第12回河口湖日刊スポーツマラソン

1987年11月29日(日) 曇り時々晴れ
種目:42.195Km 一般男子35歳以下
記録:2時間58分10秒
順位:総合720位/9,707人 一般男子35歳以下421位/4,459人

 SPL.LAP5Km
スタート後道路まで(5キロポイント)2:442:44
大橋入口9:176:32
5Km21:2212:0521:22
大橋入口27:576:35
信号左折(約7.5Km)35:387:40
10Km41:375:5920:15
15Km1:02:1720:4020:40
20Km1:22:4220:2520:25
21.0975Km1:27:234:41
25Km1:43:1615:5320:34
信号左折1:52:168:59
30Km2:04:0211:4620:45
35Km2:25:5221:4921:49
37.2Km(あと5キロ)2:35:099:17
38.2Km(あと4キロ)2:39:374:28
39.2Km(あと3キロ)2:44:154:37
40.2Km(あと2キロ)2:48:554:4023:03(5.2Km)
41.2Km(あと1キロ)2:53:314:36
42.195Km(ゴール!!)2:58:104:39 9:15(2Km)
 
スタート ~ 30Km2:04:024:08/Km
30Km  ~ ゴール54:084:26/Km


 やっと念願のサブスリーランナー!! やったぜ!

 11月28日(土)10時に大船駅を出発。御殿場には11時半過ぎに到着。買い物と食事をする。待望の河口湖には2時頃到着。既にマラソンの雰囲気でいっぱいである。すぐに受付を済ませる。TVカメラも来ている。徐々に盛り上がりを増してきているところであった。

 朝からの雨はまだ降り続いたままである。コースの確認のため、車で河口湖を1周する。受付と同時にチームでの申し込みと日刊スポーツ新聞の申し込みをする。雨は強くはないが、しとしとと降り続く。その後、宿の山中湖一ノ橋荘へ戻る。翌日の準備と軽いストレッチなども行う。床についたのは9時過ぎであった。目覚ましのタイマーを3時15分にセットする。

 3時15分起床予定が、目が覚めた時間は3時40分。慌てて起きる。すぐに食事を取り、朝の支度をする。宿の出発は予定より10分遅れの4時40分頃。昨日の雨は上がっているが霧が濃い。注意しながら河口湖まで向かう。約20分程で到着する。昨年の経験を生かし、まっすぐ河口湖南中学校の駐車場へ向かう。

 中学校から徒歩で15分くらい。スタート地点の近くまで行く。ひと段落して落ち着くと6時頃であった。周りもだんだん白み始める。暫くはリラックスする。ウォーミングアップは6時25分頃から始める。ストレッチを十分に行う。軽く1~2キロ走る。ホテルの鏡で自分の姿を見たとき、今日はいい顔をしているなと思う。この気合いならば十分に3時間を切ることができるだろうと自分に言い聞かせる。30分ほどアップをして戻る。

 テレビ放映があるという事で、カメラもあちこちにいる。7時15分には着替えを済ませスタート地点へと向かう。なるべく前方に位置を取る。先頭からほぼ10mくらいの場所であった。その位置に付いたところでちょうど開会式が行われた。大会会長の挨拶だけの簡単なものだった。

 7時29分、盲目のランナーが混乱を避ける為、ひと足先に出発、みんなの声援に送られて、伴走者と一緒に出て行った。2時間54分台の記録を持つという事だった。この時点ではたぶん追い付く事はできないだろうと思った。……実際には35キロ地点辺りで抜き去ることができた。7時30分、ピストルの合図とともにスタート。フルマラソンの開始である。

 今回のマラソンは昨年の経験をふまえて、
1.決して無理なスピードでは行かない。
2.全てイーブンペースで行く。
3.必ず3時間を切る。
という事を念頭において走った。昨年の記録から、30キロを2時間5分、残り12キロを55分で行けば3時間を切れるのである。30キロまでは約4分ペース。残りはきっとペースが落ちるであろうから、4.5分のペースが維持できれば良いのである。

 30キロを2時間5分、残り12キロを4.5分で54分、合計2時間59分である。これは昨年計算した式である。まさにこれを目指して走った。とりあえずこれを実行するために、スタートはなるべく前方でなければならない。まずこのポイントはクリアすることができた。

 かなり先頭の方に来たと思っても、スタートしてみると人がたくさんいる。すぐには動き出さない。後ろから押し出される感じで進んで行く。昨日降った雨の水たまりもあちこちにある。とりあえず安全に進む。柳の木の下の細くなっているところでは、なるべく人の少ないところを選んで進む。そうしてようやく道路まで行く事ができる。300m程度のところを2分44秒かかって進む。

 あとはある程度太い道であるから安心して走る。なるべく右側端を行く。マイペース、決して無理はしない。トンネルを抜けしばらくすると河口湖大橋入口にかかる。ここで9分17秒。まだこのペースが速いのか遅いのかはよく分からない。しかしほぼ2キロ地点であろう。まずまずのペース。本当のペースは5キロまで行ってみないと分からない。橋も無理せず、下りもゆっくり行く。橋の先、信号を左折したところで15分くらいであったろうか。昨年よりは速い様であった。

 何度か見慣れた景色を過ぎ、グランドホテルの横も通過して行く。この辺りではも人混みという事はない。思う様に走って行く。前方には鉄人クラブのランシャツを着た宮林さんがいた。彼はトライアスロンではいい成績を出しているので、今回は3時間を切ってくるだろうと思った。いいペースメーカーがいたと思う。

 5キロの通過タイムは21分22秒。なかなか良いペースである。最初のロスタイムを入れると約20分30秒程度のペースだろう。ずっとこのペースで行ければ良いと思う。とても楽なペースである。無理なスピードではない。楽過ぎるくらいである。

 5キロを過ぎた辺りで宮林さんに追い付く。軽く挨拶をする。再び宮林さんは先に行ってしまった。しかし常に50~100mくらい先にとらえていた。青い帽子が良く目立った。給水所もあったがまだ水は取らない。

 道路の交通規制は、反対車線側は解除され、車が向かって来る。注意が必要である。トンネル内も車が通る。注意して通過。再び河口湖大橋入口を通過。27分57秒、この1周が18分40秒。また5キロ地点での1周タイムは18分38秒。全くのイーブンペースである。素晴しい。4.6キロ~7キロくらいになるのだろうか。

 今度は大橋には向かわず、右に折れて周回コースへと向かう。走りやすいコースが続く。暫くして上りの感じになり、商店街を通過。更に信号を左折して周回コースを行く。信号左折は35分38秒。するとすぐに、左手遠方に河口湖が見えてくる。まだまだ良いペースで続く。目標の宮林さんもすぐ近くに見える。この辺は、周りは田んぼが多い。

 10キロは「モンテフジ」というホテルの前。この辺りから周りは「山」という感じになってくる。41分37秒で通過。この5キロは20分15秒で走った事になる。楽な感じで、このタイムであれば言う事は無い。10キロの先に給水所があったが、ここでも水は取らない。

 もみじの中を走り、暫く行くと、よく覚えている大石小学校が見えてくる。30キロのポイントである。1周目では11~12キロ地点にあたる。2周目にどれくらいで来る事ができるか、思いながら通過する。47分15秒のタイムである。

 左手には「うの島」が見えている。調子は絶好調というところであろうか。汗もかいているし、寒いという感じもない。この先、軽い上りと下りがある。またもみじとトンネルの中を進む。左前方には時々富士山も見えてくる。やはりこのマラソンには富士山が良く似合う。

 たまに道が広くなったり狭くなったりする。カーブが多いが、それほど走りにくくはない。そして15キロ地点を通過、1時間2分17秒。この5キロは20分40秒、良いペースである。全く衰えはない。

 この辺りでキャラメルを1個食べる。手袋をはずし、皮をむき、口に入れる。少し歯に付いたりもするが仕方がない。しかしなるべくならば、付かない方が良い。15キロの先の給水所で軽く水を取る。あまり欲しくはなかったが、いちおう取る。水で手袋が濡れない様に、外して飲んだ。

 ここを過ぎる辺りから日があまり当たらなくなり、少し冷えてくる。また西湖への道路の分かれ道もある。そこからは西湖マラソンの時にも走ったので、よく覚えている。日陰の曲がりくねった道を行く。しかし眺めはそれほど悪くもない。

 西湖マラソンの時の分岐の三差路を過ぎると、2周目の「あと5キロ」地点。1周目ではおよそ17~8キロといったところか…。松林の中を過ぎて行くと20キロ地点がある。1時間22分42秒で通過。この5キロは20分25秒で走る。前の5キロよりもタイムは良い。調子も上々。鉄人クラブの宮林さんは、15キロ地点辺りから徐々に追い付き、給水所で水を取った時に、あっという間に抜いてしまった。

 20キロ地点を過ぎる辺りから再び日は差し暖かくなる。ハーフ地点は1時間27分23秒で通過。なかなかハーフ地点にならないな、といった感じで走っていた。この1.1キロの間は4分41秒、ちょっと疲れたか…。

 ハーフ地点を過ぎ、40キロポイントへ行くまでのちょっとした上り右カーブのところに、鉄人クラブ会長の若林さんがいた。自分の名前を呼ぶ人がいるので見回すと、若林さんがカメラを構えていた。元気に通過する。また一層元気も出た。

 暫く行くと、河口湖大橋からの道にぶつかる。何とか元気にここまで来た。あとは徐々に河口湖畔の旅館街になっていく。河口湖ホテル前の「あと1キロ」の看板を見ながら、ここを何分で通過できるだろうか…と考えながら、スタート地点へと向かって行った。

 スタート地点前の道路にはかなりの応援者が出ていた。みんなに声を掛けてくれている。嫌でも元気が出てくる。必ず3時間前には帰って来るぞ!!と思いながら通過。1時間30分台で通過しただろうか、時計は見たがはっきり覚えていない。

 ちょうどスタート地点を通過した辺りで、今度は鉄人クラブの藤原雄一郎が私を抜いて行った。かなりいいペースで行っていた。軽く抜かれてしまった。追い付いて行こうと思ったが、追い付けるスピードではなかった。残念!!

 昨年は2周目を過ぎる辺りからやや疲れが見え始めたが、今年はまだそんな事は無かった。まだまだ良いペースで行ける。25キロ手前の給水所近くで、前を走っていたランナーがバナナを食べていた。まだ残っていて、私にも分けてくれた。これも少し補給の足しになった感じである。その為、給水所では水も取らなかった。

 トンネル手前の25キロ地点は、1時間43分16秒で通過。この5キロも20分34秒。非常によろしいペースである。トンネルを通過し、大橋入口を通過。タイムは不明。暫く走りやすいコースが続く。

 すると突然後ろから西山さんの声。軽く抜いて行く。まさか彼がここまで来るとは思わなかった。フォームはいつもの調子、多少飛び跳ねる感じである。前回の横浜マラソンの事もあるので、少し心配した。しかしそのまま30キロ手前までは行った。

 30キロまでは特に変わった事はなく順調に行く。ただ昨年はこの辺りから徐々に落ち始めた事を覚えている。しかしまた、今年はかなり走り込んでいるから大丈夫、という気もあった。この辺でもまだまだペースは衰えなかった。元気!元気!! 西山さんは10キロポイントのホテル前辺りで再び抜き去った。調子は良かった。

 30キロ手前から、ひとつの目標の30キロ地点、大石小学校が見えてくる。時計を見てもかなり速い様である。この時点ではペースも全く問題ない。しかしややこの辺りから、次第に左ふくらはぎがちょっと張ってきた様な感じがしてくる。30キロは2時間4分2秒で通過。この5キロはちょっと落ちて20分45秒かかる。次第にペースは落ちてきた事になる。この手前で「あめ」をひとつ食べている。少し元気になる。

 これを過ぎると再びもみじのきれいな山あいの道を行く。調子は悪くないが、次第次第に足のあちこちに不調箇所が出てくる。やがて33キロ辺りに来ると、急にペースダウンした様になる。伴走者に手を引かれた盲目のランナーはこの辺りでとらえた。まさか追い付くとは思っていなかっただけに、多少は元気が出る。自分も頑張らねば!と思う。そのランナーに声を掛けて行く元気な人もいたが、自分は自分の事でいっぱいだった。声も掛けずに横を通過する。

 次の給水所では水を取る。一度取りそこない、戻って水を飲む。足にもだいぶ疲れが出ている。太腿も張ってきた。手袋をしたまま水を取り少し濡れる。

 35キロ地点は2時間25分25秒で通過。この辺りの事はあまり良く覚えていない。あまりに急にペースが落ちてきたので、これでは3時間は無理ではないか、とも思った。意識の方もあまり無く、ただ走っていたという感じがする。日の当たらない寒いところを走る。この辺りでは、自分がどれくらいのペースで走っているのか不明であった。ただ昨年はきついコースだなと思ったが、今年はよく知っているだけに、それほど辛いとは思わなかった。

 やがて「あと5キロ」地点。ここがひとつのポイントであった。35キロからここまでの2キロが約10分程掛かったが、残り5キロで時間はあと25分あるという事で、少し余裕が出た。とりあえず1キロ5分のペースで行けばいいという事になった。

 ここは2時間35分9秒で通過。この2キロは9分17秒であった。1キロ当たり4分40秒近く掛かっている。恐らく全ての中でいちばん遅いラップだったのではないだろうか…?(注:2.2キロ区間なので、4分13秒/キロ)
ちなみに、35~40キロのラップは23分2秒かかっている。(注:この区間も正確には5.2キロ、4分25秒/キロ)

 あとは1キロずつ消化して行くといった感じで進む。何とか5分のペースをクリアする事に専念した。各キロ毎のラップが4分台で記録され、3時間までの余裕が大きくなるにつれ、徐々に、徐々に楽になっていった。あとはキロ毎のラップである。

 「あと4キロ」は2時間39分37秒、4分28秒でクリアしている。「あと5キロ」が出て少し元気になったのだろうか。「あと3キロ」の手前に最後の給水所があった様な気がする。ここでは足の張りがこらえきれず、ついに軽く止まり、水をゆっくり飲んでしまった。「あと3キロ」は2時間44分15秒、4分37秒でクリア。河口湖もすぐそばに見えている。たき火の近くを通ると、その暖かさが嬉しい。

 「あと2キロ」は2時間48分55秒で通過、4分40秒かかっている。給水所の分だけ余計にかかったか。昨年はこの地点でちょうど3時間だったのをよく覚えている。今年はそれより11分速い。もう先は見えてきている。

 やがて河口湖大橋からの道路との交差点を通過。だんだんと人家も増え、応援の人も多くなってくる。もうすぐである。沿道の応援が嬉しい。受付のグランドホテルそばを通過すると、もうすぐである。

 やがて河口湖ホテル前の「あと1キロ」を通過。2時間53分31秒である。あと7分もある。サブスリーは確実である。しかしまだ油断は禁物。なるべく足に負担を掛けない様に走る。この1キロは4分36秒。

 あとはもう旅館街である。気持ちは3時間を切ってゴールできるという喜びでだんだん盛り上がってくる。T字路を左折してメインロードへ出る。ゴールはもう目の前、観客の声援が嬉しい。ゴールの駐車場入口にはTVカメラが置かれていた。サブスリーが嬉しくて思わずガッツポーズ。会場のアナウンスもサブスリーランナーを祝ってくれている。最後の力を振り絞り、ゴール目指して走る。

 サブスリーの喜びを味わいながらゴールイン!! ついにやったサブスリー。やっと終わったフルマラソン! 自分の時計では2時間58分10秒、立派な記録である。自分に感激する。思わず涙腺がゆるむ。周りでは3時間を切ったと抱き合って喜んでいる人もいる。みんな嬉しいのだ。自分もとても嬉しい。

 完走Tシャツ引換券を貰う。これも特別のサブスリー達成引換券である。バンザイ!! 喜んでTシャツを引き換え、おしるこやバナナ、レモンをぱくつく。周りにいるのはみんなサブスリー達成者である。あとはラーメンを持って着替えのある場所へ戻り、みんなの帰りを待つとする。

(No.25)


  
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