックを受けてゴールへと向かった。途中ほどけたシューズのひもは、もう残り少しという事で無視し、気を付けて走る様にした。グラウンド手前のチェック場所で2回のチェックを受け、「たすき」を貰う。それを首に掛けグラウンドに入る。残り約500m。グラウンドを1周、清水会長も応援にまわってくれていた。

 3時間はちょっと過ぎていたけれども、元気を出して最後のストレートへ向かう。スピードはなかなか出ないけれども、一歩一歩、しっかりと歩を進め、ゴールへと向かった。ゴールでは座間ハイスクールのチア・リーダーが大ハッスル。完走者を励ましていた。

 ゴールは3時間2分7秒。とりあえずゴールイン!!疲れた。そのひと言であった。しかし完走の喜びは大空の様に大きかった。

 ひと休みして食べたいなりずしとビールがとてもおいしく、天国の様である。これがあるからやめられないのかなァと思ったりもする。女性には負けてしまったけれども、しかし十分に満足できるレースであった。

(No.41)


  
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